転生先の世界滅んだんやけど?まあどうにかなるか!   作:黙々睦模目

2 / 2
2 シロコから見て…

 

「…寒い」

 

 周囲を見渡せば左右にはゴミ袋が散乱しており

 その中の中心に私はいた…

 服はボロボロで薄汚れていた

 そして空からは雪が降っていて…

 落ちてくる雪と凍えるような風が

 私の体温を奪っていく…

 

「私…どうしてここにいるんだろ…」

 

 どうして私がここにいるのか…

 どうしてこんなにボロボロなのか…

 全く思い出せない…

 それでも降り注ぐ雪と風は容赦なく

 私に襲いかかる…

 

「寒い…私死ぬのかな…」

 

 死にたくない…

 生きたい…1人はやだ…

 誰か…誰か…助けて…

 私は蹲りながら寒さに耐える

 

「お?なんや?チビ何しとんの?」

 

「………ん?」

 

「あ?ん…って何言うてんのかわかるか…!」

 

 目の前には革ジャンとジーンズを着込み

 カウボーイハットを深く被る男だった

 

「お前武器も持ってないやん…

 しゃ〜ないか!ほれ!行くぞチビ!」

 

 すると彼は私に手を差し出した

 私は彼の手を掴めない…

 

「……怪しい」

 

「あぁ?チビ如きが俺に逆らうな!」

 

「…悪い大人」

 

「俺はまだ18だ…!あ!今年でもう19か

 もう成人てるか?じゃあ大人か…

 俺を敬え!チビ!」

 

 この人ちょっと頭大丈夫かな…

 正直不安しかない

 

「とりあえずお前を見た以上放置できんな!」

 

「……んッ!??」

 

 私は片手で抱えられる

 そして彼はきていた革ジャンを私に被せる

 私は抵抗しようと暴れるが

 気にも留められない

 

「大人しくしてろや!チビ!俺は戒人ってんだ!」

 

 すると彼は私を抱え慌てて走り出して行く

「いや〜さみぃな!」と独り言を言いながら

 私を抱え彼は路地裏へ入っていき

 とあるボロボロの小屋の前で止まる

 

「……ん、汚い」

 

「はぁ?ここな訳ねぇだろ!下だよ!下!」

 

 すると彼は私を抱えたまま

 オンボロな小屋の中に入る…

 色んな物が散乱しており

 変な匂いもする

 すると彼は小屋の隅に向かうと

 ボロボロの座布団掴みそれを退かすと

 鉄製のハッチがあった

 彼はハッチの持ち手を持ち勢いよく開ける

 すると地下へ真っ直ぐ続く隠し通路があった

 中の空洞にはスロープとはしごがあった

 彼は私を抱えたままスロープを掴み

 地下へ降下していく

 

「チビ!この下が俺の隠れ家だ!

 騒ぐんじゃねぇぞ?騒いだらぶん殴るからな!」

 

「…ん、児童虐待で訴える」

 

「はぁ〜?まず訴えるならお前捨てた親にしとけ!

 俺はお前の恩人だろうが!まず感謝しろよチビイ!」

 

「…ん、その言動を変えたらそうする」

 

「お前如きに俺を変えられるかよ!」

 

「…ん〜!!ん!ん!」

 

「おい!降りてる途中だぞ!

 暴れるんじゃねぇ!突き落とすぞ!」

 

「ん、できない事言うな」

 

「あぁ?下手に出てる内に言う事聞け!チビスケ!」

 

「ん!私はシロコって名前がある!」

 

「知るかよ!チビスケ!

 お前の名前なんてどうでもええわ!」

 

「ん〜!ん!ん!ん!」

 

「このクソガキがぁぁぁ〜!」

 

 

 ………

 

 地下に降り立つと

 

 中は豪華なモダン的なデザインだった

 彼は私を降ろすと

 冷蔵庫に直進し

 中身を漁っていた 

 

「おいチビスケ飯だ!」

 

「ん?…これが?」

 

「あ?見れば分かるだろ」

 

 目の前に置かれたのは1本のキュウリだった

 

「…ん、私を舐めてる?」

 

「あ?文句あんのか?なら俺を負かしてみろ!

 強者がここで一番偉いんだよ!雑魚チビスケ!」

 

「ん!吠え面かかせてやる!私は狼!」

 

 ……

 

「残念だったな!チビスケ!

 狼じゃなくてチワワだったな!

 まぁ?健闘したのを見込んでリンゴに変えてやるよ!

