マブラヴガールズガーデン You're Under Arrest   作:マブラマ

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第17話 事件の余韻

コンテスト会場のステージは、事件の余韻がまだ残る中、ようやく落ち着きを取り戻しつつあった。

その時――会場の西側入口から、甲高いエンジン音が響き渡った。

 

ブォォォォン!!

ガアアアアアアア!!

 

赤いEG6シビックと、オレンジのS14シルビアが、タイヤを激しく鳴らしながら強引にステージへ乗り込んできた。

二台の車は派手なドリフトを決め、ステージ中央で綺麗に並んで停止した。

観客席からどよめきと驚きの声が上がる。

リィズ・ホーエンシュタインが、赤いEG6の運転席から悠然と降り立った。

彼女はいつもの優雅で少し意地悪な笑みを浮かべ、ステージの混乱を一瞥した。

「ふふ、その様子じゃ、無事終わったのね」

グレーテルが目を丸くして叫んだ。

「ホーエンシュタイン!? 何でここに!」

アネットも呆然としながら、赤いEG6に釘付けになった。

「え? リィズ……?」

リィズは軽く髪を払い、悪戯っぽく微笑んだ。

「頭文字D・MFゴーストのブースに展示してた赤いEG6を、スタッフさんに事情を話してから借りてここに来たのよ。……まあ、かなり強引だったけど」

その後ろから、オレンジのS14シルビアのドアが開き、ファルカ・ミューレンカンプが降りてきた。

「リィズ先輩、終わりましたね……」

リィズが優しく微笑んで答えた。

「ええ。ご苦労様、ファルカ」

アネットは両目を輝かせ、赤いEG6に駆け寄りながら興奮気味に叫んだ。

「す、すっごい! 本物のEG6だ……! しかもあの赤! 庄司慎吾仕様じゃん!」

リィズがくすっと笑った。

「まあ、似たようなものよ。スタッフさんには後でちゃんと謝っておくつもり」

グレーテルが額に手を当て、呆れたように言った。

「……相変わらず、派手な登場の仕方をするわね、あなたは」

イングヒルトも苦笑しながら近づいてきた。

「本当に……びっくりしました」

リィズはステージに上がったまま、倒れている伝淑会の残党や、手錠をかけられている元貴族生徒たちを一瞥し、満足げに頷いた。

「ふふ、随分と派手にやったみたいね。アクスマン校長の逮捕の報せはもう聞いたわ。……これでようやく、ユーロ・タワーも少しは綺麗になるかしら」

アネットがEG6のボンネットを軽く撫でながら、興奮冷めやらぬ様子で言った。

「でもさ、リィズ! こんな大事な展示車を借りてくるなんて……本当に大丈夫なの?」

リィズが肩をすくめた。

「大丈夫よ。『緊急事態だから』って頭を下げて事情を説明したら、スタッフさんたちも快く貸してくれたわ。……まあ、返却の時に盛大に謝る必要はあるでしょうけど」

ファルカが静かに微笑みながら付け加えた。

「先輩が『どうしても必要』って譲らなかったので……私もついてきてしまいました」

リュシーが遠くから声を張り上げた。

「おいおい、また新しい派手なのが増えたぞ!」

ドロテアも優雅に笑いながら言った。

「本当に、今日のイベントは波乱万丈ですこと」

ステージ上は、再び賑やかで、どこかほっとした空気に包まれていた。

アネットはEG6の隣に立ち、満足そうに胸を張った。

「ふふ……やっぱり車って最高だね! 特にこの赤!」

リィズがアネットを見て、優しく微笑んだ。

「あなたも、ずいぶん元気そうで何よりよ。アネット」

 

リィズは赤いEG6のボンネットに軽く腰をかけ、優雅に脚を組んだまま、皆の視線を受け止めながら小さく微笑んだ。

「ふふ……EG6を借りてきた理由、気になります?」

アネットが目を輝かせて身を乗り出した。

「めっちゃ気になる! どうして急に展示車を借りてきたの?」

リィズは指で自分の頰を軽く突きながら、悪戯っぽく言った。

「単純よ。まず一つ目……この会場、MGが何機も入ってきてる状況で、普通の車じゃステージに上がるのも一苦労でしょう? でもこのEG6なら、軽量でパワーもあるし、ドリフトで無理やり乗り上げられる。実際、上がれたでしょ?」

グレーテルが呆れたように言った。

「……それが主な理由か?」

リィズがくすっと笑った。

「もちろん、それだけじゃないわ。二つ目……私がこの赤いEG6を見た瞬間、思ったの。

『これは、今日の騒動を締めくくるのに相応しい演出になる』って」

彼女はゆっくりとステージを見回し、倒れた伝淑会のメンバーや、手錠をかけられている元貴族生徒たちに視線を止めた。

「派手で、派手すぎて、馬鹿馬鹿しいくらい目立つ車。それで、事件の後……『秩序を守る者』として、華やかに登場したかったの。頭文字Dのスピリットそのままに、派手に乱入して、すべてを終わらせる。……ちょっとロマンチックでしょ?」

アネットが両手を叩いて笑った。

「ロマンチックっていうか、完全にノリと勢いじゃん!」

リィズが肩をすくめた。

「まあ、それもあるわ。でも本当の理由は……あなた達が無事で、ちゃんと戦い抜いた姿を、この目で直接見たかったからよ」

彼女はアネットとグレーテル、イングヒルトを順番に見つめ、柔らかく微笑んだ。

「特にアネット……あなたがオベレーグに乗って戦ってる姿、ちゃんと見届けたかったの。だから、ブースのスタッフさんに頭を下げて、事情を全部話して、展示車を借りてきた。……迷惑はかけたけど、後でちゃんと謝罪と補償はするつもりよ」

ファルカが後ろで小さくため息をついた。

「先輩、本当に強引でしたから……私、冷や冷やしてました」

リィズがファルカの頭を軽く撫でながら笑った。

「結果がすべてよ、ファルカ。無事終わったんだから、良しとしましょう」

アネットがEG6のボンネットを優しく撫でながら、嬉しそうに言った。

「まあ……リィズが来てくれて、なんか締まった気がするよ。この赤いEG6、最高にかっこいいし!」

リィズは満足げに微笑み、夜空を見上げた。

「ふふ……今日のノヴァセレス・エンタメフェスは、いろいろと記憶に残るイベントになったわね」

赤いEG6とオレンジのS14シルビアは、ステージ上で静かにライトを反射しながら、事件の終わりを華やかに飾っていた。

 

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