記憶喪失で俺の愛機の操作方法コントローラーなんやけどどゆこと? 作:お寿司のネタのサーモン
夏
日本の真夏日はどこの県でも猛暑日を記録し地球温暖化による影響をテレビの中の専門家が解説する音が一つの古臭い家の居間から聞えてくる。
庭に出て汗を流しながら遊んでいる子供は不意に眩しい真夏の空を見上げた。
「おじいちゃ~ん・・・あの曇ひこうき雲?」
居間でうたた寝していた年老いた男性が孫娘の声に反応しとてもご老人とは思えない速度で孫娘の傍に立ち、同じ様に空を見上げる。
「ッ!!!」
「今すぐこの子をシェルターに避難させろ!!!」
老人は知っていた。
何処までも青い夏空に流れるあの雲は。
飛行機雲などという生易しいものではなく。
国を燃やした、地獄の業火を運ぶものだった。
同時刻 国防省では
「ええい!まだ迎撃の準備が出来んのか!」
高級そうなスーツに身を包んだ男が部下に対して怒号を上げている。
普通ならパワハラやらなんやらで今まで積み上げてきた社会的地位が崩れ去るような行為を、何故この男は犯しているのか。
その原因は正しく空にあった。
「現状は!」
慌ただしく動く会議室がその一声で規則正しく止まった。
「止まるな!仕事を続けろ!」
そこに居たのは赤いシャツを身につけたガタイの良い男。
「現状をお伝えします!」
次に会議室に入ってきたのは軍服を身に着けているものが多くいる中、黒スーツとネクタイだけを身に着けた男性。
「時間が無いため、憶測を挟んでいますが宜しいでしょうか?」
「構わん、今は一秒すら惜しい。」
スーツの男が会議室の画面を操作すると世界地図が現れ日本を拡大、すると日本の周りに数多くの点が刻まれていた。
「この無数の点は多くの核保有国から発射された
その一言で会議室の空気は凍り付いた。
何故なら世界中が戦火に包まれていたあの時代に終止符を打った兵器が数多く日本に迫っているからだ。
「想定される被害は・・・・少なく見積もっても日本は壊滅します。」
「クソッ!」
赤いシャツの男が机を殴りつける。
「今すぐにでも全国にJアラートを発令!一人でも多くの国民を守るため、非常用核シェルターを解放しろ!上層部に何か言われても無視しろ!国民は我々の宝だ!」
直ぐに気持ちを切り替えたその場にいる大人たちは一人でも多くの子供を守るために立ち上がった。
核ミサイル到着まであと5分
その通知がすべての国民に伝えられた。
あと3分
希望は、無いかに見えた。
事故が起きた、略奪行為が行われた。
あと5.4.3.2.1・・・・・・・・
核シェルターに間に合わなかった者たちは各々の信じる神に祈りを捧げた。
日本は・・・・滅びるかに思えた。
すぐそこまで来ていた核ミサイルは全て、迎撃され、日本に壊滅的な被害を与えることはなかった。
同時刻
上空を飛んでいた迎撃ミサイルを多く積んだ戦闘機が信じられない光景を目にする。
「なんだ・・・・あれは。」
はるか上空、そこでは白いヒト型のロボットがたたずんでいた。
白いロボットは戦闘機を一瞥し飛び去った。
後に、この事件は『白騎士事件』と呼ばれるようになった。
外でしゃがんでいた子供は空を見上げて言った。
「見てみて!お母さん!流れ星!」
脅威に満ちていた空はすっかり赤くなり、青い尾を引く流れ星が落ちていた。