退廃的な主人公はプロジェクトセカイの夢を見るか?   作:針が11を指している

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ゴールデンウィーク五日目Ⅰ

 

ワイヤレスイヤホンをし音楽(月の光)を聞き流しながら

乃々木公園を散歩する

穏やかな陽射しに照らされながら

微風は木々の葉を揺らし、頬を軽く撫でる

 

景「・・・」

 

そうして、歩いていると

 

しばお「ワン!」

 

景「・・・犬?」

 

柴犬がいた

 

しばお「わふぅ」

 

尻尾をブンブンと振りながら、こちらを見る

 

景「・・・何をしているの?」

 

しゃがんで、柴犬の目線に合わせる

 

しばお「くぅ~ん」

 

手のひらに頭を押し付けて、クリクリとする

 

景「?」

 

しばお「ワン!」

 

ついてきて!とでも言いたげそうに、後ろを向いて鳴く

 

景「・・・ついてきて欲しいの?」

 

しばお「ワン!」

 

尻尾を大きく振って応える

そうして、少し歩くと

 

景「・・・」

 

しばお「は、は、は、は、は」

 

奏「うぅ...」

 

人が倒れていた

 

景「・・・大丈夫ですか」

 

奏「だ、大丈夫です」

 

とてもそうには見えないが

 

景「・・・」

 

周囲を一瞥する

木陰が出来ているベンチが視界に入る

 

景「・・・少しいいですか」

 

奏「えっと、何が?」

 

景「・・・あそこのベンチまで、歩けますか?」

 

目線で木陰があるベンチを指す

 

奏「うぅ...」

 

動こうとするが、体力がないのか動きにくそうであった

 

景「・・・無理そうですね」

 

そう言って、その人を持ち上げる

 

奏「え?」

 

景「・・・少し、我慢して下さい」

 

そうして、その人を木陰のベンチまで、運ぶ

 

景「んっと...大丈夫でしたか?」

 

奏「う、うん...ありがとう」

 

困惑した表情のまま、その人はそう言う

 

景「・・・ご迷惑でしたか」

 

奏「え?...そんなことないよ」

 

奏「助かったよ、ちゃんと」

 

景「そうですか、それならよかったです」

 

そうして、一息付いていると

 

しばお「ワン!」

 

景「・・・そうだね、ありがとう」

 

そう言って、柴犬を撫でる

 

景「・・・お隣、失礼します」

 

奏「え...えぇ、どうぞ」

 

その人の隣に腰をかける

 

景「・・・よしよしヾ(・ω・`)」

 

奏「・・・よしよし」

 

その人と一緒に柴犬を撫でる

 

しばお「わふぅ」

 

嬉しいのか、尻尾をブンブンと振り回す

 

景「・・・フフ」

 

持っていたトートバッグから、スケッチブックを取り出す

 

奏「・・・絵を描くんですか?」

 

景「えぇ、まぁ...そうですね」

 

奏「・・・!その絵...」

 

景「ん?」

 

その人はこの前ここで書いたカーネーションの絵に反応する

 

奏「・・・カーネーション」

 

景「えぇ、そうです」

 

奏「・・・」

 

景「えっと...欲しければ差し上げますよ?」

 

奏「え?いや、流石にそれは...」

 

景「・・・また、描けばいいので」

 

奏「で、でも...」

 

カーネーションの絵が描かれた用紙を取り外し、その人に手渡す

 

奏「あ、ありがとう...」

 

景「はい」

 

しばお「くぅ~ん」

 

柴犬が足元で悲しそうに鳴く

 

景「・・・どうしたの」

 

柴犬を抱き上げ、撫でまわる

 

奏「・・・好きなんですね、犬」

 

景「えぇ、そうですね」

 

奏「・・・そう言えば、名前を言っていなかったね」

 

奏「私は宵崎奏 助けてくれてありがとう」

 

景「足立景です それはよかったです」

 

そう会話していると

 

穂波「しばお~、何処にいるの~」

 

何処からか、そんな声が聞こえてきた

 

奏「この声って...」

 

景「・・・君の飼い主?」

 

しばお「ワンワン!!」

 

柴犬は、飼い主と思われる人物が発した声に反応して、吠える

 

穂波「あ、いた~ しばお~」

 

そうして、その飼い主と思われる人物が近づいてくる

 

穂波「って、あれ?宵崎さん」

 

奏「あ、やっぱり、望月さんだ」

 

景「・・・」

 

穂波「・・・えっと?」

 

その人は、抱き上げている柴犬に視線を向け、こちらを見る

 

景「・・・飼い主ですか」

 

穂波「は、はい!そうです」

 

景「そうですか、それはよかったです」

 

そう言って、柴犬を手渡す

 

穂波「あ、ありがとうございます」

 

穂波「えっと、宵崎さんと...」

 

景「・・・足立景です」

 

穂波「望月穂波です それで、宵崎さんと足立さんは何を?」

 

奏「えっと、私が倒れていたところを助けてもらったんだ」

 

穂波「え!宵崎さん、倒れたんですか」

 

奏「う、うん...」

 

穂波「・・・あまり、無理しないでくださいね、宵崎さん」

 

奏「う、うん...分かったよ、望月さん」

 

穂波「えっと、足立さん 色々とありがとうございます」

 

景「いえ...」

 

そうしていると

 

穂波「・・・足立さんって、絵を描くんですか?」

 

スケッチブックを見たのか、望月穂波はそう聞く

 

景「えぇ、まぁ...大した物ではありませんが」

 

穂波「うんん、凄いですよ!私って絵を描くことは、苦手で」

 

穂波「だから、絵を描けるだけでも凄いって思うんです!」

 

奏「うん、私もそう思うよ」

 

景「・・・そうですか、ありがとうございます」

 

しばお「わふぅ」

 

望月穂波に抱き上げられている柴犬が、何かを言いたげそうに鳴く

 

穂波「どうしたの、しばお」

 

しばお「ワン!」

 

穂波「フフ、しばおは可愛いね~」

 

そうして、いると

宵崎奏からぐうぅ~と腹の虫がなる

 

奏「あ...お昼食べ忘れてた」

 

穂波「えぇ!?そうなんですか」

 

景「あぁ、それで...」

 

穂波「・・・宵崎さん、少し上がらせてもらいますね」

 

奏「え...う、うん 分かったよ」

 

穂波「えぇっと、足立さん 色々とありがとうございました」

 

穂波「私達はこれで、失礼します」

 

景「えぇ...では、また いつか、どこかで」

 

穂波「えぇ、また、どこかで」

 

奏「うん、また」

 

そうして、宵崎奏と望月穂波と別れた

 

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