退廃的な主人公はプロジェクトセカイの夢を見るか? 作:針が11を指している
視点変更…足立景
四季「ふっふん~♪」
景「・・・」
先程の会話から、ずっとタイピング音とノートに書く殴る音がなっていた
景「・・・」
四季「ん~...」
景「・・・どうかしましたか、シン先生」
四季「少年はグローバリズムについてどう思う?」
景「グローバリズムですか...そうですね...」
景「一言で表すのであれば『麻薬』です」
四季「ほう、グローバリズムを『麻薬』と訳すか...その心は?」
景「グローバリズムは本来、国境を越えて労働力・資源・資本を」
景「自由に流動させることで、世界全体を豊かにするという思想です」
景「ですが、欧米を中心とした先進国にとっては、安価な労働力と巨大な市場を」
景「手に入れるための“都合のいい大義名分”として機能しました」
景「その結果、自国の実業(第一第二産業)が衰退し、虚業(第三産業)が栄えました」
景「他国には搾取に等しい労働を提供し、その生産品を格安で買い叩き」
景「自国では金融やITといった実体のない数字だけを肥大化させていった」
景「しかし、その様な社会構造は何らかの一突きで成り立たなくなります」
四季「うわぁ、痛烈だねぇ...! でもまさにその通りだ」
そう話し合っていると
瑞希「失礼しま~す、景君はいますか~」
暁山瑞希が部室に入ってきた
杏「しっつれいしま~す」
彰人「失礼します」
景「お久しぶりですね、暁山瑞希さん」
景「背後のお二人は、ご友人ですか?」
杏「うん!そうだよ」
杏「私は白石杏だよ」
彰人「俺は東雲彰人だ」
景「足立景です」
四季「・・・」
景「こちらは天野川四季先輩です」
彰人「・・・」
景「ん?どうかしましたか」
彰人「あぁ、いや...」
東雲彰人は、未だにパソコンに齧りついている天野川四季の方を見て言い淀む
景「天野川四季先輩は気にしなくて良いですよ」
景「大した実害はありませんので」
四季「(* ̄▽ ̄)フフフッ♪(暗黒面顔) ここで自衛隊によるクーデターを起こして...」
景「・・・ほら、このように」
彰人「そーゆー、意味で聞いてないんだが」
彰人「あと、物騒すぎるだろ」
杏「あはは...」
東雲彰人と白石杏は苦笑いをする
瑞希「あはは...あ、そうそう 景君、はいこれ」
差し出された暁山瑞希の手の中には、貸していた三冊の本があった
景「ありがとうございます わざわざ、部室に来て頂いて」
瑞希「うんん、こっちが借りているんだから当然のことだよ」
景「・・・そうですか」
四季「・・・む?おや、お客さんがきているぞ?」
景「やっと、気付きましたか 天野川四季先輩」
杏「えっと、初めまして 私は、白石杏です」
彰人「東雲彰人と言います」
四季「ん?東雲?」
彰人「えぇ、そうですが...」
四季「ふむ...」
彰人「えっと、何か」
景「・・・天野川四季先輩」
四季「あぁ...いや~、すまないすまない!」
彰人「はぁ...?」
東雲彰人は随分と困惑している様子だった
景「・・・すみません 実害が出てしまいましたね」
彰人「別に、害だとは思っていないが...」
景「そうですか」
四季「フフ、仲がよさそうだね、少年」
景「そうでしょうか?」
彰人「そうか?」
瑞希「息ピッタリじゃん」
杏「ホントホント 彰人と息が合う人がいたんだ」
彰人「おい、どういう意味だ」
四季「アハハ!」
瑞希「ハハハ!」
杏「アハハ!」
彰人「はぁ...」
景「・・・」
少しばかし、口角が上がる
瑞希「あ、そうだ ねぇねぇ、景君」
景「なんですか?暁山瑞希さん」
瑞希「またさ、本を貸してくれないかな?」
景「えぇ、いいですよ 何かご希望はありますか」
瑞希「ん~そうだなぁ...ミステリーとかかな」
景「ミステリーですか 分かりました」
部室の壁に並んでいる本棚を流れるように見始めて
流れるように一冊手に取る
景「・・・これ...はどうですか」
暁山瑞希に一冊の本を手渡す
瑞希「ん~なになに...『ベルリンは晴れているか』?」
瑞希「どういう話なの?」
景「時代は1945年7月、ドイツ第三帝国が戦争に敗れ」
景「米ソ英仏の4ヵ国統治下におかれたベルリンにて」
景「ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で」
景「ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が」
景「ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げました」
景「アウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく」
景「荒廃した街を歩きはじめる...と、言う感じです」
瑞希「なるほど」
彰人「・・・随分と骨の折れそうな本だな」
杏「凄くミステリアスな本だね」
四季「ふむふむ、少年 随分と興味深いものを選ぶね」
瑞希「ありがとう、景君 大切に読むね!」
景「えぇ、そうしてあげて下さい」
瑞希「じゃあ、ボクはそろそろ帰るね~」
景「えぇ、さようなら 暁山瑞希さん」
彰人「・・・これ、俺ら居る必要あったか?」
杏「まぁ、足立さんに知り合えたからいいじゃん」
彰人「まぁ、またな」
杏「まったね~」
景「えぇ、また 東雲彰人さん、白石杏さん」
瑞希「うん、またね~」
そうして、三人は部室から出ていった
四季「・・・行ったね」
景「えぇ、行きましたね」
四季「ねぇ、少年」
景「なんですか、天野川四季先輩」
四季「次の日曜、予定空いているかい?」
景「えぇ、空いていますが...なにか?」
四季「少し付き合って欲しいんだ」
景「・・・はぁ...?」
こうして、次の日曜に出かけることになった
・・・言っておきますけど、この話は絶対にそう、ではないですからね?
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