ホームカミングガーリー~ごきげんようお姉さま。わたし百合もバトルも無双します!~ 作:天野ぬぼ子
はてさて。
ミレイユ先生に説教を食らった後のこと。
購買部の自販機でパックのオレンジジュースを買い、ストローの先で銀色の吸い込み口を突きながら「どうしたもんかね」とぼやく。もちろん、あのおかしな夢のことだ。ぼんやりとしか覚えていないが、愛がどうのこうの言っていた気がする。そんな示唆めいた夢を連日、繰り返し見るのだ。多少授業に身が入らなかったとしても許して欲しいところだ。
背後では閉店の準備を始めた購買部のおばちゃんがあくせくと働いていた。ちなみにこの学校では購買部は16:45までとのこと。
そろそろ帰るか、と自販機を後にしようとしたところ突然イケメンボイスに声をかけられた。
「やあ、
「あっ生徒会長」
そう。生徒会長。長い黒髪を揺らしながら寄ってきたその人は紛れもなく立ち食い蕎麦のプロ…じゃなかった
「今日も行くかい?付き合うよ」
そう言って蛇苺さまは蕎麦を手繰る真似をしてみせた。
「そうですねえ…あはは」
私はそう言って言葉を濁す。蕎麦は好きだけどそう毎回食べてるわけじゃない。それにこんな人気者と連れ添って歩いていたら明日何と噂されるか。考えただけでも身震いしてしまう。そんな事を考えていると。
「居たーッ!そこの人!捕まえて!!」
突如ずざざっ滑り込んできた上級生。タイは緑色だから2年生だ。その声にギョっとする蛇苺さま。たぶん「そこの人」は私。捕まえるのは蛇苺さま。上級生の命令に私は反射的に蛇苺さまの腰に手を回して捕まえていた。うーん、シャンプーだかコンディショナーだかのいい匂い。
「今日こそは逃がしませんよ蛇苺」
おおっ、3年生の蛇苺さまを呼び捨てにする2年生。余程仲がいいのだろう。するとこの人は…
「やだなあ、休憩してただけだよ
蛇苺さまがへらへら言い訳する。とすると、やはりこの2年生が蛇苺さまの妹、
「言い訳は聞き飽きました。ほら、さっさと行きますよ。えっと…そこの1年」
「
「そう、じゃあ結合。蛇苺をそのまま生徒会室へ運んでくれる?」
「えっ!?」
「そんな事しなくても逃げないってば」
「うるさい」
睦子さまがスタスタと歩き出してしまったので私も蛇苺さまの腰にひっついたまま生徒会室へ付いていく羽目になった。
うーんふくよか。何がとは言わないが。