 感謝するがいい!」

 

 そう言い彼は大の字の私にリンゴを放り投げ

 私に食べさせようとしたキュウリに齧り付く

「あ塩どこやったっけか?」

 とボコボコにされて大の字になっている

 私にはもう興味はないらしい

 ボリボリとキュウリを食べている戒人を眺めながら

 私は投げ渡されたリンゴに齧り付く

 

「…ん、甘い」

 

「あ!そうだよ!忘れてたぜ!

 おめぇよ〜!臭いんだよ!こっち来い!」

 

 すると戒人は動けない私に難癖をつけてきた

 ん!最低である、女心を知るべき

 彼は私を抱え風呂場に向かう

 

「…ん、年下に手を出すなんて最低」

 

「あぁ?何寝ぼけた事言ってんだよ?

 俺のタイプの女はなぁ〜…

 おめぇみたいな"まな板"じゃなくてぼっ9!ボンよ!

 お前見たいなガリガリのもやしに興味はねぇ!」

 

「ん〜!!!!」

 

「暴れんな!チビスケ!」

 

 そう言い彼は私の身ぐるみを剥がしていく

 酷い…もうお嫁に行けない

 

「おら!汚れを落とせ!」

 

 そうして彼は私にシャワーを容赦なくかける

 

「う…!」

 

「あ!おいこっち来んな!チビスケ!」

 

 せめてもの抵抗として体についた

 水を体を揺らし彼に向かって飛ばす

 

「ほら背中向けろ!」

 

「ん〜…」

 

「抵抗すんなよ!チビ!」

 

 そう言い彼は私についた汚れを落としていく

 強くこすらず優しく丁寧に洗い落としてくれる

 口調の割には優しい…見直してあげる

 

「お前ガリガリだな〜これじゃあまな板コースだな!」

 

「ん〜!!!ふん!」

 

「ごら!このクソガキめ!

 なに俺のおニュウの革ジャンに泡付けるな!」

 

「ん!私を馬鹿にした罰!」

 

「このクソガキぃぃぃ…!沈んどけ!」

 

「んッ!?」

 

 私は彼に担がれ、湯船に沈められてしまった

 

「ん!児童虐待!変態!」

 

「黙れチビ!お前が汚えのが悪い!」

 

 この時間が楽しい

 

 ……

 

「風呂出て早々で悪いが…服がねぇ!」

 

「…ん、私を裸のままにして何する気?」

 

「ねぇもんはねぇ!」

 

「ん、最低」

 

「あ〜…しゃあねぇかとりあえず…これ着とけ」

 

 そう言い彼はタンスを漁り始め…

 その中から彼の下着と男物のパンツを渡された

 私は仕方なくそれを着る

 予想した通り下着はブカブカで

 パンツはそもそも履けなかった

 

「これしかねぇから今日くらい我慢しろ!

 明日にでも知り合いに頼んで用意してやるよ!

 そしたらそいつと一緒に出てけ!」

 

「ん、やだ!」

 

「はぁ?何でだよ」

 

「ん!出て行かない」

 

「駄々こねるな!チビスケ!」

 

「ん!駄々じゃない!正当な要求!

 じゃないと私の身ぐるみ剥がした変態だって訴える」

 

「このクソガキぃぃぃ!!!」

 

「ん!戒人には私を拾った責任がある!」

 

「そんなもんねぇよ!今日の所は俺の布団貸してやる

 俺はソファで寝てやる。感謝するがいい!」

 

「ん!それは当然の事」

 

「あぁ?ぶっ殺すぞ!」

 

「ん、短気」

 

 ……

 

「ぐがぁぁぁあ〜…ぐがぁぁぁあ〜…」

 

「…ん、うるさい」

 

 私は彼のいびきがうるさくて寝れない

 私はベッドから立ち上がり

 彼の寝るソファに向かう

 

「ぐがぁぁぁあ〜…ぐがぁぁぁあ〜…」

 

 私を差し置いていい気で寝てる…

 ん!許さない

 

「ぐがぁ…ッ!?おえ!」

 

 私は彼のお腹に飛び込んだ

 すると戒人はその衝撃に変な声を上げて飛び上がった

 

「こんの…!悪ガキがぁぁぁ〜!!!」

 

 私は戒人にボコボコにされて

 布団に巻かれてロープで固定され

 耳栓とアイマスクを私に着けて

 また彼は眠りに就いた

 

