※今回のファイトは第一章で一番複雑なデュエルとなっております。お読みの際はお気を付けください。
「ボードは
シャドウリバースの技術屋…
シャドウリバースに入団し、【U】から腕試しのためファイトしろと言われた。
相手はシャドウリバースの戦闘員…
といってもこの組織、構成員は【U】とセツナとメアの三人だけの貧相な組織。
【U】が言うには「超少数精鋭の組織」らしい
「そんじゃ使い方は覚えたか?」
「あぁ問題ねぇ」
こちらの用意が済んだのを察したのか【U】とメアが近づいてくる。
「準備はいいか?」
「デッキ以外は大丈夫だ」
俺の言葉にメアは少し不満な表情を浮かべる。
「そんなデッキで私に勝てるの?」
「どんなデッキだろうと
「それじゃあファイトで証明して見せてよ!」
獰猛な笑みを浮かべてボードを構える。
◆
「デッキセット」
デッキをボードにセットする
「ファイトボード起動」
説明されたボタンを押す。起動と同時にデッキがシャッフルされてる。
「マナカードセット」
続いてデッキから5枚のカードを引く。
「マリガンは?」
「大丈夫だ問題ない」
「それじゃあ、始めよっか」
たしかファイトを開始する時はこう言うんだっけな。
「「
◆
フィールドから少し離れたところでセツナと観戦する。
「始まったか」
目の前では二人のファイトが繰り広げられる。
感応率がマイナスか…そんなファイターは見たことがない。
今まで戦ってきたものは少なからず、どのカードとも感応していた。
サカイの世界にReバースがあったということは聞いている。
しかし、使ったことのないデッキ…普通のファイターならば扱えないはずだ。
「どうやらメアの方は調子が悪いらしいで」
「ふむ、珍しいな」
既に3ターン目、メアの場はいつもと比べ動きが少ない。
それに比べてサカイの方は小型キャラクターを並べ場を強化させている。
「案外動けているな」
「ワイも何もできずに瞬殺されると思ってたやで、とは言っても勝つのは無理やろうな」
確かに、今の場だけを見るとどちらが有利かは明白…しかし
「次のターンでひっくり返るぞサカイ、貴様はどう対処する」
◆
現在は後攻メアの3ターン目。
数日ぶりのReバースでも腕は落ちていない。
こちらの場は小型の<フレンドール>が3体、対してあちらはキャラが1体のみ…
一見有利に見えるだろうが実際はこちらが大幅に不利な場だ。
その理由が…
「セット、<夢の追走者 エリン>を追加召喚。エリンの【瞬発】によりもともといたエリンを+2/2、更に今出したエリンは【速動】をもつ」
知らないテーマ、圧倒的なカードパワー差、そして恐らくリバースカードが使えないという縛り。
場に他の友人形が出たときにスタッツを強化する共通効果を持ち、終盤に行くほど高いスタッツのキャラが並ぶのが特徴。
出た当初は高いカードパワーにド派手な場が作れるということで初心者向けにストラクチャーデッキが作られたが……スタッツを強化する関係上、場の管理が複雑という理由で初心者お断りデッキとなってしまった悲しい歴史がある。
構築としては、小型友人形を使いまわして強化する『ムキムキショターズ』、相手のキャラにフレンドールを付与してコントロールを奪う『俺達友達(強制)デッキ』、ギリギリまで耐えて一気に強化して逆転する『フレンドーピング』、安く
問題なのは相手のカードパワーだ。
<
つまり…この世界のReバースはおそらく
そして一番の問題点…
より細かく言えば全てのカードにあるはずのリバーステキストが見えない。どれだけカードを傾けても何にも書かれていない。
セツナに言われた通りに、ファイトボードにセットしようとしてみたらエラーと表示された。これは恐らくほぼ確実にリバースカードが使えないということだ。
唯一の救いは俺がリバースカードが使えないレギュレーション『ノーリバースレギュレーション』をやっていたことだろうか。まさかこんな状況で使えるなんて思ってもみなかったな。といっても相手はリバースカードが使えるんだから気をつけなきゃいけない。
「バトル、2/5のエリンで<
「通ります」
「次に、今出したエリンは【速動】を持つため行動できる。<夢の追走者 エリン>をコールして手札に戻す」
「セカンドに入ってそのままエンドフェイズ。フィニッシュドローしてターンエンド」
残ったエナジーは2、エリンを出し直して更に+2/2出来たはずなのにそれをしないか…何かあるな。
「イグニッション、スタートドロー、メインに入ります」
手札には友人形のスタッツを強化できるゲンキがあるが…多分処理されるし、強化したとしてもパワーは届かないな。ならカツキは要らないな。
「:<陽気友人形《ライトフレンドール》 ゲンキ>をセット、ゲンキのエナジーは2、合計5コスト<人形工房 キッズパーク>を展開」
俺の足元からレンガ調の床と景色が広がっていく。
友人形の作者であるアリスの工房、数々の友人形が創られてきた工房、友人形達の家が展開される。
