鋼は錬金術師   作:むつきばな

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前話の感想欄に眠りについたはずのボーダーたちがほぃほぃ現れたのは割と草でしたわ。

やっぱりS〇GAしか勝たん。これにはサトノ家のご令嬢もニッコリ。

いつか鋼くんにプランGをやらせるしかないですわ。



入学編らしいよ Ⅶ

 

学校が終わり、社員の1人から「至急、直接会って相談したい事が」と意味深なメッセージが入っていたので会社の方へ顔を出さねばと向かっていたら、何やら見たことのある顔した女子2人と見たことない顔の女子1人の3人組がコソコソと怪しい動きをしているのを発見。

 

アニメとか創作物の中でしか見ないようなへったくそな尾行モドキだけど、本当に何やってんだ?

 

尾行している相手は眼鏡かけた一校生で、年上らしい雰囲気を感じるから多分先輩なんだけど……尾行に気付いてるなあの先輩っぽい人。

 

何処かで後ろ暗い教育を受けてる感じもするな、何食わぬ顔で歩いてるけど段々と人気がない方へ誘導してるし。

 

「――あぁ、そういえばそんなイベントもあったなぁ」

 

今更ながら思い出した。これ劣等生じゃなくて優等生の方であったイベントか。

 

勧誘期間中にお兄様が襲撃されてる姿を偶然目撃しちゃって、深雪さんに伝えるとブリザードだから自分達で犯人を見つけよう、美少女探偵団の結成だ!みたいなの。

 

ということは、見たことのない顔の女子はエイミィかね?

 

素直にお兄様に直接相談するか、生徒会か風紀委員に通報しとけよ。襲撃されてる証拠がないから動いてもらえるか不安になるのはわかるけど、被害者であるお兄様からの証言もあれば生徒会も風紀委員も無下には扱わないでしょうに。

 

「まぁ、しゃーないか」

 

原作優等生だと深雪さんが危ない所を助けていたけど、割とギリギリのタイミングだったはずだから万が一ってのを考えると行くしかないか。

 

手持ちの装備を確認しつつ裏路地へと誘導されて行く3人組を追う。今日は普通に学校に行くだけの予定だったから大したモノは持って来てないんだよなぁ。

 

んー、今の手持ちだと対魔法師兵器(ハイパワーライフル)とかを持ち出されたら流石に対応は無理だけど、裏路地とはいえ街中でそんな物をぶっぱするとは思えないから……多分ダイジョブでしょ。

 

「っ!?」

 

一瞬だけ頭にピリッとした痛みが走る。以前とある場所で経験させて貰った事があるけどアンティナイトを使ったキャストジャミングっぽいな。

 

アンティナイトとかいう不思議鉱物から発生するのはキャストジャミングという無系統魔法の一種であるサイオンノイズ。サイオンノイズはサイオンに対して感受性を持つ魔法師が受けると頭痛などの症状を起こし魔法が簡単に使えなくなるので対魔法師用の軍事物質に指定されている。

 

現代の技術では製造も精製も出来ず、世界の一部地域からのみ発掘されるオーパーツの一種らしいが……この世界の古代文明は何の目的でアンティナイトを製造したんだか。

 

発掘されてる量からして、間違いなくアンティナイトが必要なナニカと戦争してただろ。

 

前世込みの生粋の男の子(ちゅうにびょう)としては、そういう不思議設定の不思議展開は大好物なので是非とも真実を探求して存分に妄想したいのだが、海外渡航制限とかもあって魔法師は考古学者に向いてないってのが悲しいね。

 

体質のせいもありCADが無くても発動できるサイオンの鎧を身体に纏わせ、制服のポケットからナックルダスターを取り出し右手に嵌め意識を切り替えると、キャストジャミングの発生源に向けて一気に駆け出す。

 

距離も離れているのでこの程度のサイオンノイズなら全く問題はないし。接触型術式解体とも呼ばれる分厚いサイオンの鎧を纏ってしまえば、アンティナイトが発生させるキャストジャミングは俺の身体まで届かないから行動に支障はない。

 

だが、キャストジャミングが使われたということはもう3人が襲われてるということになるので、とっとと現場に向かわないと3人が危ないかも知れない。

 