 ……

 

 

「うへぇ〜…突然呼び出すから

 どうしたのかと思ったよ〜戒人先輩〜」

 

「あ?仕方ねぇだろチビスケ拾ったんだからよ」

 

「チビスケ〜?どういう事?」

 

「おい!チビスケ!出てこい!挨拶しろ!」

 

「ん!やだ!」

 

「よし!今日の晩飯は空気!エアぁだ!」

 

「ん!最低!」

 

「確かに最低だぁ〜…」

 

 私は渋々隠れていた戒人の後ろから身を乗り出す

 目の前には私とあまり身長が変わらなそうな

 ピンク色の髪をした青と黄色のオッドアイの

 …"小鳥遊ホシノ"がいた

 

「どういう事かな〜戒人先輩」

 

「あ?拾ったんだよ!」

 

「いやそうじゃなくてね〜?何で下着1枚なの?」

 

「俺が買いに行ったら通報されるだろ!」

 

「それは〜…確かにそうだね〜」

 

「ん!変質者!」

 

「だからお前が買ってこい!ホシノ!」

 

「うへぇ〜…ちなみに代金は〜?」

 

「知らん!勝手にしろ!」

 

 口ではそう言いながら彼は

 ホシノにカードと財布を手渡す

 

「そっか〜…じゃあ勝手にカード使うね〜…」

 

「いいからさっさと買ってこい!」

 

「うへぇ〜…おじさんの扱いが雑だよぉ〜」

 

「そう言うならオッサンじゃなくてチビババだろ!」

 

「…次そう言ったら許さないからね?」

 

「やれるもんならやってみろや!チビババァ!」

 

 喧嘩しないで私の服買うのを優先してほしい

 後私を巻き込まないでほしい

 

 ……

 

「は〜いお待たせ〜シロコちゃん

 これ下着と服ね〜…

 後これね戒人に見られないようにね

 戒人は初だから〜…

 ゴミとして捨てられちゃうから

 …後これ戒人から買ってくるように言われてた物ね」

 

 するとホシノは服の入った袋と一緒に

 水色のマフラーを私の首に巻いてくれた

 

「……ん、温かい」

 

「それはよかった〜…」

 

「チビババ!何余計な事言ってんだよ!

 チビババに感謝するんだな!チビスケ!」

 

「はい返すね〜」

 

 そうホシノがカードを差し出すと

 彼は奪い取るように回収した

 

「さっさと返せ!全くよ〜!

 10万もなにに使いやがった!

 このチビババ風情が!」

 

「おじさんを怒らせた罰だよ〜

 戒人はそう言いながらお金一杯持ってるじゃん」

 

「俺は節約家なんだよ!」

 

「変な所で真面目だね〜」

 

「うるせぇ!チビババ!」

 

「全くも〜…シロコちゃん早速着替えてきたら〜?」

 

「ん!わかった」

 

 私は2人が喧嘩を始める前にそそくさと

 2人から離れ渡された服に着替えにいく

 戒人の下着…これは貰っておこう

 

「なっ!?はや!?あのチビスケ

 成長したら中々強者になりそうだな…

 成長したらどんな戦闘スタイルになるか…!」

 

「先輩は相変わらず戦いにしか興味ないねぇ〜」

 

「舐めるなよ…俺はこれでも業界トップの傭兵…!

 誰も俺は他の追随を許さねぇ!最強の傭兵さ!」

 

「そんな風には見えないね〜」

 

「はぁ?舐めてんじゃねぇぞ!チビババ!」

 

「まだおじさんのお仕置きが足りないかな〜?」

 

「俺に勝ってから言う事だな?」

 

「全く〜…」

 

 ……

 

「おい…チビスケ…それはなんだ?」

 

「ん?」

 

 私が銀行強盗をした帰り道

 ばったりと戒人と会ってしまった

 私は顔を隠す青の覆面を被って

 肩には大金の入った鞄を持っている

 

「……ん、強盗」

 

「……」

 

「ん?なにか問題ある?」

 

この馬鹿犬がぁぁぁ!!!

 

 そう叫んだ彼は拳を握り締めて

 私の顔に向かって拳を振り下ろした

 私は避ける事ができず、そのまま殴り飛ばされた

 …私の顔の原型が見えないほど殴られて

 戒人と一緒に強盗した銀行に謝りに行った

 彼は顔が利くらしく難なく許してくれた

 最初からコネがあるなら利用すればよかった

 女の顔は傷つけちゃいけないのに…

 もうお嫁に行けない!戒人は責任を取るべき!

