お気に入り登録、感想、評価ありがとうございます。
なんといいますか、鋼くんが司波兄妹や魔法科世界に好き勝手言ってる拙作が沢山の人に読まれている事に大変驚いてますわ。
感想もありがとうございます、全て読ませて頂いてます。
休み中に町内会の草刈りで腰をピキッとやっちゃったので今回は短め。
※文章の調整中に一回間違えて投稿してました……混乱させてたら申し訳ないです。
「あぁ……帰りたい」
現在時刻は夜の10時過ぎ。
普段ならとっくに家でのんびりしている時間であるのにも関わらず、俺は車通りがほぼない道をバイクで走っていた。
司波兄妹との話し合いの日程が決まったら教えてとは言ったけど、まさかその日の内に今夜九重寺でやるよーって連絡が来るとは思ってなかったよ。
何が「ほら、鉄は熱いうちに打てというでしょ?」だ。下手に時間を与えると司波兄が「妹を悲しませたな、許せん」って動く可能性があっただけやろ。
裏路地でのゴタゴタの後で会社に行って連絡をしてきた社員から話を聞いたら、とびっきりの厄ネタだったから精神的にぐったりだというのに。
「社員さんの件は明日の朝一であの人に相談しよ。七と十に伝えると縄張り犯して揉めそうだから……どうしよっかなぁ」
原作知識的に自分にも関わって来るであろう問題だから本気で頭が痛くなるが、未熟とはいえ会社の長である俺を頼らないとどうにもならないと考えて相談してくれたのだ、無下には出来ない。
正直、九重さんから誘われてなかったら司波兄妹との和解だか相互理解より社員からの相談に集中したいのが本音である。
あの兄妹とは知り合いなだけなので、どうなろうが割とどうでも……どうでもはよくないか。マテバで世界中を脅してお兄様キングダムを建国されるとマジで面倒くさそうだわ。
原作が魔法師贔屓な内容なので描写されてなかったと思うけど、『シバ・ショック』とか名付けられたクソださネームの宣言後に間違いなく国内外で魔法師と非魔法師の衝突が起きたでしょ。
個人が戦術核と同等かそれ以上の規模の破壊行為が起こせます。でも、その人物を国は管理してません。一応本人に良識と常識はありますが、それを守るかどうかは不明です、注意はしてますが個人の判断に任せてますとか聞かされて正気を保てる奴のがおかしい。
諸外国がお兄様暗殺計画が幾つも立案して実行したのも納得である。お兄様の機嫌を損ねるだけで祖国が消える可能性があるんだもんな。
各国の政府は『シバ・ショック』をどう国民に説明したんだろうか……普通に考えたらどういう説明しても魔法師に対する弾圧が起きると思うのだけど。
魔法師より非魔法師の一般人のが人口は多いのだ、魔法ってモノに理解がない大多数の国民からすればお兄様を筆頭に魔法師は恐怖の対象にしかならんやろ。
魔法は使えるが魔法師ではないという微妙なラインのヒトたちを多数抱える会社の長をやっている身としては、出来ればそんな未来は来て欲しくないのだが、あの兄妹に関わった所で俺程度に矯正出来るとは思えないので悩ましい限りである。
「着いちゃった」
現実逃避しながらではあったが、速度を抑えた安全運転で走ってたら指定された時刻に大分余裕を持って九重寺に到着してしまった。
あまり気分は乗らないが着いてしまったモノは仕方ないので、邪魔にならない場所にバイクを置き、念の為盗難防止の機器を付けたら途中で諦めたくなる程度に長い石の階段を登って境内へと入る。
「これ結界ってヤツか?妙な違和感があったけど」
山門でいいのかな?某運命でNOUMINが据えられてた場所を越えた時に違和感を感じたけど、九重さんはニンジャで
「NOUMINで思い出したけど、アニメで観た柳洞寺もこんな感じの配置だっけ?山の上にある寺院だと土地の関係で似た感じにしかならないのかも知れないが」
山門があって、山門越えたら本堂まで真っ直ぐに石畳が敷かれている配置がテンプレだったりするのかね。
山の上にある寺院なんて前世含めても九重寺が初めて訪れたから良く知らないけどさ……食糧とか生活必需品を山の上まで運ぶの大変そうやな。弟子が気合い出すのかな?階段を荷物持って登り降りするだけで修行になりそうだし。
それか、参拝客に見つからないような位置に搬送用のレールとかが設置してあってトロッコ的なので麓から運んでるのか。
それ以前に、九重寺って地下に軍事基地並の実験施設みたいなのがあったはずだけど、施設を建造する時はどうやって資材や工事車両を山の上まで運んだんだろうか。
山の上にある秘密基地とか憧れるけど、建造から運用開始して保守点検まで考えると実際は大変そうだよね。
「で、いつまで隠れてるので?」
「意外に鋭いね鋼くん。気付かれるとは思ってなかったよ」
薄暗い場所からひょっこりと現れた九重さんの姿に思わず溜め息が出る。
九重さんの性格的に隠れてそうだなと思ったので半分くらいは当てずっぽうであったが、本当にいたよ。
「お招き頂きありがとうございます、でいいんですかね?今回みたいな場合も。まぁ、よろしくお願いいたします」
「うん、よく来てくれたね。達也くんたちはもう来ているから案内するよ」
指定された時間にはまだ余裕があったと思うのだけど、随分と早いご到着で。
