モンスター社員になるために俺が頑張ったこと   作:雨風 時雨

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退職届は「紙切れ」じゃない。引き裂かれた辞表と、絶対ルール【民法第627条】の鉄槌

「――おい。お前ら、本物の『社畜の目』を見たことがあるか?」

 

 オフィスの自席で、冷めきったブラックコーヒーをすすりながら、俺こと氷室 迅は心の中で誰にともなく問いかけた。

 

 時刻は13時を少し回ったところ。昼休みという短いオアシスが終わり、再び終わりの見えないタスクという名の砂漠を行進し始める時間帯だ。

 

 「社畜の目」

 

 それは、連日の徹夜やパワハラによって完全に魂が削り取られ、瞳孔の焦点が合わなくなった、魚のようなガラス玉の目のことである。

 

 希望はなく、絶望すらない。ただ「上からの命令だから、とりあえず手を動かさなきゃいけない」というプログラムだけで稼働する、哀れなゾンビの目だ。

 

 俺の視線の先――パーテーション一つ隔てた隣の部署『システム開発部』のシマで、一人の若手がまさにその目をしていた。

 

 入社1年の新人プログラマー、佐藤(さとう) (りく)

 

 彼の本来の髪は艶やかな黒だったはずだが、今は皮脂でベタつき、もはや鳥の巣のようになっている。肌は土気色を超えて青白く、目の下には消し炭で書いたような漆黒のクマ。シャツの第2ボタンまでだらしなく開き、フラフラと幽鬼のように歩いていた。

 

 おそらく、ここ1週間はまともにベッドで寝ていないのだろう。会社の仮眠室を自室だと錯覚し始めている頃合いだ。

 

「……またあの大門部長の無茶振りの被害者か」

 

 俺はため息をついた。システム開発部の大門(だいもん)剛造(ごうぞう)部長。巨漢で、年中汗をかいており、首が太く、声がとにかくデカい。

 

 『歩く労働基準法違反』の異名を持ち、「俺の若い頃は3日徹夜してもバグ一つ出さなかったぞ!」が口癖の、絵に描いたような体育会系・老害ブラック上司である。

 

 彼の指揮下に入った新人は、ことごとく精神を破壊されてドロップアウトしていくことで有名だった。

 

「……あ、あの。氷室先輩。佐藤くん、なんだかヤバくないですか?」

 

 いつの間にか俺の隣に、後輩の星野 結衣がやってきていた。彼女も不安そうに佐藤を見つめている。

 

「あの様子じゃ、遅かれ早かれ限界だろうな。俺の感知センサーが『倒れる直前のアラート』を受信してる。17時の定時まで体が持つかどうかも怪しい」

 

「誰か止「誰か止めてあげられないんですか……大門部長のあれ」

 

「他部署の人間に口を出させるような隙を作る魔王じゃない。それに……」

 

 俺たちがこっそり見守る中、佐藤が決死の覚悟を決めたように、胸ポケットから1枚の白い封筒を取り出した。

 

 封筒には震える字で『退職願』と書かれているのが、俺の席からでも見えた。

 

「部長……あの。これを受け取ってください」

 

 佐藤の掠れた声が響く。

 

 ドカッ! と革張りの椅子にふんぞり返っていた大門部長は、その封筒を見るなり、ギョロッと大きな目をひん剥いた。

 

「なんだこりゃあ。退職、願……? おいおい佐藤、悪い冗談はよせ」

 

「冗談じゃありません……僕、もう限界なんです。めまいが止まらなくて、キーボードもまともに打てない。これ以上この会社にいたら、僕、壊れてしまいます。辞めさせてください……」

 

 佐藤が震える声でそう頭を下げた瞬間だった。

 

 ビリィッ!!!!