 

 ……

 

「おいチビスケ!これにサインしろ!」

 

 突然彼から紙の契約書を渡された

 なんだか色々と難しい事が書かれていた

 正直見るのも面倒くさい

 

「ん!やだ!」

 

「な〜に損な話じゃねえよ!

 これにサインした家やるよ!

 …俺の家をな!」

 

「ん!サインする!」

 

「ほれよ!」

 

 私は彼の言葉を聞いて

 何も考えず投げ渡されたボールペンで

 私は書類にサインした…

 

「おっし!書いたな!契約成立だ!」

 

「ん!ここは私の王国!戒人は私の下僕!」

 

「あ?なに言ってんだ?この隠れ家じゃねぇよ?

 それと俺は強者か金持ちにしか尻尾は振らねぇ!

 金持ちになってから出直してこい!

 っま!お前じゃ無理か!はっはっは〜!」

 

「ん!最低!」

 

「じゃ!準備しとけよ!」

 

「ん?なんの準備?」

 

「あ?お前…さてはお前アホだな!?ぷぷぷ〜!」

 

「ん!どう言う事か説明するべき!」

 

「書類をよく見ずサインするからだよ!

 チビスケ!お前はアビドス? 

 アヌビス?だか高校に行け!」

 

「ん!やだ!戒人と一緒に行く」

 

「却下♡」

 

 そう言い彼は片手でハートを作る

 ちょっとキモい…

 

「ん!ムカつく!キモい!」

 

「一軒家やんだから文句言うなよ!」

 

「ん、戒人は他にも複数持ってる!」

 

「んなこと当然だろ!

 他に持ってなかったらお前なんかに渡すか!

 お前は荷物まとめろ!バックに教科書と銃と

 ハンドガンもおまけしてやるよ!弾もな!

 さっさと出ていくんだな!」

 

「ん!やだ!絶対出て行かない!」

 

「ざ〜んね〜んで〜し〜た〜!契約は成立したんだ!

 お前に拒否権はねぇ〜よ!」

 

「ん!最低!クズ!変態!変質者!狂人!」

 

 

「はいはい!うるせぇぇぇ〜〜!!!!

 チビスケ如きが騒ぐな!!!

 俺に勝ててから文句を言うんだな?

 ほらさっさとしろ」

 

「ん〜!!!!ん!ん!ん!」

 

 私は怒りに任せて戒人にぽこぽこ叩く

 そんな姿を戒人は嘲笑う

 

「はっ!俺は忙しいんだ!さっさと行け!」

 

 そうして彼は私に色々入った鞄と茶封筒を渡して

 持ち物を整理して外へ向かう

 

「俺はこれから仕事なんでな〜!好きにしろ!」

 

 そうして彼は私を置いて去って

 そのまま去ってしまった

 彼から渡された封筒には500万は入っていた

 戒人って意外とお金持ち…

 やっぱり責任を取るべき…!

 

 

 …それから2年間私達が会う事はなかった…

 

「今日もいない…」

 

 私がアビドス高校に入って2年が経った

 それ以降彼がここに戻ってくる事はなかった

 私が監視カメラを付けても

 盗聴器を付けても

 彼が帰ってきた痕跡もなく…

 どんどん彼の匂いが薄れていくのを感じる

 

「…どこに行ったんだろう」

 

 私は彼の隠れ家の中で大の字になっている

 もし彼がここにいたら

「おい!邪魔だ!どけ!チビ!」

 と言うはずだ…

 アビドスでの生活は悪くない

 先輩も後輩達とみんないい人だ

 でも…彼がいないと寂しい

 彼と言い争っている時の方が楽しかった

 

「ん、寂しい」

 

 キュュュイ…

 

 すると地上に繋がるハッチの開く音が響いた

 

「ッ!?ん!戒人!」

 

 私は慌ててスロープとはしごがある入り口に向かう

 ただ…戒人にまたあって話したい!

 そう思い私は期待に夢を広げていた

 彼とどんな話をしようか…

 彼とどんな事をするか…!

