ONE PIECE 〜船大工レイン〜   作:ペンギンって可愛いですよね

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第二百二十二話「再び旅へ」

 

翌朝。

 

港にはオーロ・ジャクソン号が停泊していた。

 

空は快晴。

 

絶好の航海日和だった。

 

ロジャー海賊団の船員達は朝から慌ただしく動いている。

 

荷物の積み込みは終わっていた。

 

帆の確認も終わっている。

 

いつでも出航できる状態だった。

 

島民達も港へ集まっていた。

 

この十日余りですっかり仲良くなっていたため、別れを惜しむ者も多い。

 

「本当に帰っちまうのか?」

 

「寂しくなるな!」

 

「また来いよ!」

 

島民達が次々に声を掛ける。

 

ロジャーは豪快に笑った。

 

「ガハハハハ!」

 

「また来るかもしれんぞ!」

 

「いや来なくて良いですよ」

 

レインが即答した。

 

港に笑いが起こる。

 

「冷たいのう!」

 

「十日以上居座った海賊が言う台詞じゃないだろ」

 

「確かに」

 

レイリーまで頷いた。

 

ロジャーは納得していなかった。

 

そんな中、レインはロジャーの前へ歩いていく。

 

周囲も自然と静かになった。

 

昨日の診察。

 

そして血液採取。

 

レインは一晩ほとんど眠っていない。

 

ノートを何度も読み返していた。

 

それでも答えは出なかった。

 

ロジャーが笑う。

 

「何じゃ?」

 

レインは真っ直ぐロジャーを見る。

 

そして、

 

「必ず治療法を見つける」

 

静かな声だった。

 

だが、その言葉には強い意志が込められていた。

 

港が静まり返る。

 

ロジャーも笑みを消した。

 

レインは続ける。

 

「時間がどれだけ掛かるか分からない」

 

「見つからないかもしれない」

 

「でも探す」

 

「だから」

 

そこで一度言葉を切る。

 

「死ぬなよ」

 

ロジャーは数秒黙っていた。

 

そして、大きく笑った。

 

「ガハハハハハ!」

 

いつもの笑顔だった。

 

「難しい注文じゃな!」

 

「努力しろ」

 

「善処する!」

 

全く信用できなかった。

 

レイリーが苦笑する。

 

クロッカスも肩を竦める。

 

おでんなど腹を抱えて笑っていた。

 

だが、ロジャーは最後に真面目な顔になる。

 

「ありがとう」

 

その一言だけだった。

 

レインも頷く。

 

それ以上は言わなかった。

 

そして、いよいよ出航の時が来る。

 

「全員乗り込めー!」

 

レイリーの声が響く。

 

船員達が一斉に動き始めた。

 

シャンクスとバギーも乗船する。

 

だが、その前に、二人はレインの前へ来た。

 

「レイン!」

 

シャンクスが叫ぶ。

 

「何だ?」

 

「絶対また会おうな!」

 

レインは少し笑う。

 

「ああ」

 

するとバギーが腕を組む。

 

「その頃には俺の方が強くなってるからな!」

 

「無理だな」

 

「即答するな!」

 

最後まで変わらなかった。

 

シャンクスも笑う。

 

ルークも笑う。

 

そして二人は船へ戻っていった。

 

やがて、オーロ・ジャクソン号がゆっくり動き始める。

 

ロジャー海賊団が手を振る。

 

島民達も手を振り返す。

 

「元気でなー!」

 

「また来いよー!」

 

「今度は魚持ってこい!」

 

「酒もじゃー!」

 

賑やかな別れだった。

 

そして、船が小さくなっていく。

 

やがて水平線の向こうへ消えた。

 

港に静寂が訪れる。

 

島民達も少し寂しそうだった。

 

だが、それも長くは続かない。

 

「さて」

 

レインが口を開く。

 

ルークが振り返る。

 

「何ですか?」

 

「俺達も準備するぞ」

 

ルークは少し笑った。

 

そうだった、別れを惜しんでいる暇はない。

 

二人にも目的がある。

 

レインは空を見上げた。

 

ロジャー海賊団との再会。

 

空白の百年の真実。

 

ジョイボーイの日誌。

 

ロジャーの病。

 

この十日間で得たものはあまりにも大きかった。

 

だが、まだ終わりではない。

 

むしろ始まりだ。

 

「明日には島を出る」

 

ルークも頷く。

 

「そうですね」

 

「挨拶に行くか」

 

「はい」

 

まず向かったのはレインの家だった。

 

母は少し寂しそうだった。

 

「本当に行くの?」

 

「ああ」

 

「気を付けてね」

 

「分かってる」

 

父も静かに頷く。

 

もう反対はしない。

 

レインが決めたことだからだ。

 

その後、二人はルークの家へ向かう。

 

ルークの母は涙ぐんでいた。

 

父も複雑そうな顔をしている。

 

だが、二人とも誇らしそうだった。

 

息子が夢を追い掛けている。

 

それが分かるからだ。

 

夕方。

 

全ての挨拶を終えた二人は海を見ていた。

 

オレンジ色に染まる海。

 

その向こうには無数の島々がある。

 

まだ見ぬ世界。

 

まだ知らない仲間。

 

まだ解けない謎。

 

そして、最後の島。

 

レインは静かに呟いた。

 

「行くか」

 

ルークも笑う。

 

「はい」

 

こうして、二人の新たな旅立ちの日が近付いていた。

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