退廃的な主人公はプロジェクトセカイの夢を見るか? 作:針が11を指している
数日後、17時00分
景「・・・」
パソコンに映っている『Untitled』の文字が目に入る
左手にスケッチブックが入った袋をぶら下げる
『Untitled』にカーソルを合わせて、クリックする
そして、パソコンから、円状に光で出てくる
そのまま、光に飲まれていき...
気づけば、深海のセカイにいた
レイ「~~~♪」
景「ん?」
足立レイの歌声が聞こえてきた
レイ「Daisy~ Daisy~」
レイ「Give me your answer do~」
レイ「I`m half crazy~」
レイ「All for the love of you~」
レイ「It won`t be a stylish marriage~」
レイ「I can`t afford a carriage~」
レイ「But you`ll look sweet upon the seat~」
レイ「Of a bicycle built for two~」
景「・・・」
足立レイが歌っている『Daisy Bell』を聴きながら
スケッチブックを開く
景「・・・」
少し経った後、セカイにフォーンと低重音が響く
それと同時に、空間の過半を鯨の影が覆う
景「・・・」
シュシュと、紙とペンが擦れる音が継続して静かに響く
レイ「景さん、何を描いているんですか?」
そうしていると、歌い終わった足立レイが隣に座って話をかけてきた
景「・・・鯨です」
レイ「鯨?」
景「はい、そうです...」
レイ「そっか...」
再びフォーンと52Hzの低重音が響く
そして、数分後
景「・・・出来た...」
相も変わらず、その絵は上手くも下手でもない出来のものだった
レイ「見せてもってもいいですか?」
景「・・・いいですよ...」
そう言って、鯨の絵を足立レイに差し出す
レイ「・・・やっぱり、綺麗ですね」
景「綺麗...ですか...」
レイ「・・・やっぱり、納得いきませんか?」
景「いえ...そういうわけでは...」
そう言い澱んでいると
MAYU「何をしているの?」
誰かが後ろから話をかけてきた
レイ「あれ?マユちゃんじゃん いつ、来ていたの?」
MAYU「昨日、現れたのよ」
MAYU「それよりも...ねぇ、貴方」
景「な、なんですか」
MAYU「貴方、何をしているの?」
景「えっと、絵を描いています...」
MAYU「へぇ~、絵を描いているんだ~」
MAYU「見せてくれる?」
景「えぇ、いいですけど...」
そうして、MAYUに鯨の絵を見せる
MAYU「・・・なんか、G線上のアリアみたいな絵ね」
景「G線上のアリア?」
レイ「詳しく聞かせて?マユちゃん」
MAYU「う~ん...別に、確固たる論理的説明は出来ないけど...」
MAYU「ほら、G線上のアリアって、静かで芯があるじゃない?」
MAYU「なんか、そういう感じがするって言うか...」
レイ「成程...」
景「?」
MAYU「まぁ、とにかく...」
MAYU「ありがとうね、絵を見せてくれて」
景「そうですか...」
景「えっと...そろそろ、ミルにご飯を出さないといけないので、これで...」
MAYU「えぇ、分かったわ」
レイ「分かりました じゃあ、またね、景さん」
MAYU「またね」
景「はい...また、セカイで...」
そうして、円状に光に包まれ
気が付いたら、自室にいた
ミクのおじいちゃんにあたる(おじいちゃんって言っていいのかな)
IBM 7094が最初に歌った曲Daisy Bell
いい曲ですよね