 期待に胸を膨らませた

 …だけど私が駆け出した先には

 リボルバーの銃口をこちらに向けて

 冷たい視線で私を見ていた

 この時ほど悪寒がした事はない

 まるで獲物を食い殺そうとするクマに見えた

 彼がトリガーを弾く…その瞬間

 彼の手がギリギリの所で止まった

 

「あ?なんだよ…あの時のチビスケか…

赤ババァの刺客かと思ったぜ…

 なに俺の隠れ家にまだ居座ってんだよ!」

 

 彼は警戒を解き…リボルバーをホルスターに仕舞う

 彼の冷めきった視線も消えた

 だけど私はまだ恐怖を感じる

 

「おい!チビスケ!なんだぁ?

 怖気づいて漏らしたか!?おい!

 俺の隠れ家で漏らすなよ!」

 

 そういう彼を無視して

 私はゆっくり彼に近づき…

 涙で前が見えない目で彼に抱きつき…

 両手で強く彼の両足を掴んだ

 そして彼のお腹に私の顔を埋める

 

「ん〜…!最低…戒人はバカ…!」

 

「なにいってんだか…」

 

 すると彼は困ったように頭を掻きながら

 どうしたものか…とあたふたしている

 そんな顔も戒人にできたんだ…

 

「んぁ〜…ようわからんが…すまん!」

 

 そう言い彼は私の頭を

 撫で回して私の髪をくしゃくしゃにする

 

「うぅ…!」

 

「あ?足りねぇのか?ならもっとしてやるよ!」

 

「あぁ〜!!!」

 

「叫ぶな!チビスケ!」

 

 やっぱり彼がいるといつもより楽しい

 

 …

 

「おい!チビスケ!お前の泣きべそのせいで!

 俺のおにゅうの革ジャンがまたダメになったぞ!」

 

「ん、私悪くない…悪いのは戒人

 私を泣かせたのが悪い…」

 

「んだと〜?表出ろ!」

 

 ………

 

 "…シロコは卒業後の事は考えてるの?"

 

 目の前にいるのは私達の先生

 戒人の次にいい人!いい大人!

 戒人には劣るけどいい大人!

 

「ん!戒人について行く!」

 

 "そ、そっか…その〜…シロコのよく呼んでる

『戒人』?さんはどこにいるのかな?"

 

「ん?なんで?」

 

 "私は彼?彼女?を見たことなくてね…"

 

 確かに戒人と先生が合っている所を

 見たことがなかった

 先生には戒人と私の仲の良さを見せつけて

 戒人に責任取らせるように誘導する!

 

「ん!今度会わせてあげる!」

 

 "それは楽しみだな…!

 ちなみにお仕事はなにされてるのかな?"

 

「ん!傭兵!」

 

 "へぇ…傭兵してるんだね"

 

「ん、戒人は狂人。戦うのが大好きなの

 後キュウリが好きで…私を脱がして喜んだ変態!」

 

 "へ、へぇ〜…戦うのが好きで…

 キュウリが好きなんだね…ん?

ちょっ!?ちょっと待って!?え!?嘘ぉ!?"

 

 ………

 

このクソガキがぁぁぁ!

 

 私は彼に頭を本気で殴られてしまった

 物凄く痛い…アニメみたいな

 大きいたんこぶができてしまった

 戒人は責任を取るべき…!

 

 "大変失礼いたしました!!!"

 

 先生は戒人に対して土下座をしている

 先生が謝るんじゃなくて戒人が私を謝るべき!

 

「ん!先生戒人は優しいから許してくれるよ」

 

「お前は黙ってろ!クソガキ!」

 

 "勝手に勘違いしてすいません…"

 

「いやこちらこそ申し訳ない。

 えぇ〜…とTeacher?先生?」

 

 "好きなように呼んでいいよ"

 

「あんがとよ〜Teacher。

 このチビスケの世話大変だろ?」

 

 "あははは〜…"

 

「っま!こいつが駄々こねたら言えよ!

 す俺がボコボコにしてやるから!」

 

「ん!戒人最低!暴力反対!」

 

「銀行強盗犯のお前が言うな!」

 

 "え!?シロコそんな事してたの!?"

 

 ………

 

「おっす!金の亡者!戒人様だ!」

 

 私達の行く手を阻むのは戒人

 今はカイザーに雇われているらしい

 

「ん!最低」

 

「お前は相変わらずだな!チビスケ!」

 

「ん、戒人も変わらないね」

 

「とりあえずお前ら足止めするって言う依頼でな!

 仕事だからな手加減できねぇからな!