「深雪くんからの言葉だけじゃ偏ると思ってね。2人には鋼くんより少し早く来てもらって、僕からちょっと説明をしたのさ」
こちらの疑問に先回りするように答えられた。ニンジャってのは心も読めるのか。
「やる気スイッチが入ってない時の鋼くんは何を考えているかわかりやすいだけだよ」
やっぱり読めてるじゃないですか、というかやる気スイッチって何よ。
本堂の横にある居住スペースを歩き九重さんに案内された部屋の襖を開けると、先程の言葉通り司波兄妹が座って待っていた。
兄の方は相変わらずの無表情だけど、ちょっと違和感があるな。気まずそうな雰囲気を出してる。
妹の方?こちらに向ける視線に隠しきれない敵意がバッチリ乗ってますね。この場を用意された意図を本当に把握してるのですかね。
テーブルを挟み司波兄妹の対面に腰を下ろし、九重さんは俺と兄妹のどちらの味方にもならない、あくまで中立って場所に腰を下ろした。
「さて、それじゃあ始めようか。お茶でもいるかい?」
「不味いお茶でも出してくれるのですか?」
普段よりもわざと軽くしているような雰囲気の九重さんに俺も冗談めかして返すと、一瞬だけど九重さんがキョトンとした顔を見せ苦笑した。
「君のそういう所は本当に不思議で仕方ないよ」
あぁ、うん。すまぬ、原作知識なんや。
司波兄妹が滅多に見せないであろう九重さんの表情に不思議そうな顔をしたけど、君らもそのうち会うんじゃないかな?推定元老院のじぃさんは四葉家のスポンサーだし。
「師匠。では、まず俺からいいですか?」
まず口火を切ったのは達也。
九重さんに断りを入れ、その場で立ち上がると……。
「すまなかった、鋼」
腰を折り、頭をしっかりと下げ俺に謝罪をした。
「お兄様っ!?」
これには俺もちょっとびっくり。深雪さんはもっと驚いているみたいって事は達也の独断か。
司波兄妹って仲良しではあるけど、意見の食い違いみたいのって結構あるよね。最終的に深雪さんが「お兄様は正しいので大丈夫」で思考停止してる気はするけど。
うぅん。謝罪を素直に受け入れてもいいんだけどさ、まぁ聞いてみようか。
「ソレは……何に対しての謝罪になるのかな、達也」
「師匠の言葉を無視して鋼を警戒し続けた事で、結果的に俺と深雪は鋼の実力を計る為だけに雫たちが危険な目に遭うのを許容してしまった。これについてはあの場に深雪がいた事を知らない雫たちに謝る事すら出来ないが、鋼には今までの事を含めて謝罪をしたい」
それだけ言うと達也はもう一度腰を折り頭を下げた。
確かに、達也と深雪さんが雫たちに謝罪する事すら出来ないってのはその通りだ。謝罪すればあの場にいたのに助けようとしなかったという事実をわざわざ雫たちに教えるようなものだしな。
しっかし、それを謝るのは達也じゃなくて深雪さんじゃないかね?達也の指示ってのがあったのかも知れないが、判断して実行したのは深雪さんでしょうに。
そう思っていると、達也は深雪さんに声をかけ、深雪さんも僅かに渋るような雰囲気はあったが達也と一緒に俺に頭を下げた。
渋ったような雰囲気だったのは本人にとって絶対の基準である兄が謝罪をしたって衝撃が抜け切れてなかったのかね?謝罪に気持ちがこもっているとかいないとかは俺はわからないが、少なくても所作は綺麗だったよ。
「謝罪は受け入れよう。が、まだ受け入れるだけだ」
謝罪しました、許しますが通用するのは道理を理解し切れていない幼子だけ。
ごめんで済んだら警察はいらんってヤツだね。
「この場に俺がいるのは九重さんの顔を立てたからだ。九重さんには九重さんの思惑があって俺と君らを引き合わせたのだろうけど、素直にその思惑に乗れない程度には俺も捻くれててね」
九重さんと背後にいるであろうじぃさんが何を企んでるのかは正確にはわからないが、最終的に2人の思惑通りになるであろう。
流石にハゲーズと俺では潜って来た修羅場の数が違い過ぎる。
前世込みでも生きて来た年数はあっちのが長いし、ちょっと転生したくらいの不思議な人生経験があるだけのガキが敵う相手ではない。
「だから、変に取り繕うのも面倒だから率直に聞くが」
さてさて、これについてどう答えてくれるかな。
大体予想は出来るけど、今後の司波兄妹との関係性の基準になるからね……藪を突つくしかないのが嫌だわ。
「君らが頑張って……うん。頑張って隠してるであろう事情ってヤツを、何処まで俺に明かせる?」
まぁ、とりあえず聞いてみますか。
鋼くんのバイクは特注品。
社員の1人の実家がバイク屋さんだったので、ダメ元で頼んでみたら家族が世話になってるから是非造らせて下さいと言われたので組んで貰った。
無茶を言った自覚はあったので、お金は相場より多めに払った。
各所に刻印型魔法陣が仕込まれており、仕込まれた魔法を全て発動しながらアクセルを全開にすると酷い事になる。
マシンスペックを見た社員が『ヅダ』って名前にしようと提案したが縁起が悪いので却下され、鋼くんの一存で『シュライク』という名前になった。
普段は会社に行く時だったり、キャンプに行く時に使っている。
ちゃんと2人乗りも可能。
まだ乗せた事はないが、最初に後ろに乗せる人は決めている。
感想・評価・お気に入り登録等があると作者が喜びますので、よろしければお願いします。