 

 フロアの空気を裂くような破裂音。

 

 なんと大門部長は、佐藤の目の前で『退職願』の封筒を真っ二つに引き裂き、ゴミ箱へと放り投げたのだ。

 

「ぶ、部長……!?」

 

「バカ野郎が!!!」

 

 ドンッ!! と机を叩く爆音。フロア中の社員の肩が、一斉にビクッと跳ねる。

 

「今、チームがどれだけ切羽詰まってるか分かってるだろうが! お前が今ここで逃げ出したら、A社の納期はどうなる! 俺たち全員に迷惑をかける気か!?」

 

「でも……僕がいなくても……」

 

「お前の代わりなんていねえんだよ!!」

 

 大門の怒鳴り声が、物理的な圧力となって空気を振動させる。

 

「いいか佐藤! 退職なんて俺は絶対に認めない。どうしても辞めたいって言うなら、A社のプロジェクトを最後まで終わらせて、次に入ってくる後任を育てて、完璧に引き継ぎを終わらせてからにしろ!! それまでは、這ってでも会社に来い。わかったな!!」

 

 圧倒的な圧力と、暴力的な言葉の羅列。

 佐藤はもう言い返す気力すら残っていないようだった。

 

「あ……あ……」

 

 蚊の鳴くような声を漏らしたあと、彼は崩れ落ちるように自席へと戻っていった。

 ゴミ箱の中には、引き裂かれた彼の最後のSOSが、無惨に転がっている。

 

「ひどい……ひどすぎますよ、あれ……」

 

 星野が両手で口を覆い、今にも泣き出しそうな瞳でその光景を見つめていた。

 

 俺は何も言わず、キーボードの上から静かに手を離した。

 

『お前の代わりなんていねえ』

『最後まで責任を持て』

『辞めることは絶対に認めない』

 

 全部、俺が数年前のあの日、心がぶっ壊れる寸前に上司からぶつけられた「呪いの言葉」そのものだった。

 

 他人の問題に首を突っ込まないのが、俺のポリシーだ。

 しかし、過去の自分と重なるあいつを見殺しにして、今日の17時に帰宅した後、俺は心からアニメを楽しめるだろうか。

 

 否、胸糞悪さが残るだけだ。

 俺のエンタメライフの質を低下させる要因は、即座に排除しなければならない。

 

「星野、ちょっとガムテープ持ってこい」

 

「えっ? は、はい!」

 

 俺は立ち上がると、スタスタと大門の席まで歩き、ゴミ箱から真っ二つになった封筒を拾い上げた。

 

 そして、茫然自失となって死んだ魚の目をしている佐藤のデスクへ行き、その首根っこを掴んで強引に立たせた。

 

「来い、佐藤。給湯室に集合だ」

 

***

 

 給湯室の薄暗い空間。

 星野が持ってきたガムテープで、俺は佐藤の『退職願』を無残な形に繋ぎ合わせた。

 

「佐藤。この紙切れ、何か分かるか?」

 

 俺が問うと、佐藤は虚ろな目で力なく頷いた。

 

「はい……僕の出した、退職願です。でも、受け取ってもらえなかった……。僕はもう、あのプロジェクトが終わるまで、辞めることすらできないんです……。死ぬしか、ないのかな……」

 

「馬鹿野郎!!」

 

 俺が張り上げた大声に、佐藤と星野がビクッと肩を震わせた。

 

「いいか佐藤、お前は大きな勘違いを2つしている! 第一に、会社を辞めるのに上司の許可なんてものは1ミリも必要ない! 奴隷制度はとっくに廃止されてるんだよ。大門はお前の命の所有者じゃない!」

 

 俺は佐藤の胸ぐらを軽く突き飛ばし、繋ぎ合わせた『退職願』をその目の前に突きつけた。

 

「第二の勘違い! それがこれだ。お前が出したのは『退職“願”』。これは法的な性質で言うと、会社に対する『合意解約の申し込み』……要するに『辞めさせてくれませんか?』というお願いのレベルに過ぎない。だから、ああやって悪党に『却下だ!』と言われて拒否されれば、手続きが宙に浮くんだよ」

 

「お願いのレベル……? じゃあ、どうすれば辞められるんですか?」

 

「簡単だ。この『願』の字を二重線で消して、横に『届』と書け。魔法のアイテムは『退職届』だ!」

 

「退職……届……?」

 

