退廃的な主人公はプロジェクトセカイの夢を見るか? 作:針が11を指している
これを受けて、本小説は2028年度内に、三年生組の卒業をもって完結させる方針を打ち立てました
ご理解の程よろしくお願いいたします
視点変更…足立小春
翌日、8時15分 宮女にて
小春「ふぅ...少し、早く来ちゃったな」
初夏の陽気が静かに照らされている、誰もいない教室を見回しながら、そっと呟く
小春「・・・天野川四季...」
昨日、深海のセカイに現れた彼女を思い起こす
咲希「おっはよー、小春ちゃん! 朝早いねー」
小春「あ、咲希ちゃん うん、おはよう」
咲希「・・・小春ちゃん、大丈夫?」
咲希「なんだか悩んでいるようだったけど...」
小春「うんん、大丈夫 大したことじゃあないよ」
そうだよ 景さんが誰と関わっていたとしても
私には関係ない...
小春「・・・」
咲希「小春ちゃん?」
小春「え?あ、えっと、なに?」
咲希「・・・ねぇ、小春ちゃん この人達、知っている?」
そう言われながら、咲希ちゃんがスマホの画面を見せる
小春「・・・“25時、ナイトコートで。”?」
咲希「そう! 正体不明の音楽サークルなの!」
咲希「ニーゴが創る曲が私は、好きなの」
咲希「何というか、暗いのに明るいというか...」
咲希「深海に灯る一筋の光というか...」
咲希「とにかく、すごいの!」
小春「そ、そうなんだ」
咲希「あ、ご、ごめんなさい ちょっと喋りすぎちゃった...」
小春「うんん、そんなことないよ」
小春「むしろ、咲希ちゃんの好きなことを、私に教えてくれてありがとう」
小春「私も聴いてみるね」
咲希「うん、ありがとう」
そうしていると
志歩「何の話をしているの、咲希」
咲希「あ、志歩ちゃん!」
小春「おはよう 志歩ちゃん」
志歩「おはよう 足立さん」
志歩「それで、咲希 何を話していたの」
咲希「小春ちゃんに、アタシの好きな音楽サークルを推していたの!」
志歩「確か、咲希の好きな音楽サークルって...ニーゴだっけ」
咲希「うん、そうだよ!」
志歩「ふ~ん、そうなんだ」
えむ「ねっ!ねっ! 何のお話をしているの!?」
小春「え、えむちゃん!?」
咲希「あ、えむちゃん!」
志歩「あ、鳳さん おはよう」
えむ「うん、おはよう! 志歩ちゃん、咲希ちゃん、小春ちゃん!」
小春「うん、おはよう えむちゃん」
咲希「おはよう、えむちゃん!」
えむ「それで、何のお話をしていたの?」
咲希「アタシが好きな音楽サークルを小春ちゃんに推していたんだよ!」
えむ「えぇ~いいな~ 私にも、教えて~!」
咲希「いいよ~、アタシはねぇ...」
そうして、朝のホームルームが始まるまで、推しを語り合った
視点変更…足立景
14時00分、絵画教室にて
景「・・・」
学校帰り、制服のまま、絵画教室に来ていた
二葉「あ、景さん! 来ていたんですね」
課題をこなしていると、夏野二葉が絵画教室に現れた
景「えぇ、夏野二葉さん、こんにちは」
二葉「うん、こんにちは」
二葉「それで景さんは、課題をやっているの?」
景「えぇ、まぁ 夏野二葉さんも、課題ですか」
二葉「うん、最後の一仕上げにね」
景「そうですか」
そうして、課題の続きをする
二葉「・・・」
夏野二葉は、誰かを捜すように他の席を見渡す
景「・・・今日も来ていませんよ」
二葉「・・・そっか、来ていないんだね 絵名ちゃんも、イアちゃんも」
景「はい」
静かに、そう肯定して
課題を続ける
視点変更…夏野二葉
二葉「・・・」
私は、景さんの隣の席に座り、課題は描き始める
景「・・・」
景さんも黙々と課題をこなす
二葉「・・・」
ふと、脳裏に二人がちらつく
東雲絵名とイア・マーガトロイド
かつて、この絵画教室に通っていた二人
絵画教室に来なくなってしまった理由は多分...
私が中学生の時のことだった
絵画教室の一人が、イアちゃんの方をチラチラと見ながら
「やってられない」
そう言って、絵画教室を辞めていった
それが崩壊の始まりだった
一人、また一人と立て続けに絵画教室から去っていった
「才能が違う」、「あんなのに勝てるわけがない」
辞めていくみんながみんな、似たような事を言った
そして、その言葉は...
明確にイアちゃんに向けられていた
そしてついに...
絵名ちゃんが絵画教室に来なくなった
イア「ねぇ、えなちゃん...」
絵名「・・・なに」
その言葉には、じんわりと怒気が含まれていた
イア「何で辞めちゃうの...」
絵名「あんたには、わからない」
絵名「天才のあんたには」
イア「私は天才じゃあ、ないよ そんなことない」
絵名「——バカにしているの!?」
イア「ビク...」
初めて見る姿だった 絵名ちゃんがこんな風になっているのは
絵名「あんた...ふざけているの」
イア「そ、そんなつもりじゃあ...」
絵名「だったら、もう私にかかわらないで」
絵名「もうこれ以上...」
絵名「私の前に現れないで」
そう言い放って、いなくなってしまった
私と景さんといくつかの人を除いて
その日から、イアちゃんも来なくなってしまった
二葉「・・・」
私はあの時、どうすれば良かったのだろうか
私はただ、見ていることしか出来なかった
絵名ちゃんの、苦痛に歪んだ顔も イアちゃんの、悲痛に歪んだ顔も
私には、どうすることも出来なかった
二葉「・・・」
景「夏野二葉さん」
二葉「・・・・・・」
景「・・・夏野二葉さん」
二葉「え?あ、な、なに 景さん」
景「もう18時です 絵画教室が閉まりますので、帰りましょう」
二葉「え?もうそんな時間!? 伝えてくれて、ありがとう バイバイ、景さん」
景「えぇ、さようなら 夏野二葉さん」
そうして、私は帰路についた
今回も、ご愛読ありがとうございました
是非良かったら、ご感想を書いていって下さい