「<人形工房 キッズパーク>は展開時、場に存在する友人形の数だけHPが上がり計7になります。起動効果で自分ターンに1度、墓地の友人形をデッキに戻すことで、1枚ドローか山札の上から1枚をダウン状態でセットします。通りますか?」
「残念、何もない」
「キッズパークの効果起動、墓地のゲンキをデッキボトムに送り1枚ドローします」
「バトルフェイズ、<
「何もない」
対面のメアの表情が少し曇った。
正解だな。
恐らく使いたかったのは手札誘発の全体除去、それも条件付き。
「場の
「続いて<
メアの方を見ると、完全に嫌な顔をしている。
「殴ってこないんだね。普通のファイターならさっさと終わらせたくて殴ってくるのに」
「そりゃあ迂闊に殴ってエナジー増やすのは悪手だからな」
「ふーん…めんどくさいなぁ」
「バトル終了、セカンドはスキップしてエンドフェイズ」
「それじゃエンドフェイズに手札からフィールド<上る三日月>を展開」
「通ります」
辺りを暗闇が覆う。真っ暗闇の景色の中、雲の間から三日月が顔を出し、月光が俺らを照らす。
「このカードはエンドフェイズにしか発動できず、相手ターンならコストが下がる」
「そして【瞬発】、場に出た時相手の場全体に4ダメージを与えて、このフィールドに『夢カウンター』を2つ乗せる。更にエリンの効果で同じ数『夢カウンター』をエリンに乗せる」
「このフィールドは場にドリームキャラが出た時、そのキャラとこのフィールドに『夢カウンター』を1つ乗せる」
「マジかよ…トークンは全部破壊されます」
一枚に効果詰め込みすぎだろ。
「フィニッシュドローをしてターンエンド」
「…その程度で終わり?」
空気が変わり、肌に刺さる様な冷たさが空間を支配する。
少しでも気を抜いたら眠ってしまいそうなほどに。
「その程度だったら、もう…
メアの目が妖しく光る。
「イグニッション、スタートドロー、メイン」
「エナジー2の<小さな夢>をセット」
これでエナジーは5、ファイトボードからテキストを確認する。
「1コスト<始まりの憧憬>。手札を二枚捨てて、捨てたカードのエナジーの分『夢カウンター』を振り分ける」
墓地を確認する。
<夢でも見てたのか?>と<夢の追走者 エリン>、知らないカードだ。片方はさっき手札に戻したカード、もう片方は夢カウンターを使っての無効化か。
「エナジーの合計は2、なので<上る三日月>に2つ乗せる。誘発してエリンにも同じ数乗せる」
「残りのエナジーで<夢見る少女 リール>を召喚、誘発して『夢カウンター』を増やす」
月光が照らす場に、決意を宿らせた少女が現れる。
「効果は…夢カウンターを2つ消費して強化…または能力の獲得か。たしかにそのカードならこのターン決めきることもできるな」
「考えが甘いよサカイ」
「まだ動くか!」
残りエナジーは0、こんな状況で何をするかなんて決まってる。
「リバースカードセット」
「それは誰かの夢の果て、それは一人の少女が願った夢、いつか
リバースカードオープン
「夢を叶えるよ<星詠みの夢 ポラリス>」
「このカードは場の『夢カウンター』を6つ取り除くことでオープンできる。続いて、山札の上から6枚見てカードを2枚加える。誘発して『夢カウンター』が増える」
「ポラリスの効果を起動し、場の『夢カウンター』を3つ取り除いて3つの効果から1つ発動できる。発動するのは
更にキャラが登場する。
「エリンの【瞬発】によりリールに
「<夢見る少女 リール>の効果起動、『夢カウンター』を6つ取り除いて【二回行動】【魔葬】【速動】を得る」
5/5で?2回アタック出来て?マナがエナジーの代わりに墓地に送られるのか?
まともに受けたら
本当に友人形とはカードパワーが違うな。
「バトル、リールでサカイに攻撃」
「そのまま受けます、ッ!」
衝撃とともに、5枚のマナが攻撃を受けて墓地へと落ちる。
攻撃を受けて痛みが走るが…
「トラックと衝突した時よりかは痛くないなぁ!」
確かに強い、だからってあきらめるにはまだ早い。
「リールで二回目の攻撃」
それは止める!
「攻撃に反応して2コスト!手札からカウンターマジック<バーリア>を発動。効果により手札から友人形を一枚捨てます、そしてターン終了時まで自身はダメージを受けません」
「時間稼ぎか、めんどくさい。けど<バーリア>のデメリットで、次の自分エンドフェイズまで攻撃できないよ」
安心しろ、攻撃なんてしないからな。
「2/5のエリンで<人形工房 キッズパーク>に二回攻撃」
「一回目はそのまま耐えます。二回目で人形工房の効果発動。このフィールドが破壊されるとき、墓地から友人形を3枚デッキボトムに送ることで、破壊を免れます」
マナから墓地にカードが落ちたことで、人形工房が耐えるための友人形は3枚以上貯まっている。
「【魔葬】の攻撃を受けたのは墓地に友人形を落とすため!?」
「攻めきれなかった…バトル終了、セカンドは飛ばしてフィニッシュドロー、
よし…最後のリバースカードをセットしたな。
勝ち目はまだ残っている。
技なんて力で粉砕すればよいのだ!
──剛力の師範