ホロウの中で人のGO!を咎めるおじさん 作:究極の出来損ない
そして宗主様の人物像捏造。だがあながちこういう思い持った人だったのではという気持ちも拭い切れない。
よく考えてみてくれ。生まれながらに戦う事を運命づけられた命とは、なんと愚かで愛おしいモノではないかね?それでもと立ち上がる様は、なんとも心を震わせてくれるものだ。
私の心には何時だって、子どもの頃のヒーローがいてくれるよ。君たちはどうだい?
―――――宗主殿の号令の元、各自解散となって大修験とやらが始まるまでの時間に私は、宗主殿と先程の部屋に戻り、会話の続きをする運びとなった。
お弟子さん達や、姉妹は軽く私・・・正確には、宗主殿にだろうが頭を下げて離れて行った。
尚、儀玄はよく意味が分かってないらしく、不思議そうな顔で頭を下げてから雛鳥の様に姉の後ろを付いていった。
「さて、腹も満ちた事じゃ。話の続きといこうかのう?」
「・・・どういう手段をとられるので?」
「うむ、まずはじゃが昨今のホロウ対策についての件、軍ではどうなっておる?」
「私の方では、大規模なホロウ拡大に伴う戦力の補充という名目で、徴兵も視野に入れるべきかと議論は上がっていたようですが・・・結果は大規模募集のみでしたね」
実際問題、私自身が秘匿されるべき存在だが、一般部隊と鉢合わせない可能性が多少あるとの事で幾らか防衛軍全体の指針を、データログやニュースで追わされていたし、追ってもいた。
原作の時間軸からどれだけずれているかの確認も兼ねてだったが、結果的に色々と助かっている。
まさか自分が大分過去の方に生まれ直すとは思わなかったが、想い描いた通りにはいかない。これもまた人生か・・・。
「そうじゃ。結局の所徴兵という最終手段は採られんかった。代わりに・・・」
「ここや、独自の自衛戦力を持つ企業、組織に有事の際には協力しろとの通知が来ましたか?」
「その通りじゃ。して、我等は気取る訳でもないが武門としても一大派閥。協力という名の徴兵は免れぬじゃろう」
眼光鋭く、苦々しげに呟きながら髭を擦る宗主殿に、私は思わず閉口する。
「そして、お主を軍からの連絡要員兼弟子にしようと思っておる」
「それは・・・、弟子になるつもりは残念ながら私にはありませんよ?第一に、私はエーテルを感知出来ても操る術がありません。それに、戻ってやることがあります」
弟子になりたいかと言われれば申し訳ないが、否だ。この1年散々テストという名の無茶ぶりをやってきたから言えるのだが、私はエーテルに絶対的な浸食耐性というか無効化?があるので気にしてなかったが、代わりに他の人間の様に干渉する事もされる事もない。空間の様になってしまっていれば流石に飲み込まれたり、侵入する事は出来るが・・・私からエーテルを操作する場合はサイコパワーで干渉しているので、この世界の術法とは根本的に発動プロセスが違う。
解りやすく言うなら、彼らがエーテルの流れを操り、従わせるのに対して、私の場合はサイコパワーという圧倒的な出力の巨大な手で、霧散してるエーテル粒子をかき集めて、強引にぶん回してイイ感じに使ってるに過ぎない。ファンネルの操作だって言ってしまえば、究極的には思った軌道の通りに動いてくれているだけだ。
そも、これが私の力の『正しい使い方』の様な気もしない。何と言うかしっくりは来ないのだ。何かに阻まれている感覚は漠然と感じている。
―――――この力はきっと、想像より遥かに危険で破滅的なものだと考えている。
他に手段無いから使うんですがね。俺独りがウイングガンダムの如く自爆するなら使うよなぁ?当たり前だよなぁ?いや、クルーゼ名乗ってるから、イージスかジャスティスの方が良かったかな?
とまぁ、危機感と言うかそこら辺は割と考えているが、そもそも私は気質的にも単独行動をないし、少数での行動を好むし、どうせ暴力を振るわざるを得ない環境ならせめて、自分の気持ちを押し殺してまで奉公など御免被る。
取って付けた様な理由だが、隊のボンプも心配だし、設計図に引いたままのMSを完成させて私の戦闘力を引き上げなければならない。
私の隷下の小隊を指揮する構想もあるが、まずは原典と違ってかなりダウンサイジングしているが、パワードスーツ型のMSの設計図はもう出来ているのだ。機体の心臓部になるリアクターもこの世界において再現してはならない核融合炉や、出来る訳ない太陽炉等は除外して、この世界にふさわしいと自負するリアクターの基礎理論ももう完成しているのだ。
・・・実証試験とか一切してないけど。
「じゃが、そうなれば大禍なくお主の身柄が守られるんじゃぞ。何故、他者の手をそこまで拒もうとする?何か理由があるのかね?」
「ならハッキリと言わせていただきますが、何をもって他者を信じろと?生まれは欲望から、育ちは暴力渦巻く世に解き放たれ、自己の命すら握られて何を信じろと?」
少々意地が悪いが、そう宗主殿に突き返して一瞬息が詰まった様に驚愕に目を見開いた宗主殿から目を逸らす。
今のはクルーゼ仕草が過ぎるかもしれないが、本心である事も大分に含まれるので、謝るつもりも弁解する気も起きなかった。
ハッキリと今でも自分の死に様も覚えているし、喚き散らしながら納得もしたがこの続いてしまった生については些かも納得していなかった。状況故に戦い、傷つき、罪なき市民を守る為にと武器を握った気持ちもあって流されてきたが―――――
―――――何故、俺なのか。戦って苦しむ事が俺に対する罰とでも言うのか知らないが、死人が生まれ変わってでも起こされるのは目的があってとかそんな事どうだって良い。
お別れを言ったならそのまま眠っていたかった。ただ、それだけなんだ・・・。
◇◇◇◇
(この子は、他者に希望を持っておらぬのか・・・!)
