「なあ、白石。人に運転させておいて、カーナビも操作しないだなんてどうかしてると思うぞ」
『まあ、確かにカーナビを操作しないのは悪いとは思うが……』
無線機から流れる白石の声に、相槌を打ちながらハンドルをくるくると回す。崖のガードレールを破らないようにインド人を右に! ちょっとグレイプを擦った。
『なら助手席を用意しないかい?』
「すまない。無線置くためにスペースが必要だったものでな」
『……そっちこそ後部座席じゃダメなのかい? これは武装走行車両なことだし』
「いざとなった時、無線が手元に無ければ空爆が撃てないだろう?」
『なんでそんなに空爆に固執するんだい?』
「君、大丈夫かい? 空爆は男のロマンだよ?」
『私も君も女だよな?』
「二足歩行ロボットだって男のロマンの一つだろ!」
『……コンバットフレームか……。あ、今日はコンバットフレームの発煙筒を持ってきてるのかい?』
「ああ、ロマンだよな……」
『ロマンだね……』
コンバットフレーム……素敵だ……♡
「もうそろそろ着くぞ」
『二時間も運転させてすまないな』
「「うーーみーーー!」」
着ていたラッシュガードのまま、砂浜に身を投げ出す。
「海だな」
「海だね」
「海での戦闘慣れてないんだよな」
「なんで海で戦闘を……いや、キヴォトスならするね」
「するだろう?」
「ああ、だから空爆を持ってきたのか」
「いや、それは今日空爆の気分だったからだが」
「もし戦闘しなくても適当に要請しないでくれよ。ここは演習場じゃないからね」
「もちろん、今日持ってきたのはEDF屈指の超科学だからな。そんなポンポン打つものでもな……」
「話が変わった、今すぐ撃ってくれ」
「知識欲に負けるんじゃないよ」
今日の装備品は、スプライトフォール、スタンコプター、フォボス、警護カプセル、コンバットフレームだ。正味スタンコプターは選択をミスった。武装コプターとかの方が取り回しがいい。
「で、どうして海に私を呼んだんだ? エンジニア部の試作なら演習場でいいし、別に海に遊びに行くだけなら私である必要もないだろう」
「君の兵器を見たかったから……」
「グレイプに乗れ、帰るぞ」
「冗談だ!」
「……はぁ。で、何の用なんだ?」
「エンジンを搭載した最新サーフボードの検証をしたくてね」
「……意外だ、その機能しか積んでいないのか?」
「ふっふっふ、聞いて驚くな。なんとその速度は君が使っているバイク、
「君に期待した私がバカだった。やっぱりバカの巣窟じゃないか」
「言っておくけど、君もそのバカの巣窟の一員だからね?」
「私は厳然とした火力バカだからな、ついこの間だって……おおっと、これは
ちなみに、衛星系の兵器は改修があまりにも高コストで面倒臭いから、必要機能を全て完成させてからでないと打ち上げられない。
そのせいでサテキチ語録の一つ、『改良したの……出力二割増し♡』が言えなくなってしまったが、些細なことだろう。
つまり、今の私は最高出力、スプライトフォール スーパーデストロイを撃てるということだ。いくらキヴォトス人と言えど大火傷じゃ済まないから撃たないが。
「というか、速度じゃなくて、性能って言ったよな」
「言ったね」
「
「————うん」
「うんじゃねえよとんだ欠陥品じゃねえか馬鹿が!」
「いや、私が姿勢安定装置をつけてる可能性を考えないのかい?」
「つけたのか?」
「つけてないけど?」
「なんで考えさせたよ今ァ!」
なんなんだこの馬鹿は!
