「....っ」
犯人は頼人を睨むかのように見た。そして窓に駆け寄った。その後ろを京香が追いかけ、追い詰めた。
「もう逃げられないぞ!」
京香たちは囲むように近づいた。
犯人は右ひじをを思いっきり、窓に当て窓ガラスを割り、ビルから落下し、真下の地面に割れ目を作りながら着地した。
「何て奴だ」
想定外の動きに頼人は窓によって逃げる姿を見るしか出来なかった。
「京香さん、変身しますか?」
「窓が小さいから変身したお前は通れない」
京香はそう言いながら後ろに下がった。
「京香さん。ま、まさか…」
「ああ、そのまさかだ」
そう言い、助走をつけ窓を飛び越え、真下の植木に落下した。
「まじかよ!」
残された2人はビルから飛び降りるという常人では考えられないことをした京香に驚きながらその後ろ姿を見た。
「痛っ…」
京香は少し痛む体を我慢しながら追いかけた。
犯人は大通りを出て、逃走していた。後ろを振り向くと、先ほど戦った人間がしつこく追いかけてきていた。
2人は大きな交差点に差し掛かった。
ちょうど歩行者用信号機が青になり、人々が渡り始めていた。歩行者が邪魔だと感じた犯人は常軌を逸したジャンプ力でジャンプして車道側に出た。
「ぎゃあ!」
左側から走ってきた大型トラックの運転手はいきなり降ってきた人に驚き、急ハンドルを切った。ハンドルを切った先には先ほどの横断歩道を小さな子供が歩いており、子供は突然の出来事に固まってしまっていた。
運転手は急ブレーキを踏んだがすぐには止まれない。
京香は子供をすんでのところで抱きかかえ地面を転がった。
大型トラックは横断歩道を超えたあたりで止まった。
「大丈夫か?」
「う、うん。ありがとう」
子供は突然の出来事に未だ理解が追い付いていなかった。
「取り逃がしてしまったか…」
そう言いながらあたりを見渡した。
「怪我人は門のあるフロアと1階のフロアの隊員全員か」
頼人は襲撃を受けた魔防隊の東京クナドで捜査をしていた。
1人の人間によって魔防隊の支部が襲撃を受けたことから警察、消防、魔防隊の人間が集結していた。
「やっぱり、この事件って例の事件と関係しているんですかね」
捜査にやってきた後輩の黒須義秋が話す。義秋は、女性だらけの捜査一課でも能力なしで上り詰めてきた実力者だ。
「まだ、何とも言えないが、あの身のこなし、窮地に陥っても、それを脱する冷静な判断力から見るに相当な手練れだ。ただ、あの事件の被疑者と体の動きは似ているな」
あの事件とは....
ここ数カ月都内を騒がせている連続襲撃事件だ。謎の人間たちが常人離れの力を使い、指定暴力団、何年も前から警察が追っている詐欺グループ、闇バイトの元締め、現世に出没した醜鬼を倒すなど主に社会に悪影響を与える存在に攻撃を仕掛けている。警察が現場に到着すると、縄で巻かれた犯人たちと8つのおどろおどろしい龍を模したマークが書かれた紙が置いてあった。
そして、監視カメラには常人離れした体術で集団を倒している映像がいくつも記録されている。
ネットでは警察が捕まえられないやつを倒してくれていて最高 魔防隊よりも優秀で草などと評価もいい。
「和田さん、これを見ていただけませんか?」
鑑識が何かを持ってきた。
「先輩、これは、まさか…」
「ああ、そのまさかだ」
手元に渡されたのはあの8つの龍を模したマークだった。
「その紙、私たちにも見せてくれないか?」
後ろには京香がいつの間にか立っていた。
「羽前さん、無事だったんですね。そちらの人は?」
京香の隣はもう1人金髪のショートヘアの人が立っていた。
「私の名前は出雲天花。6番組組長をやっています」
「あなたも組長でしたか。俺は和田頼人、刑事です。こっちは後輩の同じく刑事の黒須義秋」
「黒須義秋です」
2人はお辞儀をした。
「2人ともよろしくお願いします。早速だけどその紙、このマークはいったい何ですか?」
「これは現場に置かれていた8つの龍を模したマークです。何を意味しているのかさっぱりで」
「8つのマーク…」「天花、やはり…」 「うん」
京香と天花は何か8つということに何か心当たりがあるみたいだ。
「何か知ってたりしますか?」
義秋が険しい顔をしている2人を見て聞いた。
「これって、他の場所でも見つかったりしてたりしますか?」
「あなたたちは、ここ最近、ニュースになっている連続襲撃事件を知ってますか?」
「はい」
頼人は連続襲撃事件のことを説明した。
「なるほど…。一連の事件現場で見つかっているんですね。やはりあの感触は間違いじゃないかったのか」
どうやら京香は今回の襲撃犯に何か思い当たる節があるようだ。
「羽前さん、その雰囲気だと何か思い当たる節あるんですね」
「いちおう。あなたたちは神奉者を知っていますか」
「「神奉者?」」
頼人と義秋は初めて聞いた言葉だった。
「神奉者は主に邪神を信仰している人達のことで、人間を超えた力を持っている元人間のことです」
「邪神は神奉者を改造して恐ろしい力を与えているんです。それこそ、組長クラスのを」
「その神奉者とやらがこの一連の事件に関わっているんじゃないかってことですね」
「はい。あの常人離れした力を持てるのはそうそういません」
どうやらこの事件、一筋縄ではいかない。頼人はそう確信したのだった。
和田頼人....裏で不気味な何かが動いているな。そして、またしばらく家に早く帰れないじゃないか
黒須義秋....事件関連でそれどころじゃなかったけど6番組組長ってよくテレビとかに出てなかったっけ?
和倉優希....別室で京香たちを待っていた。
羽前京香....この事件に8雷神が関わっているんじゃないか?
出雲天花....↑と同じく。優希君から聞いた話だと和田さんは優希君の従兄弟みたい。今度、会って優希君のことを聞こっと♪