退廃的な主人公はプロジェクトセカイの夢を見るか? 作:針が11を指している
ゴールデンウイーク七日目
視点変更…足立景
10時00分 スクランブル交差点にて
景「・・・」
二葉「お~い!足立さ~ん!」
景「来ましたか...コホン、おはようございます、夏野二葉さん」
二葉「うん、おはよう 足立さん」
景「それでは、行きましょうか」
二葉「うん、そうだね!」
そうして、東京美術大学へと赴く
景「・・・広いですね」
二葉「そうだよね 私も初めて来た時、驚いたもん」
小一時間かけ、タイトウ区に来ていた
景「・・・確か、志望校でしたよね」
二葉「うんそうだよ」
二葉「だから、こうやって何度かオープンキャンパスに来ているんだ」
景「凄いですね、夏野二葉さんは」
景「自分の将来に向かって頑張っていて」
二葉「ふ、ふえっ!? ...そ、そんなことないよ!」
二葉「私よりも、頑張っている人はごまんといるんだから」
景「・・・そうですか でも...」
景「それでも、夏野二葉さんは頑張っていると思います」
二葉「・・・そっか ありがとう、足立さん」
二葉「さ、受付を済ませて中に入ろう」
景「えぇ、そうですね」
そうして、大学構内に入り受付を済ませる
二葉「ねぇ、足立さん 学校説明が始まるまで、少し時間があるから」
二葉「足立さんが行きたいところはない?」
上野キャンパスの地図を二人で覗き込みながら、夏野二葉が聞いてくる
景「夏野二葉さんは行きたいところはないんですか」
二葉「私は何度も来てるし、大体の施設は回ったからね」
二葉「だから、足立さんが行きたいところを行きたいなって」
景「そうですか...この奏楽堂に行きたいと思います」
二葉「へぇ~、足立さん、音楽にも興味があったんだ」
景「えぇ、まぁ よく、クラシックを嗜むので」
二葉「へぇ、そうなんだ どんなの聞くの?」
景「そうですね...」
ふと、初夏の風が頬を撫でる
景「・・・戦場のメリークリスマス...ですかね」
二葉「戦場のメリークリスマス、か...なんか、凄く足立さんらしいね」
景「そうでしょうか」
二葉「うん、そうだよ」
そうやって、話ながら歩いていると
二葉「あ、見えてきたよ ほら」
奏楽堂に行き着いた
景「ここが奏楽堂...」
そこには、赤茶色の煉瓦造りで出来た巨大な建物が立っていた
景「・・・これって中に入れるんですかね」
二葉「えっと、確か入れなかったはずだよ」
景「そうなんですか...」
二葉「うん なんか、舞台の上部の天井音響反射板が落下したらしいんだよね」
景「それの修繕工事で入れない、と...」
景「それなら、仕方ないですね」
付けている腕時計に視線をやる
針は11時35分を指していた
景「中途半端な時間になってしまいましたね」
二葉「・・・早めに、説明会会場に行こうか」
景「えぇ、そうですね そうした方がいいでしょう」
そうして、説明会会場へと向かい
指定された座席に並んで座る
そして、ぞろぞろと人がやってきて
目測数百人になったところで学校説明会が始まった
数時間後、東京美術大学上野キャンパス内にて
二葉「ん~~、ふぅ...楽しかった ねぇ、足立さんはどうだったかな」
景「はい、とても参考になりました」
学校説明会で配られた資料に視線をやる
二葉「そっか、それはよかった」
付けている腕時計に視線をやる
針は13時40分を指していた
二葉「・・・お腹が空いたね、足立さん」
景「えぇ、そうですね ここの学食って利用出来るんですかね」
二葉「出来たと思うよ」
景「そうですか では、学食に行きましょう」
そうして、学食へと向かう
学食は音楽学部学生会館のところにあった
景「入りましょうか」
二葉「うん、そうだね」
学食に入り献立表を確認する
景「・・・手作りミートソーススパゲティですか...」
二葉「豚肉のニラ玉炒め定食もあるよ!」
景「そうですね...」
券売機にお金を入れ、光っているボタンを押し
取り出し口から出てきた紙を取り出す
その紙をカウンターへと持っていき、そこにいるスタッフに渡す
その数分後、頼んだ食品が手渡される
そして、空いているテーブルに座る
夏野二葉も同じ手順を踏み、同じテーブルに座る
目の前には、手作りミートソーススパゲティがあり
夏野二葉の前には、豚肉のニラ玉炒め定食があった
景「頂きます」
二葉「頂きます」
そう言って、食べ始める
カチャカチャと食器と掠り合う音が響く
景「・・・」
はむはむとミートソースが絡んだパスタを口に含む
酸味の効いたトマトソースとコロコロ食感のミートが
妙な共存を果たし、口の中で旨味を巻いていた
そこに、粗熱が残るパスタの絶妙な感触が混じり
無二の感覚を生み出していた
ごくんと、咀嚼したミートソーススパゲティを飲む込む
その行為を皿の上にミートソーススパゲティが無くなるまで繰り返し
そして、数十分後
景「ご馳走様でした」
二葉「ご馳走様でした」
そう口を揃えて言う
そして、食器を片付け学食から出る
二葉「ん~~...美味しかった~」
景「えぇ、そうですね」
少しミートソースの味が残る口で応える
二葉「ねぇ、足立さん」
景「ん、なんですか?」
二葉「今日は楽しかったですか?」
景「・・・えぇ、とても」
二葉「そっか...それは、よかった」
景「・・・」
二葉「・・・」
少しばかし、静寂が漂う
腕時計を確認する
針は14時45分を指していた
景「・・・そろそろ、帰りましょうか 夏野二葉さん」
二葉「もう、そんな時間なんだね...」
景「では、また 絵画教室で」
そう言って別れようとすると
二葉「足立さん 少しいい?」
そう呼び止められた
景「なんですか?夏野二葉さん」
二葉「・・・足立さん 貴方を『景さん』って呼んでいいですか?」
景「えぇ、別にいいですが...」
二葉「ありがとう、景さん」
そして、その言葉を最後に帰路についた
家に帰ったら、お父さんと杉原凜さんが入籍を法的に終えたらしく
足立凜さん、足立小春になっていた
そして、お父さんはドイツに戻っていった
次回から、ゴールデンウィーク明けになります
小春は宮女に通いますので、楽しみにして下さいね
あと、これは余談ですが
少しばかし、こちらの都合で忙しくなるんですよね
ですから、投稿期間が数週間から最悪、数ヶ月開くことになります
ご理解の程、よろしくお願いいたします
今回も、ご愛読ありがとうございました
是非良かったら、ご感想を書いていって下さい