走っている最中に冷たい氷のような気配を感じたが……多分知っている相手ではありそうだけど、いまは気にしてる余裕などないので無視。

 

というか、先に現着してたなら対処しろや。お前の友達+1だろうが。

 

建物の角を曲がるとフルフェイスのヘルメットを被りライダースジャケットを着た体格的に男と思われる不審者スタイルが4人と頭を抱えて座り込んだ美少女探偵団の姿が目に入る。

 

不審者のうち1人が雫に向けナイフを振りかざしたので、そのまま脚に力を込めて、雫と男の間へ飛び込む。

 

「オッサンなのかお兄さんなのかは知らないけど、女子高生(JK)に刃物持って襲い掛かるってのはよろしくないかなっ!!」

 

雫に向かって振り下ろされたナイフをナックルダスターを嵌めた右手で砕くと、身体を回して胴体に蹴りを入れる。

 

特注した軽さと硬さを求めた合金が仕込まれた靴のつま先が胴体にめり込み、ライダースジャケット越しに骨を幾つか砕く嫌な感覚が伝わって来たが、無視して次の男へ向かう。

 

残った3人は突然現れ仲間の1人を一瞬で無効化した俺の登場に慌てている様子なので、対処が楽になるから出来ればそのまま慌てて欲しい。

 

「な、何だおまゴハッ!」

 

何か言いかけた男の頭を真正面からぶん殴る。ナックルダスターがフルフェイスのヘルメットの前面に亀裂を入れたが中身までは殴れなかったので、殴った勢いのまま後頭部から地面へ叩き込む。

 

残った2人のうち片方が俺も魔法師だと判断したのか慌ててアンティナイトの出力を上げようと腕を前に出したのが見えので、ソイツは無視してもう片方の懐へ潜り込み、右手で腹パンを決め腕を掴むとアンティナイトを使おうとしていた男に投げ捨てる。

 

投げられた男とぶつかり重なって倒れた男たちの頭に蹴りを入れて意識を落とす。最初に蹴りを入れた奴と地面に叩き込んだ奴も気絶している事を確認して、周囲に増援とか伏兵の気配がなさそうだと判断すると、大きく息を吸ってゆっくりと吐く。

 

相変わらず冷たい気配を漂わせているのが隠れてるが、まぁいいや。

 

しっかし、転生してから何度もやったことではあるが……ヒトを相手にするの本当に疲れるし嫌だわ。

 

さてさて、間に合ったとは思うけど雫たちは怪我はとかしてないかな?

 

「魔法が使えなきゃ所詮は無力な女の子なんだから、魔法が使えば何とかなるって慢心せず自分から危ないことには首を突っ込むなって雫には昔言ったはずだけど……何はともあれ、3人とも怪我はしてない?」

 

これが薄い本だったら3人とも連れ去られて薄い本が厚く(熱く)なるような展開になっていだろうけど、魔法師排斥を叫ぶ連中にとっては美少女でも魔法師だと排除優先だったのはある意味で徹底してるよね。

 

俺の問いかけにまだ頭痛が引かないような様子を見せていたが、3人とも怪我はなさそうで良かったよ。

 

「鋼、どうしてここに?」

 

「会社に向かう途中で下手くそな尾行してる雫たちの姿が見えたから。あからさまに人気のない方へ誘導されてたから何かあるのかなって思ったら……まぁ、案の定って感じかな」

 

ナックルダスターを外し不審者たちを引きずって並べると、CADを取り出しライダースジャケットを魔法でくっつけて意識を取り戻しても即座に動けないように簡単な拘束をしておく。

 

こいつらが普通にズボンとか履いてたらベルトで拘束したり、膝ぐらいまで中途半端にズボンを脱がせるだけで良かったのに、面倒で苦手な部類の魔法を使わせおって。

 

「警察への通報とかはこっちでしとくから、甘い物や美味しい物でも食べてから帰りなよ。こういう暴力とか命の危険ってのがトラウマになられても嫌だし、怖い事は楽しかった記憶で上書きしとくといいよ」

 

適当に3人の相手をしてから日常へと送り返す。

 

最後の方は笑顔も見せてたし、きちんと自分たちに起きた事も理解して何でこうなった説明してくれた上で感謝の言葉もあったから、とりあえずは大丈夫そうかな?

