ONE PIECE 〜船大工レイン〜   作:ペンギンって可愛いですよね

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第百九十九話「受け継がれる秘密」

 

翌朝。

 

レインはいつもより早く目を覚ました。

 

窓から差し込む朝日を眺めながら、大きく伸びをする。

 

隣の部屋からは既に騒がしい声が聞こえていた。

 

「ガハハハハ!」

 

ロジャーだった。

 

朝から元気である。

 

「船長、少しは静かにしてください」

 

「朝から騒ぐな」

 

レイリーとギャバンの声も聞こえる。

 

どうやら既に起きているらしい。

 

レインは苦笑しながら着替えを済ませた。

 

居間へ向かうと、父と母が朝食の準備をしていた。

 

ロジャー達は既に席についている。

 

おでんに至っては朝から山盛りの飯を食べていた。

 

「おはようございます」

 

「おう!」

 

ロジャーが笑う。

 

「よく寝れたか?」

 

「寝れましたよ」

 

「それは良かった!」

 

相変わらず豪快だった。

 

そんな朝食が終わった頃。

 

父が立ち上がる。

 

「そろそろ長老の所へ行ってきます」

 

レインも立ち上がった。

 

「俺も行く」

 

父は頷く。

 

二人は家を出た。

 

村の中心部。

 

長老の家へ向かう。

 

途中、何人もの島民に声を掛けられた。

 

「レイン!」

 

「本当にロジャー海賊団なのか!?」

 

「何しに来たんだ!?」

 

質問攻めだった。

 

レインは苦笑するしかない。

 

しばらくして長老の家へ到着する。

 

父が扉を叩いた。

 

「長老」

 

「おお、来たか」

 

中から聞こえる穏やかな声。

 

しばらくすると長老が姿を現した。

 

だが、レインと父の真剣な表情を見ると、すぐに異変を察した。

 

「何かあったのか?」

 

父は周囲を確認した。

 

誰もいない。

 

それを確認してから口を開く。

 

「大事な話があります」

 

長老の表情が引き締まる。

 

三人は家の中へ入った。

 

部屋の空気は重かった。

 

長老も何かを感じ取っている。

 

父は静かに語り始めた。

 

ヴェルク家に代々伝わる秘密。

 

地下に眠る巨大な石。

 

何百年も守られてきた使命。

 

そして、ポーネグリフ。

 

全てを話した。

 

長老は黙って聞いていた。

 

途中で口を挟むこともない。

 

ただ静かに聞き続ける。

 

やがて話が終わる。

 

部屋には沈黙が流れた。

 

長老は目を閉じる。

 

そして数分後。

 

深く息を吐いた。

 

「そうか……」

 

それだけだった。

 

怒りもない。

 

責める言葉もない。

 

ただ重い現実を受け止めているようだった。

 

「儂も知らなかったな」

 

長老は苦笑する。

 

「申し訳ありません」

 

父が頭を下げた。

 

だが長老は首を振る。

 

「謝る必要はない」

 

「むしろよく守り続けた」

 

その言葉に父も少し肩の力を抜いた。

 

長老は今度はレインを見る。

 

「お前も知っていたのか」

 

「はい」

 

「いつからじゃ?」

 

「子供の頃です」

 

長老は頷く。

 

そして少し笑った。

 

「立派になったな」

 

レインは少し照れ臭くなる。

 

長老は昔から知っている。

 

工房を作ると言い出した時も。

 

飛行機を作ると言い出した時も。

 

全部見てきた。

 

だからこそ今の言葉は重かった。

 

しばらくして、長老が静かに尋ねる。

 

「ロジャー海賊団は何のために来た」

 

父が答える。

 

「ポーネグリフです」

 

「読める者がいるそうです」

 

長老の目が見開かれる。

 

「読める……?」

 

「光月おでんという侍です」

 

再び沈黙。

 

長老は窓の外を見た。

 

青空が広がっている。

 

そして静かに笑った。

 

「時代が動いておるな」

 

誰に向けた言葉でもなかった。

 

長老はゆっくり立ち上がる。

 

そして二人を見る。

 

「案内しよう」

 

父とレインが目を見開いた。

 

長老は続ける。

 

「儂は知らなかった」

 

「だが、この島の長老として見届ける責任がある」

 

「それに――」

 

少しだけ笑う。

 

「海賊王候補が来ておるのだろう?」

 

「なら儂も見てみたい」

 

レインと思わず顔を見合わせた。

 

そして苦笑する。

 

どうやら長老も好奇心は人並み以上らしい。

 

こうして、長年眠り続けていた秘密へ向かう準備が整った。

 

翌日。

 

ロジャー。

 

レイリー。

 

ギャバン。

 

おでん。

 

レイン。

 

父。

 

長老。

 

彼らはついに地下へ降りることになる。

 

歴史の扉が開かれる日は、もう目前だった。

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