ホームカミングガーリー~ごきげんようお姉さま。わたし百合もバトルも無双します!~   作:天野ぬぼ子

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第22話 ステファニーの最後

全身、機械部分のあちこちから炎が吹き上がり、スパークが弾け飛ぶメカステファニー。全力を使い果たし、今や咆哮するだけとなった巨躯を見据え剣を振り上げる。喰らえ───

 

だが。

 

「やめろ!殺さないでくれ!」

 

声の方を向くと李とあまねが居た。協会の拘束から力づくで逃げてきたのか。戦闘があったようで二人ともボロボロだ。

 

「ステファニー、殺さないでくれし!」

 

李とあまねが交互に叫ぶ。私は足元の姫子を一瞥した。弱弱しくも、まだその目に光はあった。許せない。姫子をこんなにした奴ら!そもそも敵である奴らの言う事なんか聞いてやる筋合いは無い。───だが姫子もまだ死んではいない。それなら。

 

「『天岩戸(あまのいわと)』開帳!」

 

ステファニー目掛けて剣を振り下ろす。ステファニーを斬ったのではない。斬ったのは『空』。空間が裂け、歪む。裂け目はステファニーを襲い、ステファニーがその中に消えていく。大丈夫。死なせない。誰も。ステファニー、あなたも。

 

閇帳(へいちょう)!」

 

ステファニーが完全に消えたのを見送ると、私は再度剣を振るい裂け目を閉じた。空間の歪みが消え、私と姫子の頭だけが残った。いつの間にか李もあまねもモルタリアも居ない。裂け目に吸い込まれたのではない…と思う。多分、逃げたのだろう。

晴れ渡った空に、本殿が燃えるパチパチという音が響いていた。

 

 

 

 

幸い炎は社務所兼自宅は燃え移らずに済んだ。それ以外のほとんどが燃えてしまったが、今回もアンダーカバーとやらが何とかしてくれるだろう。姫子もなんとか無事だ。

 

「姫子、どうすればいい?どうすれば治るの?」

 

「エネルギーが足りない。何か食べさせて。それで直る」

 

私の心配を他所にいつも通り淡々と言う姫子。冷蔵庫の中にあったハムやら冷凍コロッケやらパンやらチーズやらを片っ端から姫子の口に突っ込むと、欠損部位が光を放ち、徐々に元の形態を取り戻していった。姫子の話によると、1時間ほどかければ完全に元に戻るらしい。頭部が無事ならなんとでもなるとか何とか。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「はー、すごいわね。驚異の科学力」

 

「それでも今回は危なかった。それにすごいのは結合のほう。プロトエンジンが異次元を作り出せるとは知らなかった。ステファニーはどうなった?」

 

「ちゃんと生きてるよ。なんかそれがわかる。怪我したとこも何日かかければ治るって」

 

「ステファニーがそう言ってるの?」

 

「うん」

 

私が作った異次元空間「天岩戸」の中でステファニーは生きている。2度の戦いを通じたお陰か、言葉が通じる訳ではないが「彼女」の言う事が私にはなんとなく解った。

 

ピンポーン、ピンポピンポピンポピンポーン

 

突然、玄関のインターフォンが鳴った。鳴ったというか連打されている。出てみるとそこには例の魔女の恰好をした蛇苺さまが居た。

 

「結合ちゃん!大丈夫だったかい!?」

 

「ええ、まあ…」

 

ボコボコになった境内、吹っ飛んだ授与所、燃え尽きた本殿。それらを見て大丈夫だと思う者は少なかろう。どうやら協会の本部から逃げ出した李と天音を追ったら大郁子神社(ここ)に辿り着いたらしい。

さて、何から説明したやら。

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