日本に魔都というものが出来て早数十年。東京都ほどの広さを有する魔都には醜鬼と呼ばれる魔物と、桃と呼ばれる食べた者には特異な力を与えられるものが存在した。しかし、桃は女性にしか能力を発現しないことから男女間の力関係は崩壊した。
ある男は警視庁捜査1課で働いている。そんな警視庁捜査1課も女が大多数を占めていて男は男ともう1人の後輩だけだ。しかし、男は捜査に有利な能力を持っている女性たちに囲まれていながらも何とか日々の事件と向き合っている。
「おい、和田、また油売ってんのか」
彼女は男の上司である藤原琴音警部補だ。
「すいません藤原さん」
「全く今、あの事件の捜査で大変なんだから」
そう言って彼女は自分のデスクに戻っていった。
「あの事件ねぇ」
あの事件とは、、、最近巷で騒がれている能力者が引き起こしている事件だ。捜査が難航していることから近々魔防隊も交えて捜査をすることになっている。和田もこの捜査につきっきりとなっていることからここ数日は寝不足気味であった。そんな和田も今日は早く仕事を上がることができた。
「はぁ~今日もようやく仕事が終わった。久しぶりに酒が飲めるぜ。とりあえず近くのコンビニでビールとつまみでも買ってくか、、、」
久しぶりに早く仕事が上り、浮かれていたことで周りを警戒していなかった和田はしばらく歩いてあることに気付いた。
やけに周りが静かだな…と。
和田はようやく異変に気付いた。しかし、時すでに遅し。魔都災害に巻き込まれてしまった。
「ちっ…今日は早く帰れると思ったによ…」
この世界では度々一般人が魔都に迷い込んでしまう魔都災害が起きていた。一度巻き込まれるといくら刑事の和田でもできることはあまりない。とりあえず、醜鬼と呼ばれる魔物に見つからずに何とか魔防隊に助けてもらうしか方法はない。
「とりあえず、魔防隊が助けに来てもらうまで隠れて待ちますか」
和田は岩陰に隠れ魔防隊を待つことにした。
和田はあることを考えていた。それは従兄弟のことだ。彼は高校生で家事が万能で心優しい青年だ。そんな彼は最近どこかにスカウトされ、住み込みで働いていると親から聞いた。ただ、その時も捜査で寝不足であったがため、適当に聞き流してしまっていた。
ボゴッ!
目の前に醜鬼が現れた。
やばいやばいやばいやばいやばいやばい!死んでしまう!本能がそう叫んでいる。だが人間はそういうときほど体が動かない。
食われる.....!!逃げなければ!
しかし、体は動かない。
「グオオオオオォォ!!」
醜鬼はどんどんこちらに迫っている。
「もう襲われているとは運のない奴だ」
「屈服の時間だ!!」
謎の生き物にまたがった女はそう言いながら和田の前にやってきた。
和田頼人:警視庁捜査1課で日々事件と向き合っている刑事。最近寝不足気味。