「そうだ。『退職届』は、労働者からの『一方的な労働契約解除の通告』だ! 相手が許可しようが拒否しようが、破り捨てようが関係ない。『私はこの日で辞めます』と通告し、それが相手に到達した時点で法律上のカウントダウンが始まる。大門の意思なんて介入する余地はない、究極の絶対(アンタッチャブル)カードだ」

 

 俺の言葉に、佐藤の瞳に一筋の光が戻った。

 

 俺は自分の手帳の切れ端を破り取り、万年筆と一緒に佐藤へ手渡した。

 

「今ここで『退職届』を書き直せ。退職日は『本日よりちょうど2週間後』だ。理由は『一身上の都合により』の一文でいい。書いたら、俺の後ろを歩け。今度こそ魔王の息の根を止めてやる」

 

 佐藤は震える手で万年筆を握り、「……はい」と力強く頷いた。

 

 彼の手によって書き上げられた、インクの滲んだ『退職届』。

 それはただの紙切れではない。俺たちが法律という神殿から呼び出した、絶対無敵の召喚状である。

 

「先輩、私も行きます!」

 

 星野が拳を握って志願するが、俺は手でそれを制した。

 

「お前は録音アプリを起動して、フロアの目立たないところで構えておけ。言っただろ、相手に『到達した証拠』を残すのがミソだと。証人がいるに越したことはない」

 

「了解です!」

 

 準備は整った。

 さあ、反逆の時間だ。

 

***

 

 午後1時40分。

 フロアの奥にある魔王の城――パーテーションの中へ、俺と佐藤は再び足を踏み入れた。

 

「……あァ? 何だ氷室ォ。他部署のお前が、我がシステム開発部に何の用だ。それより佐藤、貴様なぜ席を立っている。バグチェックは終わったのか!!」

 

 大門が吠える。

 俺は彼を冷たい目で見下ろしながら、バンッ!! とデスクの真ん中に佐藤の書き直した『退職届』を叩きつけた。

 

「大門部長、先ほど受け取りを拒否されたようなので、改めてお持ちしましたよ。佐藤の退職手続きを進めてください」

 

「お前……! 人の部署に首を突っ込むな!! 佐藤は絶対に辞めさせんと言ったはずだ。第一、うちの会社の『就業規則』を知らんのか!? 当社のルールでは、退職する場合は『3ヶ月前までに申し出ること』と明確に定められているんだ! 今日言って2週間後に辞めるなどという常識外れな暴挙、俺が許すかぁ!!」

 

 大門の怒号が響き渡る。

 周囲の社員たちが怯えたように首をすくめた。

 

 なるほど、会社のルールという盾を出してきたか。

 社内の狭い世界だけで威張っている井の中の蛙は、ルールというものの優先順位を勘違いしている。

 

 俺はニヤァ、と極悪な笑みを浮かべた。

 俺の瞳の奥が、鋭く光る(※比喩です)。

 

「出たな必殺『就業規則』。なるほど、確かにこの会社のローカルルールにはそう書いてありますね。……しかし大門部長! あなたはまさか、我が『株式会社ネオ・ソリューションズ』の定めた一企業内ルールが、この日本の『国家法』より上の存在だとでも思っているんですか?」

 

「……なんだと?」

 

 大門がいぶかしげに眉をひそめた。

 

 俺は右手をビシッと大門の顔に突きつけた。

 詠唱開始だ。

 

召喚(アクティベート)!! くだらぬローカルルールを焼き尽くせ……出でよ! 『民法・第627条・第1項』ッッ!!!」

 

 フロアが一瞬、シーンと静まり返った。

 

 俺は一字一句、相手の脳髄に叩き込むように暗唱した。

 

「大門部長! 日本の法律の絶対基盤である民法第627条には、明確にこう書かれている! 『当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する』となァ!!」

 

「みん、ぽう……!?」

 

「そうだ! 正社員のような期間の定めのない労働契約において、退職の自由は民法で強力に保障されているんだよ! 就業規則で3ヶ月前と縛ろうが半年と縛ろうが関係ない。会社のルールより法律の方が遥かに上だ! 最短2週間で、強制的に雇用関係は終了する!」

