入学式を終えてからしばらく経ち俺は黙々と授業を受けていた。正直周りの奴らみたいに駄弁ってもいたいが監視カメラもあるし、辞めておこうと俺の勘がそう言っていた。だがその俺以外の騒いでるグループに教師陣は少しも注意しない様子。それがまた俺の不信感を募らせていた
「あ、あの喜多君。もう学校は慣れましたか?」
授業が終わり隣の席の王が俺に話しかけてくれた。あの入学式の起きた出来事の後から王とはちょくちょく会話をする様な仲になっていた
「あぁ、ちゃんと学校には慣れてきたよ。王も慣れてきた感じか?」
「は、はい…この学校の先生は授業もわかりやすくて日本語がまだ少し苦手な私でもわかりやすく教えてくれます。」
「あー確かにそうだよなー。俺みたいな勉強があまり得意ではない生徒でもわかりやすい授業だよな」
「喜多君…あまり勉強得意じゃないんですか?なら今度私と一緒に…」
そんな王が何かを言いかけてた途中にでかい声がそれを遮った
「おーーい!澪!お前もこっちこいよ!」
最近俺も多少交流し始めたのはこのクラスの3バカ。その一人の山内だ。当初は虚言癖で距離を置いていたが実際話してみると愉快な奴だ。その山内やその他の池、須藤はクラスの中でも3バカと数えられていて、今、山内が興奮しているのは恐らくこの後にある水泳の授業だろう。今朝から興奮していてはっきり言って気持ち悪いことこの上ないが気持ちはわからなくもない。だが女子の水着を視姦するならこっそりとやるべきだ。
「次の授業からやる水泳の授業でさ!女子の胸のサイズでちょっと賭けをやろうと思ってるからお前も少し賭けてくれよ!」
この教室で白昼堂々やる見境の無さにはこの俺も正直ドン引きだ。だが折角金を稼げるチャンス俺も逃すわけにはいかない。鑑定でクラスの女共の胸のサイズは一通り把握している。俺は迷わず佐倉にベットした
「おぉ、佐倉に全ベットお前勇気あるな!確かに佐倉は本命だからな!長谷部もオッズは高いんだけどな!あっ!綾小路〜!お前もきてくれよ!」
とか何か騒いでいるがクラスの女子がゴミを見る目で俺たちを見ているので俺は急いで奴らが綾小路に注目している隙にその場から離れ、着席した
「き、喜多君もやるんですか…?」
「あー軽く話を聞いただけだよ。あんなくだらないことしないよ」
それを聞いた王は心なしか安心していた。まぁ女子からしたら気持ちのいいものじゃないだろうしな。それにこいつのサイズからしてコンプレックスに思ってそうだしな
⭐︎⭐︎
普通の学校なら4月に水泳の授業をやらないと聞いているがこの学校のプールは温水でできるとの事だ。完全な屋内プールであり、なんとも贅沢の資金の使い方だ
「ヤッベェよ、櫛田ちゃんの胸。やっぱでかいなぁ、水着たまんねえ!」
「バカお前、本人に聞こえるだろが」
更衣室から池や山内の声が聞こえてくる。何やら心配しているようだけど、それは無用なものだ。バッチリ本人の耳に入っているのだから。そんな櫛田の顔を見ていると表情は一切変化していない。いつも通りの笑顔のままだ。大したものである。だが俺にはそれは通用しない
鑑定
俺はそう念じるだけど様々な情報を閲覧できる
櫛田桔梗
身長155 体重43 バストD
状態 怒
今彼女のストレスは最高潮です
やはり彼女の精神は不安定であるのは間違いない。俺は彼女を刺激しないようにこっそり水着姿を楽しんでおく事にした。だがそれにしても見学者が多いな半数の女子は見学してるようだ
オッズ最高の佐倉、長谷部も見学者のようだな
その事に池と山内は騒いでいたが…長谷部からはキモッと有難いお言葉を頂いていた
そんな中でも真面目に授業に参加してる堀北と綾小路。入学式のコンビニ以来まともに話していないので声をかけて見ようと俺は考えたが、そしたら思わぬ人物から声をかけられた
「あ、あの喜多君」
「王…お前も授業に参加するんだな。てっきりこういうのは苦手だと」
