ONE PIECE 〜船大工レイン〜   作:ペンギンって可愛いですよね

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第百二十二話「東の海へ」

 

海軍本部へ滞在してから数日、ついに帰還の日がやってきた。

 

レインたちは朝早くから荷物をまとめ、港へ向かっていた。

 

ルークが大きく伸びをする。

 

「長かったような、短かったようなですね」

 

「そうだな」

 

レインも頷く。

 

海軍本部へ来る前は少し緊張していた。

 

しかし終わってみれば、想像以上に充実した日々だった。

 

コング。

 

センゴク。

 

おつる。

 

ガープ。

 

ゼファー。

 

そしてクザンたち。

 

普通なら一生会うこともないような人物ばかりである。

 

「勉強になりましたね」

 

父も感慨深そうだった。

 

「海軍も思ったより悪くなかったな」

 

「ガープさん以外はですね」

 

ルークが真顔で言う。

 

「それは否定できない」

 

レインも即答した。

 

そんな話をしながら港へ到着する。

 

そして、三人は足を止めた。

 

「……あれ?」

 

ルークが目を瞬かせる。

 

港に人がいた。

 

しかも予想以上に。

 

まず目に入ったのはセンゴクだった。

 

その隣にはおつる。

 

さらに少し離れた場所にはゼファーもいる。

 

レインは驚いた。

 

「皆さん……」

 

その時、

 

「おう」

 

センゴクが笑った。

 

「見送りだ」

 

「見送りですか?」

 

「何だ、不満か?」

 

「いえ」

 

レインは慌てて首を振る。

 

不満どころではない。

 

むしろ恐縮してしまう。

 

海軍大将。

 

中将。

 

そしてゼファー。

 

そんな面々が港に並んでいるのだ。

 

すると後ろから声が聞こえた。

 

「お疲れっす」

 

振り返る。

 

クザンだった。

 

その隣にはサカズキ。

 

さらにボルサリーノもいる。

 

レインは思わず笑った。

 

「皆さんも来てくれたんですか」

 

「たまたまっす」

 

クザンが言う。

 

どう見ても嘘だった。

 

サカズキも腕を組んだまま頷く。

 

「世話になったからな」

 

短い言葉だった。

 

だが彼らしい。

 

ボルサリーノはいつも通りだった。

 

「怖いねぇ〜」

 

「見送りにこんな人数集まるなんて」

 

「人気者だねぇ〜」

 

レインは苦笑した。

 

するとゼファーが近付いてくる。

 

「レイン君」

 

「はい」

 

「鍛錬は続けろ」

 

短い言葉だった。

 

しかし重みがある。

 

レインは真剣に頷いた。

 

「はい」

 

「次に会う時は、もう少し強くなっておきます」

 

ゼファーは満足そうに笑った。

 

その横でサカズキが口を開く。

 

「次に会う時は、もっと強くなっておけ」

 

「昨日のままでは話にならん」

 

相変わらず厳しい。

 

だが期待も感じる。

 

レインは笑った。

 

「頑張ります」

 

クザンも片手を上げる。

 

「また会いましょう」

 

「今度は俺も覇気を使えるようになってると思うっす」

 

「楽しみにしています」

 

二人は笑った。

 

ボルサリーノもゆっくり近付いてくる。

 

「またねぇ〜」

 

「空飛ぶ船が出来たら見せてよぉ〜」

 

レインは少し驚いた。

 

覚えていたらしい。

 

「完成したら考えておきます」

 

「怖いねぇ〜」

 

相変わらずだった。

 

そこへおつるがやってくる。

 

「レイン君」

 

「はい」

 

「身体には気を付けなさい」

 

「あなたは少し無茶をしそうだからね」

 

レインは苦笑した。

 

何となく反論できない。

 

「気を付けます」

 

「本当かしら」

 

おつるは微笑んだ。

 

その横でセンゴクも頷く。

 

「また来い」

 

「海軍本部はいつでも歓迎する」

 

レインは少し嬉しかった。

 

初めて来た場所だった。

 

だが不思議と居心地は悪くなかった。

 

「ありがとうございます」

 

その時だった。

 

遠くから聞き慣れた声が響く。

 

「待たんかーーー!!」

 

全員が空を見上げた。

 

嫌な予感しかしない。

 

そして案の定だった。

 

ドォォォン!!

 

港へ着地する巨大な影。

 

ガープだった。

 

「間に合ったぞ!」

 

息を切らしながら笑っている。

 

どうやら全力で走ってきたらしい。

 

センゴクが頭を抱える。

 

「普通に来い!」

 

「急いでおったんじゃ!」

 

「だから普通に来い!」

 

いつものやり取りだった。

 

レインたちは苦笑する。

 

やはり最後もこの人だった。

 

ガープはレインの前まで来る。

 

そして豪快に笑った。

 

「レイン!」

 

「何ですか?」

 

「海軍に入りたくなったら来い!」

 

やはりそれだった。

 

レインは呆れながら笑う。

 

そして船へ乗り込んだ。

 

ロープが外される。

 

船がゆっくりと港を離れ始める。

 

ガープが大声で叫んだ。

 

「待っとるぞーーー!!」

 

レインも負けじと叫び返す。

 

「入りませんーーー!!」

 

一瞬。

 

港が静まり返った。

 

そして、

 

ドッ!!

 

海兵たちの笑い声が響く。

 

センゴクが吹き出した。

 

おつるも笑っている。

 

クザンは腹を抱えていた。

 

サカズキですら口元が少し緩んでいる。

 

ボルサリーノはいつもの調子で、

 

「怖いねぇ〜」

 

と呟いていた。

 

ガープだけが本気で悔しそうだった。

 

船はゆっくりと海軍本部から離れていく。

 

レインは甲板からその光景を眺めていた。

 

世界は広い。

 

強者もいる。

 

天才もいる。

 

尊敬できる人もいる。

 

今回の旅でそれを知った。

 

だが、負けるつもりはない。

 

レインは海軍本部を見つめながら小さく笑った。

 

「さて」

 

「帰ったら忙しくなりそうだな」

 

ルークも笑う。

 

「ですね」

 

父も頷いた。

 

東の海。

 

レイン商会。

 

自分たちの場所が待っている。

 

こうして、レインたちの海軍本部への旅は幕を閉じた。

 

しかし、彼らはまだ知らない。

 

帰った先で、とんでもない出来事が待っていることを。

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