逆転なんて許さない   作:続(ツヅ)

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 今後の投稿は週1投稿になります。ファイト内容考えるのって大変なんですね。
 思い付きで書き始めたけど他のTCG小説家の皆さんはすごいですね。
 今回でユウナVS総督【U】の決着がつきます!楽しんでお読みください!


第7話『手札から一枚エナジーにセットする』

 

 

──トリガーで火の意思、ブレイブを2体出すよ

──イバラの【オーラ】コストを支払わずに出したのでそれぞれ1回破壊で

──それじゃあ、カウンターマジック<ダイダイダイナマイト>、効果でこっちの全キャラ破壊。そっちのマナはないから無効はないよね、はい全体10点ね♪

──アーカスゥ!!

──やっぱり、いい声で鳴くねぇww

 

 懐かしい記憶が蘇る。

 …嫌な思い出だったな。

 あのイカサマ厨、ほんと人の嫌がることしやがって…

 

 

 

「ねぇねぇマクマ…」

 

 背中のメアが何か聞いてくる。

 

「…」『どうした?』

 

「あの子、総督のブレイヴを突破できるの?」

 

 ブレイヴ自体を処理するだけならバトル以外で除去すればいいから結構簡単なんだが…

 

「…」『除去した後のリソースが残っているか次第だな』

 

「言い方が悪かった…友人形(フレンドール)には除去カードはあるの?」

 

「…」『それだったら、マジックとトラップで複数枚あるはずだから除去自体は簡単なはずだが…』

 

「エナジーから3体も出したせいで、カードを使うエナジーが足りない…」

 

 

 

「お前らお喋りもいいが、ちゃんと見張りもしておくんやで」

「…めんどくさい」

 こんな路地の奥の奥の奥まで来るような奴はいないだろう。

 

 

「あっ、総督がアタックし始めた」

 

 早期決着で来たか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マジシャンでプレイヤーにアタック!」

「ゲンキでブロックします!」

 

 放たれる強大な炎の槍を人形が受け止めて破壊される。

 

 

「行け!ソルジャー!プレイヤーにアタック」

「そのままマナで受けます」

 

 銃弾が目前まで迫り、目を瞑る。

 寸前のところでマナによる防壁で防がれるが、割れた4枚のマナがエナジーに変換される。

 

──痛い

 

 トリガーは…あるけど、これはブレイヴのために使えない。

 

「まだまだ行くぞ!サポーターでアタック!」

「こちらもマナで受けます。トリガーはなし」

 

──痛い

 

「最後にブレイヴでアタック!」

「マナで受けます」

 

──痛いから目を瞑る

 

 トリガー…来た!これでブレイヴは除去できる。

 マナもあと1枚残ってる…これなら。

 

 

 

 

「エンドフェイズ、フィニッシュドロー、ターンエンド…」

 

「貴様のマナは残り1枚…例え我がブレイヴを突破したところで我に届くはずがあるまい」

降参するなら今のうちだぞ。我らは知っているぞ…病み上がりの貴様がダイレクトアタックなど受けてしまえば、もう一度長きに渡る病院生活を送ることになるだろう…」

 

 

 

 対面にいる【U】さんが真剣な眼差しで警告してくる。

 

 

 

 ファイトが始まった時は、ただのReボードかと思ってた。

 

 けど、このファイトはネットの人たちとも、セカイさんともやったファイトとは違った。

 

 痛みがある。

 

 マナ越しでさえ耐えるのでやっとな衝撃が来たのに…ダイレクトアタックなんてされてしまえば、また病院生活に逆戻りになってお母さんとお父さんを泣かしちゃう。

 

 怖い…ファイトを続けるのが、攻撃を食らうのが、負けてしまうのが、両親を心配させてしまうのが怖い。

 心臓がバクバク鳴り、動悸がしてくる…足も震えて、今、私がどう立ってるのかさえ分からなくなってる。

 

 たしかに、【U】さんの言う通り降参するなら今が最後の猶予かもしれない……

 

 

 けど…友だちを失くす方がもっと怖い。

 

 

 ずっと一人だった。

 だからこそ、孤独の怖さを知っている。

 

 今ここで逃げてしまえば、友だちを見捨てることになる。

 そんな考えの奴に友だちを名乗る資格なんてない。

 

 私は、私と友だちのためにここに立ってるんだ。

 

 

 

 私には勇気なんてない…

 

 

 

 覚悟なんて出来てもいない…

 

 

 

 それでも、ファイトは…Reボード(カードゲーム)はできる。

 

 

 

「降参なんてしません…皆が…友だちが頑張ってるんだから、私だけ逃げることなんてしません!」

 

 

 

「ハハハハハ!!!!面白い!!!!ならばこそ!我も全力で受けて立とう!!」

 

 

「来い!ユウナ!」

 

 

「私のターン!」

 

「イグニッション」

 

 ボロボロだった人形達は息を整え立ち上がる(場のカードのHPが全回復する)

 

「ドロー!」

 

 

 マナは十二分にある、動きも決まった!