 何故なら依頼料前に5000万だからな!がはは!」

 

「ん!望むところ!私が戒人を負かしたら

 その金と戒人は私の物!」

 

 ある時は敵てして…

 

 ……

 

「よぉ!チビスケ!ピンチか〜?」

 

「ん!戒人仕事しろ!」

 

「あぁ?助けてやったのに文句かぁ?」

 

 またある時は味方として…

 私達と戦ってくれた

 …だけど

 

 ……

 

 とある建物の中…

 

「お?なんだ?お前と一緒かよ」

 

「ん、戒人がいるなんて…珍しい」

 

「あ?俺は仕事よ!Teacherの護衛だ護衛〜!」

 

「ん…そんなの必要ない私だけで…できる!」

 

「おぉ?言うようになったじゃねぇか!

 俺達はここで時間でも潰すか?」

 

「ん、やる?」

 

「いいぜ〜?ま!俺が勝つのは必然だがな!がはは!」

 

「ん、絶対吠え面かかせる」

 

「やれるもんな…ら…?…あぁ?」

 

 すると彼は私の後ろの方を見ていた

 戒人が目を細めてよく見ていると

 …次の瞬間には目を見開き私を見ていた

 突然…戒人が私を掴みに私を投げ飛ばした

 

「チビスケ!にげe…ッ」

 

 視線だけ私に向け逃げるよつに言おうとした中

 戒人の目の前は光に包まれて…

 私の視界は爆炎にかき消され

 私がいた場所は吹き飛ばされた…

 

「ん!?戒人!…ッ!?」

 

 私もその

 …そして私が辺りを見渡そうとすると…

 ふと…私のお腹の辺りに変な感触がある

 私を突き飛ばした…彼の…

 戒人の右腕が私のお腹の上に転がっていた

 

「…嘘…そんな、ありえない…戒人…嘘…だよね…」

 

 私は慌てて彼の右腕を掴む…

 そんな訳がない…そんな訳ない…!

 戒人は強いんだ…!

 私を庇ったくらいで死ぬ訳ない

 

「おい…なに…必死になってんだ…?」

 

「…戒人!」

 

 私か必死に彼を探す中…

 いつもと変わらない口調の聞き慣れた声がした

 その声の元へ目を向けると

 服はほとんどが燃え尽き

 右肩から下がなく…

 胴体の大部分が火傷に包まれている

 壁にめり込んではいる…

 頭部からも出血し…

 いつも被っているカウボーイハットは

 宙を舞い火の手に消えた…

 

「すぐに手当てする…!」

 

「おい!優先順位を…!間違えてんじゃねぇ!…

 ガキ…!Teacher…が最優先だ!

 速く行け…!俺を気にする暇はねぇぞ…!!」

 

「…ッ!?嫌だよ!戒人!」

 

「優先順位を考えろ!だからガキなんだよ!」

 

「…ッ!?…ッわかった…待っててね!戒人…!」

 

「それでいい…チビスケが…」

 

 そして私は彼を置いて先生を探しに向かい

 瀕死の重体の先生を見つけ…急いで病院に運んだ

 そして…戒人のいた場所に戻った…

 …だけど既に戒人のいた場所は

 崩れた建物の瓦礫で埋め尽くされていた…

 

「嘘だ…そんな訳ない」

 

 その瓦礫の近くには先ほど吹き飛ばされてしまった

 戒人の右腕が転がっていた…

 

「嘘だ…嘘…いやぁぁぁ〜…!!!」

 

 ………

 

『…先生の蘇生の可能性は絶望的です…』

 

「……」

 

『同時に…戒人さんですが…遺体も見つからず…』

 

「……」

 

『戒人さんがいたと思われる場所には

 …致死量の血溜まりがあり…

 貴女と別れた後死亡したものと…

 遺品と言える物も少なく…あるしたら

 …このボロボロのリボルバーくらいで…』

 

「……」

 

 私の手元には至る所に傷のできたリボルバー

 辛うじて武器として使う事はできるだろうが

 傷が目立っている

 彼がどれだけの修羅場を超えてきたのがわかる

 でもそんな彼でも死んでしまった…

 私を庇って…私が弱かったせいで…

 

「戒人…私はどうすればよかった…?」

 

 もう一度彼に会いたい…

 もう一度彼の声を聞きたい

 彼の笑顔がまた見たい…

 私にお節介を焼きながら笑顔を向けてくれる彼を… 

 また見たい…でもそれは叶わない…

 もう会えないのだから…

 私のせいで…

 風で私のマフラーは空に飛ばされてしまった

 私はなんとかそれを掴もうとしたが…

 マフラーは天高く舞って…

 どこかへ行ってしまった…

 

「……ごめんね戒人」

 

 私は戒人の右腕を埋めた墓石に花を手向ける

 彼はそんな事望んでなかっただろうけど

 私が間違えたらまた怒って…

 私を叱りに止めに来るかも知れない…

 そんな期待を…

 

よぉ!クソガキ!

