ONE PIECE 〜船大工レイン〜 作:ペンギンって可愛いですよね
翌朝。
レインはいつもより早く目を覚ました。
窓から差し込む朝日を眺めながら、大きく伸びをする。
隣の部屋からは既に騒がしい声が聞こえていた。
「ガハハハハ!」
ロジャーだった。
朝から元気である。
「船長、少しは静かにしてください」
「朝から騒ぐな」
レイリーとギャバンの声も聞こえる。
どうやら既に起きているらしい。
レインは苦笑しながら着替えを済ませた。
居間へ向かうと、父と母が朝食の準備をしていた。
ロジャー達は既に席についている。
おでんに至っては朝から山盛りの飯を食べていた。
「おはようございます」
「おう!」
ロジャーが笑う。
「よく寝れたか?」
「寝れましたよ」
「それは良かった!」
相変わらず豪快だった。
そんな朝食が終わった頃。
父が立ち上がる。
「そろそろ長老の所へ行ってきます」
レインも立ち上がった。
「俺も行く」
父は頷く。
二人は家を出た。
村の中心部。
長老の家へ向かう。
途中、何人もの島民に声を掛けられた。
「レイン!」
「本当にロジャー海賊団なのか!?」
「何しに来たんだ!?」
質問攻めだった。
レインは苦笑するしかない。
しばらくして長老の家へ到着する。
父が扉を叩いた。
「長老」
「おお、来たか」
中から聞こえる穏やかな声。
しばらくすると長老が姿を現した。
だが、レインと父の真剣な表情を見ると、すぐに異変を察した。
「何かあったのか?」
父は周囲を確認した。
誰もいない。
それを確認してから口を開く。
「大事な話があります」
長老の表情が引き締まる。
三人は家の中へ入った。
部屋の空気は重かった。
長老も何かを感じ取っている。
父は静かに語り始めた。
ヴェルク家に代々伝わる秘密。
地下に眠る巨大な石。
何百年も守られてきた使命。
そして、ポーネグリフ。
全てを話した。
長老は黙って聞いていた。
途中で口を挟むこともない。
ただ静かに聞き続ける。
やがて話が終わる。
部屋には沈黙が流れた。
長老は目を閉じる。
そして数分後。
深く息を吐いた。
「そうか……」
それだけだった。
怒りもない。
責める言葉もない。
ただ重い現実を受け止めているようだった。
「儂も知らなかったな」
長老は苦笑する。
「申し訳ありません」
父が頭を下げた。
だが長老は首を振る。
「謝る必要はない」
「むしろよく守り続けた」
その言葉に父も少し肩の力を抜いた。
長老は今度はレインを見る。
「お前も知っていたのか」
「はい」
「いつからじゃ?」
「子供の頃です」
長老は頷く。
そして少し笑った。
「立派になったな」
レインは少し照れ臭くなる。
長老は昔から知っている。
工房を作ると言い出した時も。
飛行機を作ると言い出した時も。
全部見てきた。
だからこそ今の言葉は重かった。
しばらくして、長老が静かに尋ねる。
「ロジャー海賊団は何のために来た」
父が答える。
「ポーネグリフです」
「読める者がいるそうです」
長老の目が見開かれる。
「読める……?」
「光月おでんという侍です」
再び沈黙。
長老は窓の外を見た。
青空が広がっている。
そして静かに笑った。
「時代が動いておるな」
誰に向けた言葉でもなかった。
長老はゆっくり立ち上がる。
そして二人を見る。
「案内しよう」
父とレインが目を見開いた。
長老は続ける。
「儂は知らなかった」
「だが、この島の長老として見届ける責任がある」
「それに――」
少しだけ笑う。
「海賊王候補が来ておるのだろう?」
「なら儂も見てみたい」
レインと思わず顔を見合わせた。
そして苦笑する。
どうやら長老も好奇心は人並み以上らしい。
こうして、長年眠り続けていた秘密へ向かう準備が整った。
翌日。
ロジャー。
レイリー。
ギャバン。
おでん。
レイン。
父。
長老。
彼らはついに地下へ降りることになる。
歴史の扉が開かれる日は、もう目前だった。