事件後、警視庁では魔防隊という戦闘に長けた集団の支部に1人で奇襲を仕掛け、その場にいた隊員を1人残らず倒し、京香相手にも互角に戦ったという衝撃的な出来事に動揺が広がっていた。しかも襲撃犯は警察が追いかけていた犯人と同じというおまけつきだ。頼人は件の当事者もあり、事件の捜査、報告書、上層部への説明など徹夜でこなし続けていたことで見るに耐えない状態となっていた。
「あぁぁぁ~~~もう何もしたくねえ…」
目に隈を浮かべ、髭が生えていた頼人はそう言いながら朝日が照っている窓の外を見た。
「おはようございまって、先輩、まだいたんですか!?」
出勤してきた義秋は驚きながら頼人のもとにやってきた。
「しょうがねぇだろ。昨日の現場に遭遇した警察関係者は俺しかいなかったんだからよ。おかげさまで上の奴への説明やらなんやらでもう死にそうだ」
「お疲れ様です。先輩」
「お前も少しは手伝ってくれてもいいんだぞ」
「いえ、遠慮しときます」
義秋はキリッと頼人のお誘いを断った。
この後は捜査会議か…身だしなみ整えないとなぁ。
頼人はため息をついた。
「昨日発生した魔防隊襲撃事件、被疑者は我々がここ数ヶ月追いかけていた犯人と容姿が酷似していることが判明した」
会議室の前にいる警部がスクリーンに今までの事件で記録された複数の犯人の画像と魔防隊の監視カメラに写った写真を出した。
捜査員たちはどよめきが起きた。それもそうだ。今までは罪なき人間には攻撃をしなかった。しかし、今回その法則は破られてしまったのだから。
「事態を重く見た上層部は魔防隊と合同捜査を展開することになった」
更なる驚きの発言に収まっていたどよめきがまた起きた。
そして、扉が開き、そこから京香、天花が部屋に入ってきた。
「魔防隊7番組組長羽前京香です」
「魔防隊6番組組長出雲天花です」
2人はスクリーンの前に出て挨拶をした。
1通りのあいさつが終わった後、早速天花が話し始めた。
「我々魔防隊では昨日緊急で組長会議を開きました。今回襲撃された時、総組長山城恋は総理大臣の警護のため魔防隊本部にいませんでした」
「また襲撃時、本部と繋がるあらゆる連絡手段が切断されていました」
京香たちの後ろのスクリーンに切断された電話線、破壊されたサーバー室が写された。
「犯人は内部の情報を知っていたということですか?」
1人の捜査官が質問をした。
「....恐らくは。我々魔防隊ではこれらを踏まえて魔防隊に
内通者
がいる可能性を探っています」
周りの捜査官は驚きを隠せない動きを見せていた。
「また、襲撃犯の置いて行ったこのマークは8雷神という魔都に存在するとされる神様を模したものだと考えられます。一連の事件は8雷神の信者である神奉者という規格外の力を与えられた元人間による犯行と考えられます」
「8雷神はなぜ、神奉者とやらを作って、魔防隊を襲撃したのですか?」
更に別の捜査官が質問を投げかけた。
「8雷神は人類を滅ぼそうと企んでいる邪神です。その一環で魔防隊を攻撃したと考えられるのですが神奉者を使った理由はよくわかりません」
その事実を聞いたものは息を呑んだ。自分たちは想像を絶する存在を追いかけていたことに気付いたからだろう。
「…ということだ。諸君、この神奉者は8雷神を信仰しており、常人の何倍もの力を有している危険人物だ。今後、神奉者によると思われる事件が発生した際には魔防隊と共に動くことが決定した」
その後も捜査会議が続き、今後の動きをどうするかを決めていった。
会議後、頼人と義秋は自販機でコーヒーを買っていた。
「魔防隊に内通者がいるかもって話を聞いた時はびっくりしましたよ」
「俺は何となくいるかもって思ってはいたけどな」
「まじですか!?」
義秋は驚きの表情をしていた。
「昨日、犯人と対峙した時、周りの隊員たちはみんな倒されていたし、増援も来なかった。あんな騒ぎが起きたらすぐに人が来るだろ?変だと思ったんだよ。その後の調査でも連絡できないようにされていたし。どう考えても中を知ってないとできない芸当だ。極め付けに総組長がいない時に襲撃が起きた。内部に裏切り者がいるとしか考えられない」
「....なるほど」
ま、裏切り者調査は魔防隊メインだろうな。というかそうであってくれ。これ以上仕事をしたくない。そう思いながらトイレに行った。
トイレで用を足して外に出ると、天花と京香がいた。
「あ、和田さん」
頼人に気づいた2人は歩いてきた。
「出雲さん、羽前さん。お疲れ様です。かなりの大事になっちゃいましたね」
「そうですね。おかげで魔防隊も大変な騒ぎになっています。そこで和田さんにお願いがあるんですが…」
「何でしょうか?」
魔防隊の組長が直に頼むこととは何だろうか。
「明日、魔防隊本部に来て欲しいのですがいいですか?」
「.....はい?」
「まさか、あんたみたいな実力者が何の能力もない男に左腕を銃で撃たれるなんてねぇ」
ここは魔都のどこかにある8雷神の本拠地。そこには8雷神の一角である紫黒と先の襲撃犯がいた。
「...私も驚いた」
襲撃犯は怪我をした左腕を見てそうつぶやいた。
「あの男の名は?」
「あの男はねぇ警視庁捜査一課の和田頼人っていうらしいよ」
紫黒は
「その情報はやっぱり、」
「そう、警察内部と魔防隊からの情報だねえ。
「おかげで私も楽しめてるよ」
「そうそう。次の襲撃はどうするの?」
紫黒は首を傾げた。
「最近逮捕された詐欺グループの親玉が近い内、護送される。あいつの能力は凄まじい。魔防隊、警察を内部から滅茶苦茶にできる」
「確かにねぇあの能力は私たちも欲しいかな。改造すればさらにすごいことになるしね」
ニシシと紫黒は笑った。
最近、vivant見始めたけど、本当にあのドラマ面白すぎる。一瞬で時間が過ぎた。