ホームカミングガーリー~ごきげんようお姉さま。わたし百合もバトルも無双します!~   作:天野ぬぼ子

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第32話 不思議な繭とからあげ弁当

体育祭当日。

私は念のため早めに登校したのだが杞憂だったようで、入場門は立派に完成し、特にする事。無く生徒会室で皆が来るのをぼーっと眺めていた。その後登校してきた睦子さまに「昨日の件、志鶴さまと花音さんにはどう説明したんですか?」とそこはかとなく聞いたら「いい感じに誤魔化しといた!」との事で、私は志鶴さまと花音さんの前では昨日の件について触れまいと誓った。

 

やはり蛇苺さまはお休みだったものの、体育祭のプログラムは特に滞りなく進行してお昼休憩の時間になった。グラウンドでは応援に駆け付けた家族と昼食を取る生徒で溢れていたが、ばあばは今回来れなかったので私と姫子とあまねはいつも通り教室で食事を済ませた。寂しくはあるがまあ高校生にもなるとこういったものかもしれない。中学までは毎年来てくれていたのだが…。

その後、私はちょっとした懸念があり二人も連れて保健室へと向かった。

 

「やあ、結合くん。私に何か用かな?ようやく検査させてくれる気になったのかな?嬉しいなあプロトエンジンの調査ができるなんて」

 

モルタリアが嬉しそうに手を広げて私達を迎え入れた。このまま放っておいたら調査どころか解剖されそうだ。

 

「私の事じゃなくて。相談があって来たの」

 

大人をもっと頼れって言われたからね。

私は姫子と軽くキスを交わすと、変身はせずに天岩戸を少しだけ開いた。そこの中には脱皮のごとく割れて脱ぎ捨てられたステファニーの外皮が散らばり、その中央にはあの巨体から信じられないほど小さくなった白い繭のようなものが鎮座していた。

 

「ステファニー、今朝からこの調子なのよ。死んでないのは確かなんだけど」

 

「なんだいこりゃあ。ステファニーにこんな仕様は無いよ」

 

あまねも天岩戸に頭を突っ込んでその姿を確認すると「ステファニー大丈夫なん?」と心配そうな顔を見せた。

 

「まあ、繭になってしまったという事は別の姿になろうとしているんだろうね」

 

別の姿…。私は蝶か蛾みたいな姿になって鱗粉や糸で攻撃するステファニーの姿を想像した。

 

「恐らく君の力が満ちている天岩戸の影響を受けたことによるものだろう。切って中を調べるわけにもいかないだろうし、孵化するまでこのままにしておいてくれたまえ。様子を見ようじゃないか」

 

「変な事にならなきゃいいけど」

 

私はため息と共に天岩戸を閉じた。

 

 

 

午後3時頃には運動会すべてのプログラムが無事に終わり、我々生徒会メンバーはほっと胸を撫でおろした。その後、再び全校挙げて撤収作業が始まったが設営に比べたら楽なもので、2時間もしないうちにグランウンドは元通り。テントも万国旗も体育倉庫にぶち込まれ、せっかく見事に完成した入場門も分割されて美術準備室に運ばれて行った。

体育祭の疲れもあり、生徒会メンバーによる打ち上げを兼ねた反省会は後日という事になり今日は解散とあいなった。

 

帰り道、蛇苺さまにRINEを送る。

 

「大丈夫ですか?」

 

すぐに返信が来る。

 

「だいぶマシになったよ。まだベッドの上だけど」

 

「今からお見舞いに行ってもいいですか?」

 

「来るなら近場のコンビニでからあげ弁当買ってきて」

 

弁当?と首を傾げていると蛇イチゴ様宅の住所が送られてきた。

私は例の駅で降り、からあげ弁当と、念のため、飲むタイプのパウチのゼリーとヨーグルトを買って蛇苺さまの家に向かった。

 

 

 

【挿絵表示】

▲体操着

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