ホームカミングガーリー~ごきげんようお姉さま。わたし百合もバトルも無双します!~ 作:天野ぬぼ子
全身、機械部分のあちこちから炎が吹き上がり、スパークが弾け飛ぶメカステファニー。全力を使い果たし、今や咆哮するだけとなった巨躯を見据え剣を振り上げる。喰らえ───
だが。
「やめろ!殺さないでくれ!」
声の方を向くと李とあまねが居た。協会の拘束から力づくで逃げてきたのか。戦闘があったようで二人ともボロボロだ。
「ステファニー、殺さないでくれし!」
李とあまねが交互に叫ぶ。私は足元の姫子を一瞥した。弱弱しくも、まだその目に光はあった。許せない。姫子をこんなにした奴ら!そもそも敵である奴らの言う事なんか聞いてやる筋合いは無い。───だが姫子もまだ死んではいない。それなら。
「『
ステファニー目掛けて剣を振り下ろす。ステファニーを斬ったのではない。斬ったのは『空』。空間が裂け、歪む。裂け目はステファニーを襲い、ステファニーがその中に消えていく。大丈夫。死なせない。誰も。ステファニー、あなたも。
「
ステファニーが完全に消えたのを見送ると、私は再度剣を振るい裂け目を閉じた。空間の歪みが消え、私と姫子の頭だけが残った。いつの間にか李もあまねもモルタリアも居ない。裂け目に吸い込まれたのではない…と思う。多分、逃げたのだろう。
晴れ渡った空に、本殿が燃えるパチパチという音が響いていた。
幸い炎は社務所兼自宅は燃え移らずに済んだ。それ以外のほとんどが燃えてしまったが、今回もアンダーカバーとやらが何とかしてくれるだろう。姫子もなんとか無事だ。
「姫子、どうすればいい?どうすれば治るの?」
「エネルギーが足りない。何か食べさせて。それで直る」
私の心配を他所にいつも通り淡々と言う姫子。冷蔵庫の中にあったハムやら冷凍コロッケやらパンやらチーズやらを片っ端から姫子の口に突っ込むと、欠損部位が光を放ち、徐々に元の形態を取り戻していった。姫子の話によると、1時間ほどかければ完全に元に戻るらしい。頭部が無事ならなんとでもなるとか何とか。
「はー、すごいわね。驚異の科学力」
「それでも今回は危なかった。それにすごいのは結合のほう。プロトエンジンが異次元を作り出せるとは知らなかった。ステファニーはどうなった?」
「ちゃんと生きてるよ。なんかそれがわかる。怪我したとこも何日かかければ治るって」
「ステファニーがそう言ってるの?」
「うん」
私が作った異次元空間「天岩戸」の中でステファニーは生きている。2度の戦いを通じたお陰か、言葉が通じる訳ではないが「彼女」の言う事が私にはなんとなく解った。
ピンポーン、ピンポピンポピンポピンポーン
突然、玄関のインターフォンが鳴った。鳴ったというか連打されている。出てみるとそこには例の魔女の恰好をした蛇苺さまが居た。
「結合ちゃん!大丈夫だったかい!?」
「ええ、まあ…」
ボコボコになった境内、吹っ飛んだ授与所、燃え尽きた本殿。それらを見て大丈夫だと思う者は少なかろう。どうやら協会の本部から逃げ出した李と天音を追ったら
さて、何から説明したやら。