翌日から頼人の内通者探しが始まった。とは言っても、バレないように探さなくてはいけないので中々進まないが。
頼人はとりあえず魔防隊に恨みがあると思われる義秋を見張るようにした。デスクが頼人と義秋で隣同士であったので頼人はこっそりと自分のデスクにペン型の小型隠しカメラを置き、義秋を撮り始めた。また、特殊部隊の方でも義秋を監視するようになった。
監視開始数日後
「黒須義秋を監視してから数日、今のところ怪しいところはあまり見当たらないわね」
特殊部隊の報告書と小型カメラの映像を見ていた総組長 山城恋は話した。
「ただ妙にどこかと連絡を取っているのよね。何か心当たりはあるかしら?」
恋は目線を頼人に向けた。総組長だからなのかただの質問なのに圧を感じた。
「最近、仕事が忙しくてあいつ、あまりプライベートのことを話さないんですよ。昼に聞いてもはぐらかすし。それと、誰かにつけられている気がすると話していました。恐らく、これ以上尾行を続けるとばれる可能性もあります」
「なるほどね」
目線を元に戻した。
頼人は京香に呼ばれ、組長会議に出席していた。周りはそれぞれの組の長が勢揃いしていた。また高校生のような組長もいれば、ヤンキーみたいな組長もいたり、露出が多めな組長がいたりなど個性豊かであった。
「今日、組長会議にあなたが来てもらったのはこの黒須義秋をどうにかするためなの」
「なるほど」
「怪しい連絡を聞くためにも本人と1回話したいのよね」
「…なるほど。そうなると黒須をここに連れてくるのが良いですよね」
「そうね。となると天花の能力を使うのが良いかもしれないわね」
義秋をここに連れてくる方法が話し合われた。
決行日朝
義秋が席を立った。頼人は少しした後に席を立ち義秋の後を追った。しかし、義秋の姿は見当たらなかった。
まさか尾行に気づかれたか?慌てて天花に連絡した。
『え!?黒須さんがいなくなった!?』
「はい。恐らく尾行に気づかれたものかと思います」
『また後で連絡します!』
その後、特殊部隊の人間と思い当たる場所を探し回ったが、見つからなかった。
これ以上義秋が見つからないと流石に警部に言わないとまずいと考えていたところに携帯が振動した。
「もしもし」
『黒須さんはみつかりましたか?』
「全然見つかりません」
『黒須さんがいなくなったとなると尾行に気づかれて逃走したと思われるので警部に報告しても良いとのことです』
「わかりました!」
急いで岩国美代子警部に報告をした。
「私に隠れてそんなことをしていたのね」
「すいません。しかし、今は逃亡した黒須の行方を追うのが先決かと」
「それはわかっています」
警部は捜査一課の全刑事を呼び、ことの経緯を話した。
「ということです。全刑事は魔防隊と共に黒須の行方を追いなさい!」
「「はっ!」」
こうして義秋の捜索が始まった。
頼人、警部、特殊部隊、京香、天花は警視庁内の監視カメラを見ていた。
「和田さんの言う通り、監視カメラを見ると、黒須さんはどこかと連絡を取った後に慌てている様子が見られます」
カメラには電話をしながら慌てている様子が見られた。
「やはり、内通者は黒須ね。少し電話してきます」
警部はそう言い放ち、部屋を出て行った。
「それにしても黒須はどこに行ったんだ?」
「我々特殊部隊も捜索していますがまだ見つけることが出来てません」
「そうなると、寧を連れてくるしかないかもな…」
そう京香は話している時、頼人は監視カメラの映像を繰り返し見ていた。
もし、義秋が裏切りならあの時の誰かにつけられているという発言をしないだろうし、仮にしたとしても逃げていると考えられる。
「和田さん、さっきから監視カメラの映像を見てどうしたんですか?」
映像を見続けていた頼人を不思議に思った天花が話しかけてきた。
「少し気になることがあって…」
「どの辺ですか?」
天花は頼人の隣にきて映像を見た。
「音声とか…」
天花は音声をまじまじと聞いた。
『……どういうことだ!?』
『…!?俺に…どうしろと?』
そこからは無言になってしまった。
「無言っていうことは音声が聞き取れないくらい小さな声で話したか」
「もしくは犯人の指示で話さなかったのかの2択ですね。監視カメラの近くで話していたのは恐らく
「もしかして黒須さんは内通者じゃないって言いたい感じですか?」
天花は頼人の言いたいことを予測して聞いてきた。
「まだ確証はつかめませんがね」
そう返した。
スマホのバイブレーションが動いてれ連絡が来たことに気付いた頼人は電話に出た。
「どうされました?警部補?」
『黒須の恋人がお前のことを呼んでいる。下に来てくれないか?』
「わかりました」
そう言われた頼人は下に降りた。
「あなたが黒須の彼女さんですか?」
「はい。黒須君が行方不明って聞いて」
その時頼人の脳内に電流が走った。あの連絡って…もしかして。
「もしかして、黒須とここ最近連絡取ってました?」
「ええ。取ってました」
同時刻ある場所にて
「まさかちゃんと来ちゃうなんて…」
「あんなこと言われたらきざるを得ないだろ!」
「そうねぇ、確かに
女は笑いながら拘束された義秋を見た。
「一体何でこんなことをするんだ!あんたが誰か知らねぇが先輩たちが絶対に見つける!今のうちに…」
「次、喋ったらあなたの頭をぶち抜こうかしら」
銃をこめかみに突きつけながらそう話した。義秋は黙らざるおえなかった。
そして、携帯を見ながらどこかに行った。
「ええ。あなたの言う通り拘束しましたよ」
『そう、ありがとう。しばらくは安泰かしらね』
「ま、気をつけなさいよ。あの男には」
あまり魔防隊組を出せてないのが心残り