ONE PIECE 〜船大工レイン〜   作:ペンギンって可愛いですよね

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第二百二十九話「いよいよグランドラインへ」

 

無人島での試射を終えた後。

 

レインとルークは《雨神》へ戻っていた。

 

夕日が海を赤く染めている。

 

ルークは甲板で白鷹の手入れをしていた。

 

何度見ても美しい。

 

何度持っても手に馴染む。

 

人生初の銃。

 

それも世界に一丁だけの専用武器。

 

嬉しくない訳がなかった。

 

すると、船首にいたレインが振り返る。

 

「なあ」

 

「何ですか?」

 

ルークが顔を上げる。

 

レインは海図を閉じた。

 

そして、

 

「そろそろグランドライン入っても良いんじゃないか?」

 

ルークが固まる。

 

ついに来たか。

 

そんな顔だった。

 

レインは続ける。

 

「ローグタウンにも来た」

 

「うん」

 

「武器も完成した」

 

「うん」

 

「準備はほぼ終わっただろ」

 

それはそうだった。

 

雨神を作った本来の目的。

 

グランドラインへ入ること。

 

そのために旅をしてきたのだ。

 

だが、ルークは少し複雑そうだった。

 

「まあ……そうなんですけど」

 

レインは苦笑する。

 

何を考えているか大体分かった。

 

「まだ不安か?」

 

「少し」

 

正直だった。

 

グランドライン。

 

魔の海。

 

強者が集まる海。

 

海王類。

 

異常気象。

 

海賊。

 

能力者。

 

危険しか聞かない。

 

だが、レインは首を傾げた。

 

「むしろ逆だろ」

 

「逆?」

 

「ああ」

 

レインは当たり前のように言った。

 

「俺らが東の海にいたら強すぎる」

 

沈黙。

 

ルークが何とも言えない顔になる。

 

否定できなかった。

 

「海賊どころか」

 

レインは続ける。

 

「商船も近付かなくなるかもしれない」

 

「それは言い過ぎじゃ」

 

「そうか?」

 

「……」

 

ルークは黙った。

 

思い返してみる。

 

レイン。

 

十四歳。

 

見聞色。

 

武装色。

 

覇王色。

 

最上大業物《黎明》。

 

空飛ぶ船開発中。

 

海軍本部から招待経験あり。

 

ロジャー海賊団とも交流済み。

 

自分。

 

十七歳。

 

見聞色。

 

武装色。

 

武術。

 

そして怪物ライフル《白鷹》。

 

改めて考える。

 

東の海基準なら。

 

確かにおかしい。

 

かなりおかしい。

 

レインは笑った。

 

「一応この船」

 

「はい」

 

「海賊狩りと冒険がメインだけど」

 

「はい」

 

「レイン商会の営業も兼ねてるからな」

 

ルークが頷く。

 

それも忘れてはいけない。

 

レインは商人でもある。

 

島で終わるつもりはない。

 

いずれ世界中と取引するつもりだ。

 

だったら、東の海だけでは狭い。

 

「確かに」

 

ルークは認めた。

 

するとレインが笑う。

 

「だろ?」

 

「はい」

 

「じゃあ決まりだな」

 

ルークはため息を吐いた。

 

そして、ようやく覚悟を決める。

 

「分かりました」

 

「おう」

 

「グランドライン行きましょう」

 

レインが笑う。

 

ルークも笑った。

 

そして、少しだけ肩の力が抜ける。

 

「正直」

 

「うん」

 

「最近海賊が可哀想に見えてきたんですよ」

 

レインが吹き出した。

 

「何だそれ」

 

「だって」

 

ルークは真顔だった。

 

「レインさんに絡んだ海賊」

 

「うん」

 

「大体酷い目に遭ってるじゃないですか」

 

レインは否定できなかった。

 

「確かに」

 

「しかも最近は俺まで銃持っちゃいましたし」

 

「そうだな」

 

「何か申し訳なくなってきました」

 

レインは大笑いした。

 

「はははは!」

 

その頃。

 

東の海のどこか。

 

海賊達は知らない。

 

危険人物が二人。

 

ようやく東の海から出ていくことを、むしろ喜ぶべきだった。

 

そして、ルークも知らない。

 

自分達が東の海基準で異常なだけだと思っていた。

 

だが、それは大きな勘違いだった。

 

グランドラインに入っても、二人は十分異常だった。

 

むしろ、年齢を考えれば完全に異常だった。

 

ロジャー海賊団ですら驚き。

 

ガープですら呆れ。

 

コング元帥ですら謝罪する。

 

そんな十四歳が普通な訳がない。

 

だが、当の本人達は気付いていなかった。

 

レインは海図を広げる。

 

「さて」

 

「はい」

 

「まずは双子岬だな」

 

「いよいよですね」

 

二人は海を見る。

 

その先には、グランドライン。

 

世界最大の冒険の舞台が待っている。

 

そして、《雨神》は静かに進路を変えた。

 

目指すは、偉大なる航路。

 

二人の本当の冒険が、ついに始まろうとしていた。

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