逆転なんて許さない   作:続(ツヅ)

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第11話『セカンドフェイズに入る』

 

 

「闇のカードが何なのかやと~?」

 

 とある日のシャドウリヴォルトの光景、サカイとセツナで食器洗いをしていたところ、サカイが闇のカードについて訪ねだした。

 

「だって今までまともな説明なんて受けてねぇだろ。俺が知ってることなんて闇のフィールドしか見たことねぇよ」

 

「あー確かに、ユウナちゃんはダークエナジー使わないからダークフィールドしか見たことないか」

 

 セツナは一呼吸おいて話し始める。

 

「詳しいことはまた時間がある時に話すが、一番最初に知っておかなきゃならないことやが…ダークエナジーを使ってできることその1!」

 

「カードの書き換えや!」

 

「書き換えか、元のカードをもととして強化されてるというわけか?」

 

「まぁそういう感じや、スタッツの強化だったり、効果が1枚対象から全体対象になったり…アホな程強化されるが」

 

「その代償としてReボードで一番重要な要素、リヴォルトが消える」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン!」

 

 警察官(ゲス)がボードを構え直す。

 

「イグニッション、ドロー!!ようやく来やがったか」

 

 引いたカードを見て邪悪な笑みを浮かべる。

 

「セットか~ら~の~5コストで<危険区域ヘルブロック>展開!」

 

 引いたカードとは別のカードを手に取ってボードに叩きつける。

 ゲスの設置したカードを中心に森が空間を侵略する。

 いたるところの木々には鎖が絡まっており、辺りの暗闇からは鎖を引きずるような音と、鎖同士がぶつかる音が聞こえる。

 

「さぁ、ここからがハイライトだぜぇ!」

 

 ゲスは先ほど引いたカードを掲げてボードに裏向きで叩きつける。

 

「リヴォルトセット!」

 

 

 

()()()()()()()()()()

 

 

 

「巻きつけ!引きずれ!すり潰せ!<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウロボロス>」

 

 

 

 ひっくり返ったカードから鎖の繭が出てくる。

 

 繭から光が漏れ、地面と繋がれた鎖が千切れその姿を現す。

 

 鎖で出来た輪っかの形の蛇ではなく龍、鎖の尻尾を口から永遠と吐き出し大きくなって行く。

 

「リヴォルト効果ァ!てめぇの場のコスト5以下のキャラをすべて破壊!!これでブロックする奴はいねぇぜ!!」

 

 鎖の龍がその巨体で薙ぎ払おうとした時、マクマが動く。

 

 

『いいや逆転なんて許さない』

 

 

 マクマはエナジーのカードをダウンさせ(横に倒し)トラップを発動する。

 

『破壊される時に火水3コストでトラップ<命炎氷装>発動、こちらの処理の前にそちらの<『獄』封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウラ>の効果が誘発します』

 

「チッ、<『獄』封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウラ>の効果で出す奴がいねぇ!」

 

 どうやらゲスの残り1枚の手札と5枚のエナジーの中には封鎖魔獣(ビーストチェーン)がないようだ。

 

『それでは<命炎氷装>効果で自身のキャラ1体、<神喰寝具(シングシング) フォーマットレス>はこのターン中【破壊無効】を得る。ただしエンドフェイズにHPが0になります』

 

 マクマの言葉の中、フィールドは鎖の嵐に薙ぎ払われ煙に包まれる。

 煙が晴れ、マクマのキャラが姿を表す。

 ノイズの化け物は中心から真っ暗闇を照らすように燃え上がり、ノイズの端から凍っていく。

 

「だがそいつ以外の雑魚は消えたァ!<危険区域ヘルブロック>の効果発動!てめぇのキャラが破壊されるたびにエナジーをダウンしてセット」

 

 エナジーにカードが5枚置かれる。

 

「全部封鎖魔獣(ビーストチェーン)とはついてるじゃねぇか、<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウロボロス>の【瞬発】発動!エナジーを1枚手札に戻しなァ!」

 

 

「バトルフェイズ!!」

 

 

 互いのキャラが唸り声を上げ睨み合う。

 

 マクマのキャラはたったの1体、それに対してゲスのキャラは7体…しかし。

 

『<神喰寝具(シングシング) フォーマットレス>は【守護】持ちなのでアタックを誘導、そして【シールド4】でこのカードの受けるダメージは4少なくなります』

 

『そちらの最大ATKは4…どれだけ攻撃しても<神喰寝具(シングシング) フォーマットレス>がやられることはありません』

 

「そんなことは分かってらぁ!!俺が攻撃すんのはお前じゃあねぇ…お前のエナジーだ!!」

 

「【速攻】持ちの<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウロボロス>でアタック!」

 