 

 あぁ…彼の幻覚が見えるようになっちゃった…

 

「お前随分見た目変わったな〜?

 今時のガキンチョは成長速いな!」

 

 黙って…戒人みたいな事言わないで…

 彼はもう死んだのに…

 

「散々暴れてくれたみてぇだな?

 そろそろ調子に乗ったガキンチョに

 お灸を据えてやるよ…クソガキ」

 

「……」

 

 そう言い彼は機械でできた

 右腕の人差し指をこちらへ向ける

 

「さぁ…やり合おうか…!クソガキ!」

 

「……」

 

 ………

 

「……」

 

「面倒クセェなぁ〜!クソガキ!」

 

 なんで…どうして…

 彼は死んだって…

 なんで…彼にここまで似てるの…!

 遺体はなかった…でも…!

 まさか…彼の体を使って…、

 許さない…許さない…!

 

「しつこいんだよ!ガキンチョ!」

 

「……」

 

 どこまでも戒人だ…

 憎い…どうして戒人がこんな目に…

 彼は死んだのに…悪い大人に利用されるなんて…

 私が彼を楽にしてあげないと…

 

「全くよ〜可愛げのねぇクソガキだな…

 んぁ?あれ…お前の担任じゃね?」

 

「………ぇ」

 

 彼指を指した方向には

 ボロボロの先生…

 あんな状態じゃ…

 "楽に"してあげないと…

 

「おいおいおい!なにしようとしてんだよ!」

 

 私が銃口を向けて

 先生を楽にさせて上げようとすると

 戒人がホルスターからリボルバーを抜き取り

 私の持つリボルバーを弾く

 

「クソガキぃぃぃ…!こっち狙え〜!!!」

 

 戒人は既に私の目前におり

 戒人の拳が私の脇腹に狙いを定め…

 私を吹き飛ばした

 痛い…戒人の拳だ…

 

「なんで俺のパンチ食らってピンピンしてんねん!?」

 

「……」

 

 確かに…昔ほど痛くないけど

 結構痛い…後が残りそう…

 責任取ってよ…

 

「この生意気なクソガキめぇ…!」

 

 戒人は後ろのボロボロの先生を

 庇うように陣取っている

 私を睨みつけてはいるが

 その目からは彼の優しさ見え隠れしている

 …私にはそう見えた

 

「ひやひやさせんなよ…」

 

 すると先生は彼になにかを呟いていた

 その言葉を聞いた戒人は目を見開いていた

 

「まじで言ってんのかよ…冗談キツイぜ…

 あんたはそんな事言わなくていいだろ…

 俺に任せときな…!Teacher!」

 

 そう言い切った彼の目から

 迷いと優しさは消えた

 あの時…2年ぶりに会った時の戒人と同じ目だ

 また…あの目でみられてしまった…

 私は身構え…覚悟を決めると…

 

 戒人の背後から"異様な気配を感じ取った"

 

 嘘だ…先生がそんな訳が…

 嘘だ…嘘…嘘でしょ…

 

「嘘…いや、いやぁぁぁ〜…!」

 

「やめだ…やめ…

 護衛対象がそっち行くなら俺も抵抗しねぇよ…」

 

 先生の姿を見た戒人は

 その場で胡座をかいて諦めてしまった…

 この時彼を楽にしてあげるべきだったのに

 私にはできなかった

 手が震えて…まともに撃てない…

 でもこの時撃たなくてよかった…

 

 そして私達はプレナパテスとなった先生に

 ついて行った…

 

 体の至る所が機械に覆われていたが

 戒人は戒人のままだった

 

「何やってんだか…クソガキ

 この世界のTeacherに会ってきたのか?

 好きだな〜お前Teacherの事…」

 

「…ん?」

 

「ま…!俺は否定しねぇけど!」

 

「…どういう事…?」

 

「んぁ?あ!自覚なしか!

 俺が言うのは野暮ってもんだぜ…」

 

 この馬鹿はなにを言ってるんだ…

 私が好きなのは貴方なのに…

 本当に彼はなにも変わらないな…

 

 ……

 

「おい!クソガキ!お前はTeacherの元に行け!」

 

「……ん」

 

「俺が時間稼いでやるよ!