少々遠慮気味話しかけて来たのは先ほど教室でも会話していた王雨美。彼女の性格や能力から考えて運動は苦手そうだし水着姿を周りに晒すのは抵抗感があるので見学すると思ったんだがな
「は、はい…私もあまり泳ぐのは得意じゃないんですが…」
とチラチラと俺を見てくる王
「あ、あの喜多君はなにか運動をしていたんですか…?体つきがいいので…あ、ごめんなさい!ジロジロ見てそんなつもりじゃ…」
「いや、気にしてないよ。でも俺は帰宅部だったよ。まぁ親から丈夫で良い体を授かったのかな?それに王も綺麗な体してるぞ。小さくて可愛いしな」
と俺は冗談半分で揶揄ってみた
「え!?か、かわいいですか…ありがとうございます。って小さくてってどこ見てるんですか!」
「よーしお前ら集合しろー」
と赤面する王を揶揄いながらそんなふうに騒いでいると体育教師から声がかかり、生徒達は集まる事になった。
「見学者は15人か。随分と多いな。まぁいいか。それならまずは準備運動をして泳いでいくぞ」
「あの先生、俺あんまり泳げないんですけど…」
クラスの男子が自信なさげに手を挙げていた
「問題ない。俺が担当すれば克服させる。それに泳げるようになっておけば必ず役に立つ。必ず、な」
何とも含みのある言い方だ。そう感じたのは俺だけであろうか。
そんな訳で水泳の授業が始まりしばらく泳いでいると教師からまた号令がかかった。
「よし、一通り泳いだ事だしこれから競争を始める。1位になった生徒には特別に俺から5000プライベートポイントを支給しよう。1番遅かった奴は補修だ」
「え〜マジすか」
池がそんな悪態をつくがポイントが貰えるという事で割と盛り上がり競争が始まった。
まずは少数の女子から始まっていき最終結果は水泳部の小野寺が一位。そして堀北が2位という結果になった。
武勇値では堀北が圧倒的だが。身体的な能力とはまた別ものだということがまたわかった
そして男子の番になり第一走者が台の上に立つ。みると須藤や綾小路が立っていた。
その結果は須藤が一位。綾小路が10位だった。
「25秒…早いな。須藤、水泳部に入らないか? 練習すれば大会も狙えるぞ?」
「俺はバスケ一筋なんで。水泳なんて遊びですよ」
そんな会話が聞こえてきたが俺が注目していたのは綾小路の方あった。あれは入学してからしばらくして俺は今まで綾小路の情報をまともに見ていなかったので何の気無しに彼のそれを閲覧したときだった
その彼から出てきた数値は正直システムの故障を疑うレベルだった
(意図的に…手を抜いているのか?性格に冷酷、機械的と書いてあるが何者なんだ…ますます不気味なやつだな。それに綾小路の詳細の欄にホワイトルーム15年滞在と見慣れない単語に普通に人間ではあり得ない履歴)
彼についで考えていたら俺の番もやってきて
俺は飛び込み台に立つ。俺の隣には平田もいて、女子の歓声が鳴り響いていた
笛が鳴り、生徒達は一斉に飛び込んだ。一心不乱にばた脚を早く振り俺は一着を取ることに成功した。
タイムは26秒。そこそこの出来だと俺は感じた。
「喜多君すごかったね。元々水泳部とかだったのかな?」
「いや中学は帰宅部だったよ。俺に平田も早かったじゃないか俺と大して差はなかったじゃないか」
そんな事を話していると、またもやプールが騒ぎ出す。みると第三走者の泳ぎが終わっていて高円寺が髪についた水を払っていた。
「22秒台!?」
こちらの化け物はしっかりと実力を出しているようだ。だが俺からしてみれば実力はわかっているので奴のブーメランパンツの方ばかり見てしまう。ピコン
鑑定
……俺は最悪の情報を手に入れてしまった
そしてついに決勝戦。俺、高円寺、須藤は飛び込み台に立ち。勝負は始まった
着順としては俺は3位で終わり
水泳の授業は終了した
その際先生は俺を水泳部に勧めようとしたが
確かに5万ポイントは魅力的だったが三年間拘束されると考えると割りに合わないのでそのままスルーした。