『フウロボロスのスタッツは4/3、フォーマットレスのスタッツは4/4だが【シールド4】でそちらだけ破壊だ』

 

 大量の鎖がフォーマットレスに巻きつくが、その身体ごと嚙み千切り破壊する。

 

 

「こっからが俺の思いついた完璧で究極の作戦だぜ!」

 

「<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウロボロス>が俺のターンに破壊された時、俺の場の封鎖魔獣キャラ1体を墓地へ送ることで再召喚だァ!!捧げるのは<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウギン>!」

 

 崩れ落ちる鎖の大蛇は味方の魔獣を吸収し、身体を再構成させた。

 

「さぁ【瞬発】発動だ、てめぇのエナジー1枚消えてもらうぞ」

 

「そして再召喚された<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウロボロス>でアタック!」

 

 

「何か気づかねぇか着ぐるみ女?これでさっきの状況と同じ…つまり俺のキャラの数だけ攻撃しその数だけてめぇのエナジーが消える」

 

 マクマの現在のエナジーは13枚。

 

「てめぇの頼みの綱のエナジーが消えちまったらよぉ、てめぇは何にもできなくなるよなぁ!」

 

 ゲスの言葉を聞いてもマクマは一切怯まずにファイトを見ている。

 

「<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウギン>を破壊して再召喚で【瞬発】3回目!」

 

 鎖の大蛇は再度砕け散り、復活する。

 

「アタック!<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウルフ>を破壊して再召喚で【瞬発】4回目!」

 

 ノイズの化け物は傷一つ負わない。

 

「アタック!<『獄』封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウラ>を破壊して再召喚で【瞬発】5回目!」

「アタック!<『獄』封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウラ>を破壊して再召喚で【瞬発】6回目!」

 

 復活するたびにマクマに鎖が巻きつけられる。

 

「ここらで息継ぎと行こうか、<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウダコ>でアタックする時【攻発】!」

「エナジーから合計エナジー以下のコストの封鎖魔獣キャラを1体出せる!俺は<『獄』封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウラ>を出す!」

 

「『獄』フウラの【瞬発】で墓地から<『獄』封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウラ>!」

「『獄』フウラの【瞬発】で墓地から<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウギン>!」

「フウギンの【瞬発】でエナジーから<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウギン>!」

「フウギンの【瞬発】でエナジーから<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウルフ>!」

「フウルフの【瞬発】でエナジーから<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウルフ>!」

「フウルフの【瞬発】でエナジーから<『獄』封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウラ>!」

「フウラの【瞬発】で墓地から<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウギン>!」

「最後にフウギンの【瞬発】でエナジーから<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウダコ>」

 

 引っ張り出された一匹を皮切りに魔獣たちは連鎖して増殖していく。

 その数計10体、それだけのフウロボロスの【瞬発】を発動されてしまえばエナジーなど尽きてしまうだろう。

 

 

「さぁ…フィナーレと行こうかァ!!!」

 

 ゲスの掛け声と共に魔獣たちは雄たけびを上げる。

 

「<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウロボロス>でアタック!<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウギン>を破壊して再召喚で【瞬発】7回目!」

 

 先ほどと同じようにノイズの化け物にいくつもの鎖が巻きつけられる。

 

 しかし先ほどとは違う点が一つ。

 

「なんでだ?!なんで破壊されねぇ?!」

 

 <封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウロボロス>が戦闘で破壊されないのだ。

 

『ここまでクズだとは…呆れを通り越して哀れだな』

 

 ここに来てマクマは口を開く。

 

「どういうことだ!何をしやがった!!!」

 

『お前、何回か自分のカードのテキストを見ながら読み上げてたよな』

 

 対戦中、何回かあった細かいことを指摘する。

 

「それがどうした!いちいち雑魚のカードなんか覚えるわけねぇだろ!!」

 

『だから思い付きのコンボもプレミすんだよカス』

 

 マクマはそう言って<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウルフ>を指さす。

 

『テキストぐらいしっかり考慮しやがれ』

 

「なんだと?」

 

 雑魚はそう言って、自分自身のカードをようやく見る。

 

『<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウルフ>、【速攻】持ち光3コストで3/2、【瞬発】で相手の場のキャラ1体を選びそのカードはA()T()K()()2()。エナジーから合計エナジー以下のコストの封鎖魔獣キャラを1体出してもよい』

 

「まさか」

 

 雑魚は<神喰寝具(シングシング) フォーマットレス>のスタッツを見る。

 その現在のスタッツは0/4だった。

 

『お前の思い付きのコンボもいいアイデアだったが…その失敗を招いたのもお前自身だ』

 

 