 

 

「<幼少友人形(リトルフレンドール) コガラ>と<俊足友人形(ランフレンドール) ファスト>を召喚!」

「ファストの効果を【起動】してエナジーから<冷静友人形(クールフレンドール) セイ>を召喚、【瞬発】で1枚加速」

「マジック<マイントレジャー>を唱えて、デッキから3枚墓地に置いて、<熱血友人形(サンフレンドール) タイヨウ>を回収」

 友人形は墓地に4枚…1枚戻していいですね。

「人形工房の効果【起動】、友人形をデッキボトムに送って1枚ドロー」

 

「リヴォルトセット」

 

リヴォルトオープン!

 

「<熱血友人形(サンフレンドール) タイヨウ>!」

「タイヨウのリヴォルト効果で次のエンドフェイズまで、私のキャラは場を離れる時、代わりにHPを1にして耐えることができます」

 

「軽減1コストでトラップ<人形遊び>を発動!相手の場のキャラ1体に、自分の場の友人形の数分ダメージを与えます」

「ブレイヴに11ダメージです!」

 

 英雄に向かってフレンがボールを投げ…爆発する。

 それでも英雄が膝をつくことはない(ブレイヴは倒れない)。【ガッツ】

 

「【ガッツ】により我がブレイヴは離れない!」

 

「だったら、倒れるまで遊び続けるまでです!」

「2枚目の<人形遊び>を発動してブレイヴにトドメです!」

 

「だが!ブレイヴが破壊された時、貴様の盤面に10ダメージだ!」

 

「私のキャラはタイヨウのリヴォルト効果で耐えて、人形工房は墓地の友人形3枚をデッキボトムに送って耐えます!」

 

 

 コガラ2人(7/10と2/2)カツキ(13/13)レイ(9/5)フレン(13/13)ゲンキ(6/1)ファスト(3/2)セイ(3/1)タイヨウ(3/2)リサイクルトークン2体(5/2と1/1)の計11人…

 ファストの効果で【速動】を付与されて全員がアタックできる。

 これなら届くはず。

 

 

「バトルフェイズ」

 

 

「フレンでプレイヤーにアタック!」

「マナで受ける!…グゥッ…ットリガートラップ<再炎の火種>と<泥沼の盃>!」

「<再炎の火種>でマジシャンをイグニッション、そして1マナ回復!<泥沼の盃>の2番目の効果でATK2以下のコガラとトークンをダウンさせる!」

 

 攻撃可能回数残り8回

 マナとブロックは残り1枚と3体

 

「【二回行動】のフレンでもう一度アタック!」

「マナで受ける!グワァァァァッ……グッ……トリガーはなし」

 たった1枚のマナで13ものダメージを受けて、【U】は吹き飛ばされ地面を転がる。

 

 攻撃可能回数残り7回

 マナとブロックは残り0枚と3体

 

「レイでダイレクトアタック!」

「ソルジャーでブロック!」

「ソルジャーが破壊された時、手札からコスト5以下の<ラストライク ガーディアン>を出し、<最終戦線 ラストライク>の効果で1枚ドロー!」

 【守護】持ちですか…でも、関係ない!

 

 攻撃可能回数残り6回

 マナとブロックは残り0枚と3体

 

「ゲンキで【守護】持ちのガーディアンにアタック!」

「ガーディアンが破壊された時、マナが5枚以下だから2マナ回復!」

 

 攻撃可能回数残り5回

 マナとブロックは残り2枚と2体

 

「7/6のコガラでプレイヤーにアタック!」

「サポーターでブロックだ!」

「サポーターが破壊された時、デッキから5枚見て<終末魔法(ラストライク) ラグナロクホール>を回収、<最終戦線 ラストライク>の効果で1枚ドロー!」

 

 攻撃可能回数残り4回

 マナとブロックは残り2枚と1体

 

「5/6のトークンでプレイヤーにアタック!」

「マナで受けるッ!トリガートラップ<泥沼の盃>!1番目の効果でセイをダウン!」

 

 

 

 攻撃可能回数残り2回

 マナとブロックは残り0枚と1体

 

 

「タイヨウでダイレクトアタック!」

 

 

 タイヨウのアタックが届く寸前…タイヨウの動きが停止する。

 

 

 

カウンターマジック発動!

 

 

 

 このタイミングで?!

 

 

 

最初の喜劇、最後の悲劇(ラストスタート)!」

 

 

 

「効果により手札から()()()()()()()()

 

 

 

「何度折れようとも、何度倒れようとも、何度消されようとも、希望の灯は英雄でも勇者でもない誰か()に受け継がれてゆく」

 

 

 

()()()()()()()()()

 

 

 

「さぁ、逆転の時だ!<ラストライク ソルジャー>!」

 

 

 

 セットされたカードから銃を持ったただの兵士が現れる。

 

「リヴォルト効果、我の墓地から、コストが合計エナジー以下になるように3体まで出す」

「我は<ラストライク ソルジャー>と<最後の英雄(ラストライク) ブレイヴ>を蘇生。この効果で出したキャラは次のエンドフェイズ時に破壊される」

 

 タイヨウと【U】の間に英雄(ブレイヴ)が立つ。【守護】

 

「っ、届かなかった…!」

 

「ここまでよく頑張ったな…だが!ここで終わらせる!」

 

 えっ?!

