マブラヴガールズガーデン You're Under Arrest   作:マブラマ

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第18話 コンテスト再開

数日後

 

ノヴァセレス・エンタメフェスは、諸々の事情を整理し、改めて再開された。

先日の不幸な事件で中断されたコスプレコンテストも、関係者一同の強い希望により、仕切り直しの上、改めて開催されることになった。

 

コスプレコンテスト特設ステージ

 

 

会場は前回よりやや緊張した空気に包まれていたが、それでも大勢の観客が詰めかけ、色とりどりのコスプレイヤーたちがステージを彩っていた。

司会台に上がったのは、アマネではなく――青い長い髪をなびかせた可愛らしい少女だった。

柊校舎MGチーム『シリウスシュガー』のメンバー、月ヶ瀬ちゆる。

彼女はマイクを握り、深呼吸をした後、明るくも丁寧に話し始めた。

「みなさん、こんにちは。改めまして、本日はお集まりいただきありがとうございます。……先日の不幸な出来事で、多くの方にご心配とご迷惑をおかけしました。しかし、私たちは諦めません。このフェスを、皆さんの笑顔を守るために、もう一度やり遂げたいと思います」

ちゆるの澄んだ声が会場に響くと、観客席から温かい拍手が沸き起こった。

控え室の隅で、アマネが肩を落として座り込んでいた。

「うぅ…アマネの出番が奪われたぁ…」

その隣で、ファルカが苦笑しながら慰めていた。

「まあ、今回は特別だから……」

 

審査員席今回は豪華な顔ぶれが揃っていた。

 

審査員長:ザルトゥーム学園 学園長 フランツ・ハイム

審査員:ユーロ・タワー校舎 元政治将校 ヨハネス・ツヴァイクレ

審査員:ユーロ・タワー校舎 生活指導教師 アルノルト・レーベン

審査員:柊校舎教師兼メイズ研究同好会顧問 リィズ・ホーエンシュタイン

審査員:柊校舎教師 ファルカ・ミューレンカンプ

審査員:ユーロ・タワー校舎 新任校長 ホルツァー・ハンニバル

審査員:ユーロ・タワー校舎 新任女性教頭 マライ・ハイゼンベルク

 

 

フランツ・ハイムがマイクを握り、厳かながらも温かい声で挨拶した。

「先日の事件は、誠に遺憾でした。しかし、このフェスが持つ意義を、私たちは決して忘れません。貴族と平民が、笑顔で同じ舞台に立てる――それこそが、未来への第一歩です。どうか、今日一日、存分に楽しんでください」

リィズは審査員席で優雅に微笑みながら、隣のツヴァイクレに小声で囁いた。

「先生、今回はちゃんと真面目に採点してくださいね?」

ツヴァイクレが眼鏡を押し上げて答えた。

「無論だ。……ただし、君の知り合いには少し甘くなるかもしれないがな」

アネットはステージ袖で、興奮を抑えきれずに拳を握っていた。

「よし……今度こそ、ちゃんとコンテストを楽しむぞ!」

グレーテルが隣でため息をついた。

「前回みたいに暴走するなよ」

イングヒルトがくすっと笑った。

「アネット、千束コスプレ、今日はさらに気合いが入ってますね」

ハリエット、ミリアム、ケイトの三人も、改めて気合いを入れ直していた。

月ヶ瀬ちゆるが、再びマイクを握り、明るく宣言した。

「それでは、改めまして――ノヴァセレス・エンタメフェス コスプレコンテスト、

二次審査……スタートです!」

会場に、再び大きな歓声が沸き上がった。

先日の暗い影を払拭するように、より一層の熱気と笑顔に満ちた、本当の意味での「再開」が、今、始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観客席にて――コスプレコンテストが再開され、ステージ上で次々と参加者がパフォーマンスを披露する中、観客席のやや上段、VIPエリアに近い席で二人の女性が静かに会話を交わしていた。

 

一人は凛とした金髪の才色兼備美女、アイリスディーナ・ベルンハルト。

もう一人は、黒髪を優雅に纏めた、鋭い眼差しの女性、ベアトリクス・ブレーメ。

アイリスディーナはステージ上のアネットの姿をじっと見つめ、静かに呟いた。

「立派になったな……アネット。教導指揮官としての私が教えることは、何もないな」

ベアトリクスが隣で小さく笑った。

「そんなことないわよ、アイリスディーナ」

アイリスディーナが視線を少しだけ横にずらした。

「『アインザッツグルッペン』をチーム再建し、新たに『ヴェアヴォルフ』を新設させた貴様が言えることか?」

ベアトリクスは肩をすくめ、余裕のある笑みを浮かべた。

「その代わりに『ユーロ・ナイツ』や『ユーロユーゲント』を解散させて統合したのよ。

今日ぐらい、楽しみましょう」

アイリスディーナが小さくため息をついた。

「そうだな……議長としてのお前はどうなんだ?」

ベアトリクスはステージに視線を戻し、静かに答えた。

「教師としてのあなたの意見を聞きたいわ」

「お前から言え」

「そう? じゃあ正直に言うわね。――――アークトゥルスは『希望の象徴』よ。彼女達は未来の光よ。でも、それ以前は……ユニティ・エッジ単体ではカス揃いね」

アイリスディーナが苦笑した。

「相変わらず過激だな、お前は」

ベアトリクスがくすっと笑い、優雅に髪を指で払った。

「ふふ、いいじゃない?」

二人はしばらく無言でステージを見つめていた。

やがて、アイリスディーナが小さく呟いた。

「……あの頃は、まさかあの子たちがここまで来るとは思わなかった」

ベアトリクスが静かに頷いた。

「ええ。私たちも、ようやく後ろを振り返れるようになったのかもしれないわね」

ステージ上では、アネットが元気いっぱいにパフォーマンスを披露していた。

その姿を、かつて彼女たちを導き、時に厳しく対峙した二人の先達は、静かに、しかし温かい目で見守っていた。

アイリスディーナが最後に、独り言のように言った。

「……よく頑張ったな、アネット」

ベアトリクスが微笑みながら小さく手を叩いた。

「これからも、期待しているわよ」

ノヴァセレス・エンタメフェスの夜は、まだ深く続いていく――。

 

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