「クソッッ!!!!エンドフェイズ、だったら引いてやるよ逆転のカードをなぁ!!フィニッシュドロー!!」

 

 

『忘れたのか?お前は既にリヴォルトを使い切った』

 

 

 エナジーを加速しながら10もあるマナを守るために使った<光鎖泥縛>。

 こちらのキャラ全てを一掃しながら召喚するために使った<封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウロボロス>。

 

 

「だがてめぇの最後のキャラは破壊される…アタックできる奴なんてもういないだろぉ!!」

 

 雑魚の言う通り<命炎氷装>により【破壊無効】を得た代償にHPが0となる。

 

「それにてめぇのエナジーを潰せなくたってこの数のキャラを突破できるわけがねぇ!!」

 

 

「次のターンこそお前の最後だぁ!!!」

 

 

『そうか、それじゃあターン貰います』

 

 体に巻き付いた鎖はそのままに告げる。

 

『イグニッションフェイズ、裏向きの<神喰寝具(シングシング) ヘッドベット>と<アンブレイダーNo.21 ニール>が表向きに戻る』

 

『カードが表向きになった時<神喰寝具(シングシング) ヘッドベット>の【起動】発動、表向きになったカードのHPをー1、またはHP+1。<神喰寝具(シングシング) ヘッドベット>と<アンブレイダーNo.21 ニール>のHPを+1します』

 

 空間に広がったノイズのベッドから傘を開いて飛び降りる。

 

 鎖だらけの空間の中、少女とノイズの化け物のみが自由を手にしている。

 

『ドロー、メインフェイズ、エナジーをセットして』

 

 

『場の<魔剣迷宮(シュヴァルトピース)第四層 ライフル>と<魔剣迷宮(シュヴァルトピース)第五層 マガジン>、<聖剣神殿(ソードライブ) 第四階位 ポレオン>を<アンブレイダーNo.21 ニール>に【装備】、【装備】はただの能力発動なのでカードの使用ではありません』

 

 鎖の中から2本の()を手に取る。

 

『バトルフェイズ』

 

 

 

『3/5となった<アンブレイダーNo.21 ニール>で<『獄』封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウラ>にアタック!ニールの【攻発】によりアタック中ATK+3と【貫通】を得る。そしてスタッツが5/2以上になったことで<聖剣神殿(ソードライブ) 第四階位 ポレオン>の装備条件達成、ニールはポレオンの効果を得る』

 

 鎖の合間を駆け抜け三本の傘で魔獣を切り裂く。

 

『ポレオンの【先攻】によって戦闘でそちらだけ破壊し、同時に【貫通】3ダメージ』

 

 雑魚のマナが3枚エナジーに落ちる

 

「グッ!トリガートラップ<泥沼の盃>でてめぇのキャラをダウンさせる!」

 

 

『<魔剣迷宮(シュヴァルトピース)第四層 ライフル>の効果発動、アタックした後、このキャラのHPを-4するがHP8なため耐える』

『<魔剣迷宮(シュヴァルトピース)第五層 マガジン>の効果発動、バトルで相手カードを破壊した時、イグニッションする。これで再行動が可能となりHPも8へと回復だ』

『<聖剣神殿(ソードライブ) 第四階位 ポレオン>の効果発動、バトルで相手カードを破壊した時、自分の装備カード1枚に『ドライブカウンター』を1つ乗せ、『ドライブカウンター』1つにつきATK+1』

 

『もう一度<アンブレイダーNo.21 ニール>で<『獄』封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウラ>アタック!』

 

「クソ!!トリガーは無しだ!」

 

『もう一度<アンブレイダーNo.21 ニール>で最後の<『獄』封鎖魔獣(ビーストチェーン) フウラ>にアタック!』

 

 雑魚のマナはこれで0となるが。

 

「トリガートラップ!<泥沼の盃>…は意味ねぇが<サンダーレイ>で5ダメージ!自分の魔剣の力でやられちまえ!」

 

『だったら効果処理の順番を変えるだけだ。<魔剣迷宮(シュヴァルトピース)第五層 マガジン>の効果を先に処理してイグニッション、その後にライフルの効果を適用させます』

 

 降り注ぐ雷光も傘を盾にして耐える。

 

「なん…だと」

 

 

 マクマは指をさし、少女も真似るように傘を突きつける。

 

『いくらブロックしようが無駄だ、イグニッションによってもう一度攻撃するだけだ』

 

 

 少女は(ライフル)を銃のように構える。

 

 

『トラップだってお前のエナジーは全てダウンしている(使用済み)

 

 

 少女は引き金を引くように指を置き…

 

 

『<アンブレイダーNo.21 ニール>でダイレクトアタック』

 

 

 

 終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 




己を知らぬ者
誰も切れぬ

──鏡剣リヴェンデッド
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