 

「ばっ、バカな……そんな身勝手な理屈が……っ」

 

 大門の額から滝のように汗が流れ始めた。

 

 だが、彼はまだ諦めない。

 この手のブラック上司は、最後の切り札である「恫喝」を持っている。

 

「いいだろう! 法律がそうなら2週間で辞めればいい! だがな! お前が今放り出した仕事の穴は誰が埋めるんだ! 納期に遅れてクライアントから違約金を取られた場合、その損害賠償は逃げ出したお前個人に請求してやるからな!! 法の裁きを受けるのはお前の方だぞ、佐藤ぉぉっ!!」

 

 大門が机から身を乗り出し、佐藤を威嚇する。

 佐藤の顔がサッと青ざめ、体が震えた。

 

「そんがい、ばいしょう……僕に……?」

 

 俺はため息をつき、指を鳴らした。

 パチン、という軽い音が、大門の怒声を遮った。

 

「馬鹿かあんたは」

 

「な、なにっ!?」

 

「個人宛の損害賠償だと? 笑わせるな。俺がこれまで見てきた数々の判例において、ただの末端社員が『法の手順通りに辞めただけ』で会社からの損害賠償が認められたケースなど、ほぼ皆無だ!」

 

 俺は大門のデスクの前に回り込み、圧倒的な威圧感で彼を座席に押し込んだ。

 

「いいですか部長。もし納期に遅れたなら、それは誰の責任か? 入社1年の新人1人が抜けただけで機能停止に陥り、代わりの人員も補充できず、挙句の果てに精神的肉体的に部下を追い詰めた――。すべては、組織を管理する『管理者たる大門部長のマネジメント不足』として処理されるに決まっているでしょうが!!」

 

「う……ッ!?」

 

「労働基準監督署と弁護士にこの現状の録音を提出して、あなたが佐藤に損害賠償を請求するのと、こちらがあなたと会社を『安全配慮義務違反』で逆提訴するのと……さあ、どっちが法廷で勝つか、徹底的に戦いましょうか! ええ!?」

 

「ぐっ……あ、がッ……!!」

 

 大門は完全に言葉を失った。

 ロジックの要塞で完膚なきまでに殴られ、論理的思考がフリーズしたのだ。

 

 もはや精神論や恫喝では、俺を、そして法律の盾に守られた佐藤を突破することはできない。

 

「……というわけで、確かにこの退職届は、本日をもって大門部長に『到達』しました」

 

 俺は離れた場所でスマホを構えている星野に向けて、軽くウインクをした。

 

「さて、佐藤。先ほど説明した通り、民法上のカウントダウンは2週間だ。しかし、この状態で14日間も出社して針のむしろに耐える必要はない」

 

「え……でも、出社しないと……」

 

「思い出せ。お前は入社して半年が経過した時点で、労働基準法に則り、会社から『有給休暇が10日』付与されているはずだ。そしてブラックな環境のせいで、お前はまだその有休を1日も消化できていない」

 

 俺の言葉に、佐藤はハッとして目を見開いた。

 

「カウントダウンの2週間の間に、週末の土日は合計4回ある。つまり、お前が残りの期間に出勤しなければならない平日の労働日は、ぴったり10日だ! 手持ちの有休10日と、残りの労働日10日。見事にパズルのピースは完成だ!」

 

「あ……!」

 

 佐藤の顔が、光を取り戻したように輝き始めた。

 

「労働基準法第39条に基づき、退職日までの出勤日はすべて有休消化に充てる。よって!」

 

 俺は大門に背を向け、フロアに響き渡る声で高らかに宣言した。

 

「本日この瞬間を以て、佐藤のすべての実務は終了とする!! 彼は有休消化に入り、明日からは一切出社しなくてよし!! 以上だ!!」

 

 フロアにざわめきが起こった。

 まるで独裁政権が打ち倒された瞬間を見た民衆のようだった。

 

 大門はまだ椅子に座ったまま、ぶくぶくと泡を吹いた魚のように口をパクパクさせている。

 

「おい、引き継ぎはどうするんだ……マニュアルが……」

 

