退廃的な主人公はプロジェクトセカイの夢を見るか? 作:針が11を指している
数時間後
小春「・・・」
母さんと弥助さんは入籍とか転校手続きで外出してから数時間
ミル「zzz...」
寝ている猫を見ながら、これからのことを考えていた
景は朝食を食べたら直ぐに自室に戻っていったし
小春「・・・暇」
私達の荷物が届くまで、あと数時間
猫を眺めるだけでは、随分と虚しい
小春「・・・」
リビングを見渡す
テレビ、テーブル、ソファー、キッチン、キャットタワー、猫砂、エサ皿
そして、遺影があった
小春「・・・」
なんとなく遺影に向き合い線香を灯す
チーンとならし、数十秒、手を合わす
小春「・・・」
遺影に写っている女性は、どこか儚げな趣きを感じるが
それをかき消す満面な笑顔をしていた
小春「・・・綺麗な人...」
そう思いつつ、その場から立ち去る
そうして、再びソファーに座る
既に、猫はいなくなった
小春「・・・」
スマホを手に取り、画面を開く
小春「・・・あ、花里様の記事だ」
そこには、“MORE MORE JUMP!の花里みのり”について書かれた記事があった
小春「・・・ふぅん、今までの焼き直しか...」
目新しい情報はなく、今まで出来事をつなぎ合わせただけのものであった
小春「・・・」
そうして、スマホを弄っていると
ピンポーン...ピンポーン...
玄関からチャイム音が響く
業者1「すみませ~ん、足立宅でお間違えありませんか~」
業者1「こちら、茶虎引越し運送業者で~す」
小春「あ、荷物が来た」
そして、ソファーから立ち上がり
小春「は~い、今出ま~す」
そう呼びかけ、玄関に向かう
そして、玄関のドアを開け
私の自室と母さんの自室に荷物を入れてもらう
数時間後
業者1「ご利用いただきありがとうございました」
業者1「次回のご利用もどうぞご贔屓に~」
そう言って、引越し業者は去っていった
小春「・・・」
私が寝ていた自室は段ボール色に染まっていた
小春「さてと...片付けるか」
そうして、段ボールに手をかけると
ぐぅ~
と、腹の虫がなった
小春「・・・お腹すいた」
そう思い至ったとき
ガチャ
と、自室の外から聞こえた
小春「? 景さんが出てきたのかな」
そう思いつつ、リビングへと向かう
景「・・・」
リビングには、猫に餌をやっている景がいた
景「あ、杉原小春さん どうかしたんですか?」
小春「ちょっと、お腹が空いて...」
景「そっか...そうだね」
景は少し考える素振りをする
景「・・・何か食べたいものはありますか?」
小春「そうですね...」
小春「・・・チャーハンが食べたいです」
景「チャーハンか...分かりました」
景「テーブルの椅子に座って待っていてください 作ってきますので」
そう言い、景はキッチンへと向かう
私は、言われた通りに椅子に座る
トントントントン、ジュウジュウジュウジュウ
キッチンから料理音が響き渡る
そして、数十分後
景「・・・簡素なものですが...チャーハンです」
小春「ありがとうございます」
簡素なものと言われたが、普通に手が凝っているチャーハンが出てきた
そして、その隣に水が入ったコップが置かれる
景が対角線の席に座って、コップとチャーハンをおく
景「頂きます」
小春「・・・頂きます」
そうして、食べ始める
小春「・・・美味しい...」
口の中に広がる卵と玉葱の甘さ
白米のぱさぱさとべちゃべちゃの間のような感触
ベーコンやウインナーから溢れ出る肉汁
その組み合わせが絶妙で、食べる手が止まらない
景「・・・そうですか、それは良かったです」
そう言って、景は手を止めずチャーハンを口に運ぶ
数十分後
小春「ご馳走様でした...」
景「お粗末様でした」
小春「食器は私が洗うから、景さんはゆっくりしといて下さい」
景「・・・分かりました では、お言葉に甘えて」
景はそう言って、ソファーで寝転んでいる猫の隣に座る
小春「・・・」
私は、皿を持ってキッチンへと向かう
ザーー、キュキュと皿を洗う
そして、数十分後
皿を洗い終わった私は、自室に戻って来ていた
小春「よし...今度こそ、片付けるか」
そうして、段ボールに手をかける
段ボールから衣服を取り出し、新品と思われるタンスに入れる
衣服を全てタンスに入れ終わると、次は推しグッズを取り出す
持って来ておいたガラスケースに、花里様、花里様、花里様、花里様...
花里様、花里様、遥ちゃん、雫ちゃん、愛莉ちゃん、花里様、花里様...
フィギュア、缶バッジ、アクリルスタンド、ぬいぐるみ、CD等々のグッズを飾る
小春「・・・よし...」
規則正しく整理整頓されたグッズを眺めながら、満足する
そして、その他の生活用品を出して、適切な場所に置く
小春「ふっふ、ふん~~~♪」
中学生の時、父さんに買ってもらったパソコンの電源を付けて
スマホから移植した花里様の写真ホルダーを開く
小春「うへ~~...花里様~~~」
数十万枚あるうちの、最高に取れ高がいい数百枚を
花里様が歌う曲に合わせて流す
そして、数時間後
母さんと弥助さんが帰ってきた
凜「ただいま 小春ちゃん、景ちゃん」
弥助「ただいま 景、小春ちゃん」
景「・・・おかえりなさい お父さん、杉原凜さん」
小春「おかえりなさい 母さん、弥助さん」
そうして、母さんと弥助さんが作った夕食を食べ
母さんの荷物の片付けを手伝い、その日を終えた