銃社会を、吸血鬼は生きる   作:MIKAZUKIN2525

99 / 105

ほとんどが会話、そしてブルアカ要素がほとんど無し。よろしくお願いします。



”私”と”僕”

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

ユウは、空き部屋に用意された仮眠室のベッドに横になっていた。

 

「……寝よう。」

 

これからの作戦の不安もあるが、それよりもあの襲撃者のことが気になって気になってしょうがなかった。だから、寝ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

■

 

 

 

 

 

 

 

「んぅ……ん?」

 

ユウは目を開ける。

 

見えた視界には、満月と星が綺麗に反射している海が見える砂浜が広がっていた。

 

「夢……かな。」

 

さざ波の音。心地よい海風。夢とは思えないほどであった。

 

すると、隣に人が近づいてきた。会ったことがある人物。

 

『こんばんは、かな。』

 

「! 過去の……僕。」

 

過去のユウ。”私”がそこに立っていた。

 

『こうして話すのは初めてだね。今の私。』

 

「はい……はじめまして。……なぜ、今僕の前に?」

 

『ん?ああ、明日、最後の作戦なんだろう?なら、私の力を渡しておこうと思ってね。』

 

「力……?というか、作戦のこと、知って……」

 

『勿論知っているさ。私はここから見ているからね。』

 

「えっ……そう……だったんですね。」

 

『ははっ、プライベートなところまでは見ないようにしてるさ。安心して良いよ。』

 

「ほっ……」

 

『さて、本題に戻ろう。』

 

「あ、はい。力がどうとか……でしたよね?」

 

『ああ。君の力は、まだまだ100%じゃない。それは過去の記憶がないから。だから私が直接渡す。というか、教える……といったほうが正しいかもしれないね。』

 

「なるほど……じゃあ、昔の記憶も……」

 

『……本当はそうしたいさ。ずっと記憶喪失ってのも嫌だろうし。でもね、君に……罪を背負わせるわけにはいかない。』

 

「罪……?」

 

『……私はね、私と君はもう別の人間だと思っている。だから君には、私のこと……過去のことを知らないでいてほしいんだ。……過去のことを知ってしまったら、君は負い目を感じるだろうね。でもそれは私の罪だから。』

 

「……」

 

『納得行かないって顔してるね。……じゃあこうしよう。一つ教える代わりに、私から一つだけお願いをしたい。』

 

「……はい。」

 

『ありがとう。……まず、教えるというのは、君を襲った襲撃者の正体についてだ。彼女はルナ、私の娘だ。』

 

「やっぱり、そうでしたか……」

 

『……あの子とは喧嘩別れになってしまったからね。お願いというのは、ルナにこう伝えてほしいんだ。――”私の望みは、君の母のものでもあった。”と。そして……仲良くしてやってくれ。』

 

「! ……分かりました。」

 

『ははっ、実質2つみたいなものだけどね。……改めて、ありがとう。”僕”。』

 

「……別に、感謝されるほどのことでもないですよ。過去の……いえ、”私”からの頼みですから。」

 

『――では、私の力を渡すとしよう。』

 

”私”は”僕”の額に指先を当てる。

 

『目を閉じて。ゆっくりと、呼吸をするんだ。』

 

「……はい。」

 

”僕”は言われた通りにする。

 

そして、”僕”の頭に、鋭い衝撃が走り、あらゆる情報が流れ込んでいった。

 

『よし。終わりだ。』

 

”私”は指を離した。

 

「あれ、もう終わりですか?」

 

『ああ。君はもう私ができたことならほぼすべてできるようになっているはずだ。……だが、その力は強大だ。ちゃんと、正しいことに使ってくれ。』

 

「……もちろん。」

 

『まあ、”僕”にそんな心配はいらないと思っているけどね。』

 

「”私”がそのように使ってきたのであれば、僕もそのように使いますよ。」

 

『ははっ。それは最高だね。』

 

”私”は海の方を向いた。

 

『ここは、私とあの人との思い出の場所だ。』

 

「あの人……というと?」

 

『あ〜……それはだね……。いや、これはいいか……なんだ、その……妻だよ。人間のね。』

 

「! なんと。」

 

『とても可愛らしくてね。いつも元気をもらっていたんだ。』

 

「へぇ……」

 

『それでいうと……ああ、そうだ。君たちの先生ととても似ている。』

 

「先生と……ですか。」

 

『……妻とは、初めてここで会ってね。今みたいに、星が綺麗な、満月の夜だった。』

 

”僕”は黙って聞いている。

 

『一目惚れ……と言うやつだったんだよ。私も、あの人も。それで、私からプロポーズしてね。結婚して、子どももできた。それがルナとヒガンなのだけれど。……あの時は、最高の毎日だった。本当にね……』

 

「……」

 

『あぁ!すまない。こんな雰囲気にするつもりは無かったんだ。』

 

「い、いえ。気にしてませんから……」

 

『とにかく。よろしく頼んだよ。”僕”……いや、空崎ユウ。』

 

「ええ。願いは叶えます。”ユウ”さん。」

 

 

 

ユウの視界が霞んでいく。夢から覚める時間だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ああ……過去を振り返るなよ……そのまま……未来を作っていけ。』

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。

読みづらかったら申し訳ない。


がんばりまちゅ。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。