 

推定エイミィの顔が若干赤かった気もするが、恐怖心から涙も出てた訳だし、すぐに顔色も落ち着くでしょ。

 

まぁ、こういうのは時間が経ってからのが生き残れた実感とか死にそうになった恐怖とかをより感じるだろうからトラウマになるかは正直わからんけどさ。

 

魔法師として生きるなら命の危険なんて幾らでもあるし、この程度で潰れるようなら魔法師としては向いてないってことだから、魔法師として頑張るなら是非とも乗り越えて欲しいね。

 

「それで……何処の誰だか知らないけど、いつまでソコから見てるつもりなので?」

 

3人の姿が見えなくなった辺りで物陰からこちらに視線を寄越している人物に声を投げる。

 

気配も感じたし、原作通りなら多分深雪さんがいるはずなんだが……うわぁ、本当にいたよ。

 

CAD片手に物陰から出て来たのは、何故か警戒心マックスな状態の深雪さん。

 

何で俺を警戒してるのかは知らないけど、そっちがその気ならこちらも容赦はしないよ?俺より先に此処にいたのに雫たちを助けなかった事は、ちょっと俺もオコなのよ。

 

家の事情で知られたくない事があるのは理解出来なくもないが、正直そんなのは知った事ではない。

 

当主より四葉家との繋がりを隠すように言われている割に、反抗するかのように隠す気が薄くやたら目立っているのが司波兄妹の現状である。

 

なのに……今回は俺への警戒からか家の事情と友人の危機を秤にかけ、家の事情に傾けたのだ。

 

なら、いまの司波深雪は十三束鋼とっては敵である。

 

「へぇ、誰かが覗いているのは気付いていたが……君か、司波深雪」

 

ある意味いい機会だ、この際だから言いたいことは全部言っちゃえ。

 

「答えろ、優等生。事態(こと)が終わってから悠々とご登場とは、何が目的だ?」

 

俺のストレス解消の八つ当たりに付き合え。拒否権は行使させないぞ。

 

四葉という特級の地雷を隠す気がまるでないのに、自分達が怪しくても事情を探るな。探るような仕草をすれば不機嫌になって威嚇をする。

 

でも、自分たちは容赦なく君等の事を無遠慮に探りますねっていう態度と言動を続ける君等兄妹には、心底ストレスが溜まるのよ。

 

何回兄に眼で視られたと思ってんだ?まさか眼で視られるのを感知出来るとは思ってなかったけど、アレってプライバシーの侵害だからな。

 

他にも学校ですれ違った時とかに微妙に警戒した視線を向けられるし。

 

自称世俗を捨てたハゲが独り暮らししてる俺の家を探りに来た事もあったな。本当に、どんだけ俺を警戒してんだ君ら。

 

ハゲはハゲで俺とは知り合いだって事を司波兄妹に言っとけよ。

 

推定元老院のじぃさんの件はあるけど、他は別にお互い口止めしとかなきゃいけない理由とか事情はないでしょうに。

 

学校から帰って来たらテーブルの上に「ごめんね。頼まれちゃったから一応やっておかないといけなくてさ」って書かれた紙と菓子折りがお詫び代わりに置いてあったの結構ビビったんだぞ。

 

本当にさぁ。

 

そろそろ、いい加減にして欲しいのですわ。

 

 

 





ちょっとオコとか言ってるけど、実は鋼くん結構オコだったりする。

鋼くんは典型的なツンデレ猫タイプなので、仲良くなるまでは長いけど仲良くなったらすごく相手を大切にする。
男のツンデレに需要はないが、鋼は見た目男の娘なのでセーフ()。

今回は(昔からの知り合いで割と仲が良い)雫が被害者にいたので、こうなった。


あと、ハゲ(エセ坊主)とはハゲ(推定元老院)に紹介された事があり知り合い同士。

弟子とかではなく、どこぞの御曹司のように調べ物を頼んだりもしたことはない。

キャンプ中に遭遇したら組手の相手をお願いしてる。組手のお礼は肉や酒など、坊主に渡す物ではないがハゲ(エセ坊主)は喜んで受け取ってる。

あとは国益や近隣の治安を守る為に多少の協力関係でいるくらい。



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