宗主として幾年過ごしたかは数えるのも億劫になる程の時が過ぎたが、未だかつてこれまで他者との繋がりを拒む者を相手に話すのは、宗主としても初めての事であった。詳しい背景は聞けず終いだが、宗主を見つめたレガリアの逆十字の瞳からは、深い諦観と癒えぬ心の傷を抱えた者独特の濁った眼光を覗かせていた。
焼けた左頬が痛むのか、うっすらと右の口角だけを上げて皮肉気な笑みを数秒浮かべた後、興味がないかの様に視線を外して自分の掌を見やるこの若者に、なんと声を掛けてやれば良いのか宗主は悩んだ。
助けたいと思う心は本当、真実である。これは伝えたし、強引ながら他者との触れ合いを通してどう動くか観察してみても、本人の気質は極めて善良であるのは短時間ながら見て取れた。
多少他者との触れ合いを遠慮がちになる行動は見えていたが、ここまで根が深いとは宗主自体も予想がついていなかった。
儀降と儀玄への態度から、幼子に対する態度は柔らかく、庇護する者のそれではあったのだがそれも一面にしか過ぎなかったというのか。
今彼の纏う雰囲気は、傷ついた獣のソレより更に刺々しい。誰にも触れられたくない。放っておいて欲しいという雰囲気が部屋中に満ち満ちていた。
他者からの言葉は受け取るが、一定のラインからは踏み込ませないし、自分から踏み込もうともしない。そんな態度がまざまざと見せられていた。
他人に興味がないのではない。もう既に期待する事も、縋りつく事もやめた人のソレであった。
「そもそも、なぜ私にこれほど手を貸そうとするのですか?私は市民権もない。戦い続けて、データを取り終えたら廃棄される事が決まった生体デバイスですよ?今更、それ以外の生き方をしろとでも?冗談じゃない。戦うのを選んだのは私だ。なら死ぬ最期まで足掻くと決めたのも私だ。私の選んだ数少ない判断すら取り上げられるなど、冗談ではないっ!」
苦し気に歪めた眉間と、怒りで吠える様に開かれた口から語気荒く自らの役目を吐き出していく。淀んだ瞳から、怒りと悲しみ、そして憎悪を感じる。放つ一言一言が、怒りの弾丸となって他者の感情を抉る悲痛さを伴い、宗主の胸を貫いた。
―――――だからこそ、宗主は哀れむ気持ちとこの子を一人には出来ないという強い義憤を抑えきれずに、彼の肩に再度手を置き、心の底からの紡がれた思いを伝える事を選んだ。
◇◇◇◇
っべぇ。ここまで色々吐き出すつもりなかったのに、気づいたらセルフ闇に墜ちろしてたぜ。途中から、クルーゼ節というより、シャアっぽくなってた気がするが、冗談ではないっ!私は今生はクルーゼの様に、感情まき散らしてアキラやリンの前で笑顔で死ぬという最終目標があるのだ!サイコウェーブの不調から、感情に振り回されている感が拭えないが、何を弱気になっているのだ私はっ!
男が一度決めた目標をコロコロ変えるのはすごーくかっこ悪いのだ。なれば、やはり、最終目標を胸に強く生きねばっ!
―――――とか現実逃避していたが、熱い瞳でこちらを見る宗主殿に視線を合わせて、思わずへらりと笑う。
やっちまいましたなぁ???
「いいかね。クルーゼ君、確かに生まれというものは、自己の確立に強く影響する。だが、君のその善性は生まれ育ち、君が育んで来たものではないかね?儂の想像もつかないヒトの闇に曝されてきたじゃろう。折れてしまえばどれほど楽じゃったろうか」
宗主殿、買い被り過ぎです。私、前世の価値観持ってただけなので暴虐の限り尽くすのは抵抗があっただけなのでぇ・・・
「それでも。今日、この日まで生きてきたのはクルーゼ君の中で、数少ないながらも善き人達とも出会って来た筈じゃ」
隊のボンプと、備品保管記録者とあなた方ぐらいですかねぇ。後は吐き気催す位な下劣で品性のねぇゴミカスの汚職馬鹿と、汚ぇ讃頌会とホロウレイダーばっかりでしたよ。思わず前世にプレイしてたゲームの、きたねぇスカベンジャー共と同列扱いにしてましたよ。
つまりは殺してもなーんも罪悪感無し。物資くれるから、何なら喜んでシバキ回してました。
「その善き人達との出会いや、触れ合いがクルーゼ君を此処まで導いて来たのじゃ。故に―――――」
すみません。もうおなかいっぱいなんで、もう分りましたから・・・あ、これ終わらないパターンですね。
なんかスイッチ入れてしまった感。まぁ、感情に振り回された私が悪いかぁ・・・。
きたねぇスカベンジャー共の正体・・・・・・EFTのSCAV
後からワラワラ湧きやがってあの浮浪者共めぇ・・・!
さて、簡潔ながらヤスオ、リーシンモデルになってた場合のIFはいつか合間に書きますのでしばしお待ちを。
次からは流石に少し強引にストーリー動かすので、違和感多めになるかもねー。