 蚊の鳴くような大門の声に、俺は肩越しに鼻で笑った。

 

「その辺にある佐藤のデスクトップにデータがありますよ。あなた、立派な給料もらってる管理職なんでしょ? 気合いと根性でマニュアル読み解いてくださいよ。では、ごきげんよう」

 

 俺は、もはや涙で前が見えなくなっている佐藤の背中をバシンッと叩き、魔王の城をあとにした。

 

***

 

 17時00分。

 俺の脳内タイマーと寸分違わず、社内に天国から響くような終業のチャイムが鳴り響く。

 

「よし、俺の勝ちらしいな」

 

 速攻で帰り支度を整えた俺がエレベーターホールに出ると、紙袋に少しだけの私物を詰めた佐藤と、それを見送る星野がいた。

 

「氷室先輩……!」

 

 佐藤が振り向き、涙でぐちゃぐちゃになった顔で、深く深く頭を下げた。

 

「先輩……本当に、ありがとうございました。先輩がいなかったら、僕……きっと今頃、仮眠室で首を……」

 

「バカ言うな。縁起でもない」

 

 俺はひらひらと手を振った。

 

「言っただろ、会社に自分の命まで明け渡す必要はない。逃げることは敗北じゃない。『クソみたいなゲームサーバーからログアウトして、別の神ゲーにログインし直す』だけの、立派な自己防衛だ」

 

「自己、防衛……」

 

「これからの人生、少しは図太くなれよ。そして絶対に『退職届』と『民法』の力、それに自分の『有休残日数』を忘れるな。俺みたいな面倒なモンスターにならなくていいから、自分の心だけはちゃんと自分で守れ。分かったな?」

 

「……っ、はい!!」

 

 佐藤の瞳には、見事な生気が戻っていた。

 数時間前の社畜ゾンビの面影はどこにもない。そこには、希望を持った一人の人間の姿があった。

 

 俺はニヤリと笑い、エレベーターの『閉まる』ボタンを叩いた。

 

「さて、俺は帰って深夜アニメの特番に備えるとするか。じゃあな佐藤。元気でやれよ」

 

 扉が閉まる瞬間まで、佐藤と星野が俺に向かって頭を下げ続けているのが見えた。

 

 会社は理不尽だ。

 管理職は横暴で、システムは労働者を平気で使い捨てようとする。

 

 でも、悲観することはない。

 なぜなら、俺たちの手には法律という魔法のカードが握られているのだから。

 

 モンスター社員・氷室 迅の戦いは、17時のチャイムと共に、今日もひそかに続いていくのである。

 

 

 

【氷室 迅のモンスター社員・ワンポイント法律塾】

 

 みんな、今日の話はどうだった? 少し熱くなっちまったな。

 

 いいか、会社を辞めたい時は『退職願』じゃなくて、必ず『退職届』を出せ!

 法律の世界では、言葉ひとつで効果が天と地ほど変わるんだ。『届』は相手の意思に関係なく発動する最強の魔法だと思っておけ。

 

 もし「うちの就業規則は退職は3ヶ月前って決まってる!」なんて大声で言われても、一切ビビる必要はないからな。

 民法第627条により、期間の定めのない契約(正社員など)なら、退職の申し入れから2週間(14日)で無条件に雇用関係は終わる。会社のルールよりも、民法が圧倒的に強いんだ。

 

 そして今回のように有休が残っている場合、退職日までの2週間のうちの平日の出勤日に、まるごと有休をぶつけることができる。

 提出したその日の定時を境に、二度と出社せずに辞める『パーフェクト・エスケープ』が完成するって寸法だ!

 

 もし「損害賠償で訴えるぞ!」と脅されても、それは99%が引き留めるためのブラフだから安心しろ。

 自分の人生を奪う権利は、どんな偉い上司にもない。

 

 無理だと思ったら、法律のパズルを組んで華麗にエスケープして、美味いメシでも食いに行こうぜ!

 

 それじゃ、俺は推しのアニメ声優の生放送があるから帰るわ!(※実践する時は自己責任でな!)

 

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