退廃的な主人公はプロジェクトセカイの夢を見るか? 作:針が11を指している
数日後、日曜日 昼過ぎ
景「・・・」
ワイヤレスイヤホンをし音楽(ピアノソナタ第14番月光第二楽章)を聞き流しながら
乃々木公園を散歩する
数十分間歩いた末、そこら辺にあったベンチに座り
持っていたトートバッグから、スケッチブックを取り出す
そして、スケッチブックを開き、ぺン持って風景を書き始める
穏やかな陽射しに照らされながら、シュシュとペンを動かす
そうしていると
サモちゃん「ワン!」
景「・・・?」
大型犬が目の前にいた
サモちゃん「ハ、ハ、ハ、ハ、ハ...」
景「・・・」
その犬は、こちらを見ながら、その白い尻尾を振っていた
景「・・・」
スケッチブックとペンを置き、その犬に手を伸ばす
が、必要なかったようで、犬の方から飛びついてきた
景「ん...」
サモちゃん「わふぅ」
押し倒されて、寝そべる
景「・・・」
真っ白なその毛を視界いっぱいに占領されながら
その犬は、ペロペロと頬を舐める
景「・・・」
ふわふわな毛並みに触れる
景「・・・」
わしゃわしゃと粗く撫でる
サモちゃん「ブルブルブルブルブル」
景「・・・」
そうして、犬を愛でていると
みのり「サモちゃん~!!何処にいるの~!!」
何処からか、そんな声が聞こえてきた
景「・・・」
サモちゃん「ワンワン!」
その犬は、飼い主と思われる人物が発した声に反応して、吠える
みのり「あ、いた!サモちゃん~!!」
そうして、その飼い主と思われる人物が近づいてくる
みのり「もう~、何をしているの?サモちゃん」
サモちゃん「わふぅ」
そして、その人物はサモちゃんと呼んでいた犬を抱き上げようとして
景「・・・」
みのり「・・・」
目が合った
みのり「びぎゃぁぁぁ!?」
人がいるとは思わなかったのか、大声で叫んで後方に倒れ込み
みのり「イタ...」
尻餅をつく
景「えっと...大丈夫ですか?」
犬ごとひっくり返った彼女に手を伸ばしながら、そう聞く
みのり「だ、大丈夫です!」
そう大声を出して、立ち上がる
サモちゃん「ワン!」
隣にいた犬も呼応して、鳴く
景「そうですか...それは良かったです」
そう言って、伸ばした手を引っ込める
みのり「あ、そうだ! すみません、サモちゃんが...」
景「うんん、大丈夫です 別に、気にしていないので...」
みのり「でも...」
そうして、こまねいていると
みのり「ん?それって...」
スケッチブックに視線がいった
景「あぁ、さっきまで描いていたんですよ」
みのり「描いていたって、絵を?」
景「えぇ、そうです」
みのり「何を描いていたんですか?」
隣に座って、その灰色の目を輝かせて、聞いてきた
景「えっと...見ます?」
みのり「え?いいの!?」
景「えぇ、まぁ...」
そうして、カーネーションの絵を見せる
みのり「・・・これ...綺麗だね」
景「・・・綺麗?」
みのり「あぁ、えぇっと...」
景「・・・別に、怒っている訳ではないですよ」
景「ただ...」
みのり「ただ?」
景「・・・同じ様な感想を言われたことがあるだけですよ」
景「綺麗...ですか...」
みのり「えっと...?」
景「感想を言ってくれて、ありがとうございます...」
みのり「い、いえ こちらこそ...」
みのり「サモちゃんと遊んでくれて、ありがとうございます」
景「えぇ、ありがとうございます」
景「・・・では、これで失礼しますね」
みのり「待って...あ...」
景「え?」
声をかける為に立ち上がった時に、足がもつれたのか
こちら側に倒れこんできた
景「んっ...と...」
倒れてきた身体を支える
景「・・・大丈夫ですか...?」
みのり「だ、だ、だ、大丈夫です...」
そう言って、直ぐに立ち直る
景「・・・それで、何か用でも?」
みのり「あ、そうだった...貴方の名前は?」
景「・・・景、足立景です」
みのり「そうなんですね 私は花里みのりっていいます」
景「素敵なお名前ですね、花里みのりさん」
みのり「景さんも素敵な名前ですよ」
みのり「・・・すみません、足を止めてしまって」
景「いいえ、大丈夫ですよ それでは...」
みのり「はい、また、どこかで」
景「・・・えぇ、また、どこかで...」
そうして、花里みのりと別れ、家に帰った