 

「ブレイヴに向かうアタックをマジシャンでブロック!」

 

 魔法(4/2)と拳《3/2》がぶつかり合う。

 魔法使いは倒れ、赤髪の人形は何とか耐える。

 

「マジシャンでブロック……まさか!?」

 

「そのまさかだ!これでマジシャンの効果が発動する!通常ならコスト5以下のマジックが使えるが…マナが5枚以下の時、コスト7以下のマジックを使える!」

 

 7コストのマジック…発動するのはさっき手札に加えた…

 

「<終末魔法(ラストライク) ラグナロクホール>!」

 

「我は効果により蘇生したソルジャーとブレイヴを破壊!ブレイヴは【ガッツ】により破壊を免れる」

「こうして破壊した数だけ相手の場のカードを破壊し、マナを回復する!」

「破壊できたのはソルジャー1体のみ、我は<人形工房 キッズパーク>を破壊し、1マナ回復!更に<最終戦線 ラストライク>の効果で1枚ドロー!」

 

「そして破壊されたソルジャーの効果により、手札からコスト5以下の<ラストライク マジシャン>を出す!」

 

「さぁ、こちらの処理は終了だ。まだ貴様のバトルフェイズだぞ?」

 

 そうだ、まだ私のターンだ。

 

 

 

──<ラストライク マジシャン>…【魔葬】でトリガーはない。

──ブロックは…できる。

──除去は…タイヨウの【ガッツ】付与がある。

──このターン中の除去は…タイヨウのリヴォルト効果で離れない。

──ブレイヴは【ガッツ】が剥がれてる

 

 .................

 

 ..............

 

 ……

 

 剥がれてる?何故?どうして剥がした?

 

 <ラストライク ソルジャー>のリヴォルト効果でブレイヴはエンドフェイズ時に破壊される…

 破壊されてこちらに全体10ダメージ…

 けどタイヨウのリヴォルト効果で離れない…

いや、ターンプレイヤーの効果が先に処理されるからタイヨウのリヴォルト効果が終わった後に全体10ダメージ…

 だとしても、リヴォルト効果が無くたって【ガッツ】があるからタイヨウ以外は生き残れる…

 

 

「あっ…」

 

 

 気づいてしまった

 

 

 まだ動けるファストをリリースしてエナジー回復…タイヨウのリヴォルト効果でリリースできない。エナジーを使用しないカウンターマジックかトラップ…このデッキには入っていない。もしかしたら、あと1枚のマナにトリガートラップが…マジシャンの【魔葬】でセットされない。フィニッシュドロー…間に合わない。

 

 

 

「........エンド…フェイズ」

 

 

 タイヨウとソルジャーのリヴォルト効果が終わる。

 

 

 先にターンプレイヤーである私からリヴォルト効果が終了する。

 

 

 その後、ソルジャーのリヴォルト効果で蘇ったブレイヴは破壊される。

 

 

 英雄が力尽きる。

 

 

「ラストライクキャラが破壊された時…トラップ発動!<最終攻撃(ラストライク) スーサイドストライク>!」

 

 

「相手の場のカード1枚に破壊されたキャラのATK分のダメージを与える!」

 

 

「タイヨウに破壊されたブレイヴのATK分…3ダメージを与えて破壊!」

 

 

 タイヨウが離れ、友人形達に宿っていた【ガッツ】が失われる。

 

 

「そして、ブレイヴの破壊時効果発動…全体10ダメージ」

 

 

 力尽きた英雄は最後の一撃を放とうとする。

 

 

「顔を上げろ、ユウナ」

 

 

 そこで初めて、俯いていたことに気づく。

 

 

「ここまで戦い抜いた貴様は強かった」

 

 

 【U】さん…いや、【U】の顔を見る。

 

 

「だからこそ、その目に、その魂に焼き付けろ」

 

 

 【U】の瞳は真っすぐこちらを見てる。

 

 

 そうだ…最後まで…前を向かなきゃ

 

 

 

 

 

「引き金の重さを教えてやる」

 

 

 

 

 

 英雄が最後の輝きを放つ

 

 

 

 

 

「ラストライクロア!」

 

 

 

 

 友だち達が消えていく。

 

 衝撃で、私の身体も壁に打ち付けられる。

 

 

 

 

 

 ..............

 

 

 

 

 ………

 

 

 

 

 ……

 

 

 

 

「ユウナ」

 

 

 声をかけられて、目を開ける。

 

 

 目の前の【U】と、その後ろにマジシャンとソルジャーが控えている。

 

 

 最後のマナはマジシャンの【魔葬】で破壊されたのだろう。

 

 

 私の側には誰もいない。

 

 

 【U】がソルジャーから受け取った銃を構える。

 

 

「決着だ」

 

 

 真っ黒な銃口をこちらに向け…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 引き金を引いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 確かに強かった…だが我の方が強かった。

──勝者のトロフィー
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