 ほらさっさと行な!俺が殿してやるよ!」

 

「…んいつもありがとう戒人」

 

「じゃあな!…クソガキ!」

 

「……名前また忘れたの…?」

 

「ひぅ…ひゅ〜」

 

 彼はわざとらしく口笛を吹いている

 いつもは上手だからわざとだろう

 

「おいおい待て待て!嘘だから!冗談だ!」

 

「…ん、なら言えるはず」

 

「……」

 

 黙っていれば解決するわけないのに

 やっぱり殴っておこう

 

「シロコ…」

 

「……え?」

 

「なんだよ?言われた通りにしてやったからな!

 じゃ!後はお2人に任せるからな!あばよ!」

 

「…え、いや…名前覚えてたんだ」

 

 ……

 

 "えぇ…と、ごめん…!"

 

 私はこの世界の先生に頭を下げられていた

 昔見た戒斗に土下座していた先生を思い出した

 

「いや…謝らなくていいよ」

 

 "いや!謝らせてほしい!

 戒斗君って子を引き止めるべきだったのに!"

 

 そう言い…先生は…

 水色の…ボロボロの…"マフラー"を取り出した

 

「…どうしてこれが」

 

 "戒斗君が言うには返すの忘れてたって…"

 

 よく見てみると修復しようと

 したような痕跡が残っていた

 

「…先生が直そうとしたの?」

 

 "え!?私はなにも…もしかして戒人君が…"

 

「……不器用だね戒斗

 

 "え?今なんて…?"

 

「ううん…ありがとう先生。

 これ以上迷惑は掛けない

 "戒人"は私が探す…。

 "絶対逃さない"誰にも"渡さない…」

 

 "そ…そっか…!うん…応援…してるよ?"

 

「うんありがとう先生。

 絶対連れ戻して先生を結婚式に招待してあげる」

 

 "えっ!?"

 

 戒斗には絶対責任を取らせる

 今更私を捨てる事はできないよ戒人…

 絶対に逃さないし…離さないよ

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

連邦生徒会長(失踪中)からモモトークが止まらない先生(作者:蒼雲しろ)(原作:ブルーアーカイブ)

失踪中の連邦生徒会長から▼「先生!私は今ここにいますよ!」▼「先生!大好きです♡」▼こんなモモトークが無限に届く先生が、連邦生徒会長大好きマンな話。▼なお、他の生徒たちは適当にあしらうとする。


総合評価:14/評価:-.--/連載:1話/更新日時:2026年03月17日(火) 19:01 小説情報

銃を持つ少女たちと死に損ないのブルーアーカイブ(作者:蒼雲しろ)(原作:ブルーアーカイブ)

「ただの、化け物だよ」▼キヴォトスに転生した青年が、色彩に魅入られる。▼銃を持つ少女たちとかかわって、青年が自分を見つけるまでの話。▼※主人公はブルアカ知識がありません▼旧作:色彩のせいで死にたいのに死ねなくなりました▼https://syosetu.org/novel/404648/▼途中まで書いた旧作をリメイクしたものです。▼


総合評価:335/評価:6.82/連載:21話/更新日時:2026年05月28日(木) 19:04 小説情報

偽アリスとして生きていく(作者:キヴォトスの企業担当を目指す人)(原作:ブルーアーカイブ)

アリスとはまた違う名もなき神々の王女の器に入ったオリ主君はサポートシステムに頼りながら生きていく…そんなお話。▼タグは後付けもありますし、亀投稿ですがお許しを…▼追記:ちょっと描き直しました


総合評価:185/評価:6.89/連載:4話/更新日時:2026年05月26日(火) 20:11 小説情報

僕は……ただの猫ですよ(ガチ)(作者:クレナイハルハ)(原作:ブルーアーカイブ)

ただし主人公のCVは石○ 彰である。


総合評価:613/評価:8.55/連載:2話/更新日時:2026年02月10日(火) 23:17 小説情報

桐藤エルナの邂逅録(作者:しゃけむすび)(原作:ブルーアーカイブ)

▼ 色々思うところあった作品をせっかくだからリメイクしちゃおうと思いましてね。▼ ぼちぼち続けられたらまたタグとかいじるかも。


総合評価:21/評価:-.--/連載:3話/更新日時:2026年05月06日(水) 16:45 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>