ホームカミングガーリー~ごきげんようお姉さま。わたし百合もバトルも無双します!~ 作:天野ぬぼ子
「…………」
教室ざわめくお昼休み。いつも通り私と姫子と恵で机を寄せ合っていたところ、あまねが椅子を寄せてきた。購買で買ってきたのだろう、チョコパンを無心でもしゃもしゃと齧っている。状況が読めない恵はお弁当をつつきながら私と姫子とあまねをぐるぐる見回していた。クラスメイト達もその様子をチラチラひそひそと遠巻きに伺っていてる。また変な噂が立つんだろうなあ…。
「やー、こんなお嬢様学校だったとはね。なんかー、あーしだけ?浮きまくり?みたいな」
「浮いてる自覚があって安心したわ」
私はジト目で皮肉るがあまり効いてないない様子。休み時間、あまねは他のクラスメイトにもこの調子で気安く喋りかけた結果、全員から一歩引かれていた。
「知り合いでござるか?」
恵がひそひそと私に耳打ちをし、まさか「殺されかけた」と言うわけにもいかず額に汗を浮かべながら「ちょっとね」と曖昧に流した。
「でもまー、結合っちと姫っちがいて助かったっしょ」
「友達みたいに言わないでくれる?」
「冷たいなぁ、あーしらの仲じゃん?もう
カラカラと笑うあまね。せっかくばあばが作ってくれたお弁当だけど全然味がしない。
食事を終えると、私はあまねを連れ出して保健室に向かった。姫子もとことこと無言で付いてくる。また恵を一人にする形になってしまい、私はゴメン!と心の中で手を合わせた。
保健室には都合よくモアルタリアと李が揃っており、機関と協会が対立する形となった。
「で、何が目的なの?」
「失敬だな君は。我々が何か企んでいるみたいじゃないか」
グレーの事務椅子に座り、足を組んで背もたれをキイキイ鳴らすモルタリア。しかしまあ胡散臭すぎて
「みたいじゃなくて実際そうでしょ、じゃあなんでいきなり揃って現れたの」
「取引したのさ、協会とね。なにせ拠点にしていた研究所は制圧されてしまって行く当てなど無いからね。我々も今日から晴れて君のお守りというワケだ」
「別の機関のとこに行けばいい」
姫子が珍しく口を開いた。姫子も私と同じく殺されかけた身だ。その相手のモルタリアには思うところがあるのかもしれない。
「他の機関の慎重意見を無視して君を目覚めさせてしまったからね。我々は嫌われ者なのさ」
「それに、」
とベットに腰かけていた李が立ち上がった。流石に先生の時はチャイナドレスも酒壷も無しらしい。ダークグレーのパンツスーツを着ているがこちらも絶望的に似合ってない。
「ステファニーを見逃して貰った借りもあるしね。ステファニーは元気?」
「元気…だと思う。今は眠ってるみたい」
天岩戸の中のステファニーは、怪我は相変わらずで再生が進んでいるようには見えなかったが、すやすやと眠っているところ見るとちゃんと生きているようだ。
「どうすればいい?返せばいいの?」
「今ははそのままにしておいてくれると助かる。何せ出しておく場所が無いからね。いずれ返して貰うさ」
と、モルタリアも立ち上がる。
「ま、心配なさんな。我々にもちゃーんと
そう言ってモルタリアが私達を保健室から追い出すと、昼休みの終了を告げるベルが鳴った。
私は不承不承で、姫子とあまねと共に教室へ戻った。
▲スタッガー李(スーツ姿)