本日もよろしくお願いします。
アトラ・ハシースの箱舟占領戦が開始された。
作戦としてはこうだ。
箱舟内のエリアを少しずつ占領していき、最終的に管制システムを奪う。
そうすれば、自爆シーケンスを起動して箱舟を破壊できる。先生達の勝利だ。
外郭に位置する第1エリア、第2エリア、第3エリア。中央に位置する第4エリア。
先生達が今いるのは第1エリア。そこから順番に進めていく。
また、各エリアには”次元エンジン”が設置されていて、それを破壊することがエリアの占領となる。
■
箱舟内の通路を2つの影が高速で移動していた。
「ねえパパ、どうして私たちだけ別行動……?」
「時間がないので。先んじて他のエリアの占領に動くべきという先生の判断ですよ。……まあ、それだけ僕たちの実力を買ってくれているということですよ。」
2つの影。それはユウとヒガンであった。この2人だけは別行動……少しでも占領を早めるため、先のエリアに送られたのである。
「なるほどね。つまり、先生達は第1、第2エリアを。私たちで第3エリアに行くってことで合ってる?」
「合ってる。そして同時に中央の第4エリアに突入する。だからこっちも早く終わらせに行かないとね。多分、先生達はもう第1エリアが終わる頃じゃないかな。」
そうして進んでいるうちに、第3エリアへと到着した。
「さて……やるよ、ヒガン。」
「うん……合わせるね。」
エリア内にいる大量のロボット達。そのすべてが、2人の存在を認識した。
2人は武器を構える。一触即発。
先に動いたのは……
ユウ達だった。
「ッ!!」
素早く剣を振り抜き、ロボットの意識外から刈り取っていく。
「逃さない……よっ!」
そこに、ヒガンの超精密射撃が加わる。ユウの死角にいる敵、対処しきれない敵を撃ち抜いていく。
「……あれが、”次元エンジン”……」
巨大な装置が見える。あれを破壊することが作戦の成功条件。
敵の数も徐々に減りつつあり、破壊ももう目前と言えるほどだった。
血の弾を飛ばす。剣で切り飛ばす。銃で撃ち抜く。そして残骸が積み重なっていく。
2人とは思えないほど戦闘はスムーズに進んでいる。コンビネーションもバッチリで、油断も隙も全くと言っていいほどない。
「よし、このまま……」
ユウが次元エンジンに手を掛ける、その時だった。
「させると思う?」
赤い閃光が、ユウを弾いた。
「っ!?」
「さっきはあの子に無理言っちゃったし、お父様たちも来てくれたし……ちょっとは頑張らないとだめね。」
優雅に舞い降り、ルナが二人の前に立ちふさがった。
「お姉ちゃん……!」
「また会ったわね。……というより、今回はそっちから会いに来てくれたけど。」
「……」
「悪いですが、君に邪魔されるわけには行かない。どいてもらいます!」
「やってみなさい……!お父様!」
吸血鬼たちの戦いが、幕を開けた。
■
「ふっ!!」
「甘いです!!」
高速の近接戦闘。ユウは剣を使い、ルナは槍を使っていた。キヴォトスとは思えないほどの近接戦闘であった。
「……ここ!」
ヒガンが放った弾丸が、ルナめがけて飛んでいく。
……が。
「ほんと、貴女の攻撃はぬるいわね。」
「くっ……」
片手間に弾かれてしまった。
「よそ見ですか?ずいぶんと余裕なようで。」
ユウは猛攻を仕掛けていく。”私”の技術のおかげか、動き、血の操作、武器の取り回しなど、今までより向上していた。
その効果はちゃんとあるようで、ルナは押され気味だった。
「っ!強いっ……この前とは……違う……!?」
「託されたので。負けるわけには行きません。」
「どういう……っ!」
そして、ルナに生じた一瞬の隙。それを、2人は見逃さなかった。
「終わりです。」
「絶対に当てる!!」
攻撃が放たれる。
「ぐうっっ!!」
2人の攻撃は、ルナに直撃した。
「……やるじゃない。だけどこうしているうちにも、貴方達はピンチに陥ろうとしているって言うのにね。」
「何を言って……。……って!?」
ルナの言葉を聞いて通信を繋いだユウは、その言葉の意味をすぐに理解した。
『くっ、このままではまた……!』
「何事ですか!?」
『あっ、ユウ君!やっと繋がった!今、こっちでは大変なことに!』
『ユウカさん、すみません!こちらの確認をお願いします!』
通信の向こうでは慌ただしく動くオペレーター達の声が聞こえる。
「本当に何が……」
「……貴方達がこっちを占領している間、こっちもあの船を乗っ取っていたのよ。」
「!?じゃあ……」
「そう。あの子は貴方達の船を自爆させたわ。それに、またあのタワーを出現させてる。」
「くっ、それじゃここまでの全ては……!」
「無駄……ということね。……じゃ、私は一旦戻るわ。お父様はまだ、諦めてないでしょう?……待ってるわ。」
そう言って、ルナは消えた。
「クソっ!!」
「パパ……」
ユウは怒りをあらわにしながらも、先生に通信を入れた。
「先生、元凶は!!?」
『第4エリア中央!!私とシロコでそこに向かってる!!』
「僕も向かいます!!最高速度で!!」
『分かった!』
通信を切る。
「ヒガン、いまの、聞いてたよね?」
「……うん。私も行く。」
「よし。行くよ!!」
2人は、先生とシロコが目指す場所へ向かって走り始めた。
■
「邪魔だっ!!」
ユウたちは走り続けていた。ブルドーザーのように敵を轢きながら。
「パパ!そこを曲がった先に!!」
「了解!!」
2人は角を曲がり、管制室……”ナラム・シンの玉座”へと入った。
中には、こちらには先生とシロコ。向こうには、黒いシロコ、ルナ、そして、”先生”と呼ばれた誰かと、A.R.O.N.Aと名乗った少女が立っていた。
「最終決戦です、お父様。」
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
後二話くらいかな……
この後は、ユウVSルナがメインとなります。先生達の方は原作と同じということで。
がんばりまちゅ。