「大体、そんなモンスターマシンを作って誰に使わせる気だ。あんなの君には到底……待て、なぜ私に指を指している?」
「そのままの意味だが」
「俺はサーフィンなんかしたことねえわ!」
「安心してくれ、君ならできる」
「できたとしても地獄に行ってからだがな?」
「なんだ地獄前提なんだい」
「やらなかったか? 子供の頃」
「何を?」
「蟻の巣穴に水流し込むの」
「……私はやってないはずだな」
「私もやってない」
「君も大概じゃないか!」
仕方ないだろう。人は弄りたくなるものだ。
「泳げはするが……あの加速度なら、サーフボードから振り下ろされないか?」
「安心してくれ、体をしっかり固定できるようになっている」
「旋回したら溺死すんじゃねえかクソが今すぐ
「そこまでいうかい?」
「人の命がかかってんだぞ」
「ただ、それにはしっかりと対策が施されている」
「ほはう」
「一定以上の水圧がかかったら自爆する」
「サーフボードからの解放と共にこの世からの解放が来るだけじゃねえか」
「…………Bluetooth接続ができる」
「知らねえよBluetooth接続ができたところで死人が出ることに変わりはねえんだからさぁバカか?」
「しかし君もそのバカの巣窟にいるわけでな」
「もうこのくだりはいいよ。はあ……いざとなったら救助はしてくれよ」
サーフボードに体を接続して、サーフィンを始める。
「あああぁぁぉぁぁぁぁぉあ! わかってたよチクショョォオオ!」
皆様お察しの通りの沈没。EDF身体能力(拳)で自爆する前にサーフボードを叩き割……叩き割……叩き割……。
「
なんとかEDF身体能力(脚)でサーフボードを破壊。
「やっぱり碌なことにならなかったじゃねえかおい!」
「いや、すまない。二秒も海上にいれないものとは……」
「……拗ねた。かき氷を食べよう」
「自分で拗ねたっていうかい?」
「うるさい。私は君のせいで溺死しかけたんだ」
「それはすまなかった」
「まあ、生きているんだしそこまで言及することでもない。それよりかき氷が食いたい」
近くの海の家に向かって白石を連れて行く。——————ボンキュッボンだな、白石は。調月の水着を見たことがないからわからないが……白石は胸が大きいな。
「知っているか? 実は、かき氷のシロップは全て同じ原料だ。一般的に香料と着色料のみが違う原料で、まあ要するに味の違いはない」
「そうか……私はたこ焼きを食べる」
「そうか、まあ奢ってやろう。幸い懐には余裕がある」
「黒服さんからの融資かい?」
「流石に遊びの金まで出させないさ」
「じゃあ、どこから? 別にバイトもしてないだろう?」
「ああ、ついこの間
「私はヴァルキューレに連行される君の姿を見たくなかったよ……」
「そんな表沙汰になることでもない。安心してくれ」
「ならいいや」
「……随分あっさりしてるね」
「君が安心しろって言ったんじゃないか」
「複雑な乙女心をわかってくれよ」
「君ほど単純な人間もなかなかいないと思うけど……」
「今単細胞って言ったかい?」
「言ってないよ!」
店員からかき氷とかき氷でしか使わない謎のストローを受け取り、かき氷に差し込む。
「美味い。白石も少しいるか?」
「じゃあ、貰おうかな」
もう一つ謎のストローを手に取り、白石に渡す。
「じゃあ私のたこ焼きも一ついるかい?」
「……いや、流石に割に合わん」
「じゃあ君のかき氷の八分の一を……そんな目になる程嫌なのかい?」
「……いや、別にいいが」
「じゃあ交換するか」
爪楊枝でたこ焼きを口に運ぶ。
「
「そりゃそうだろうね」
「
「それはよかった。じゃあ私も」
「んぐっ。どうだ?」
「冷たいね」
「そりゃそうだろう」
「美味しいと思うよ」
「ならよかった」
かき氷を口に運んで美味しくいただく。
「やっぱアイスだよ」
「かき氷はアイスなのかい?」
「英訳だとshaved iceだからな」
「その意味は削り氷なんじゃ……」
「うるせえ」
「会話を全部すっ飛ばさないでくれるかい⁉︎」
「まあ、まあ。あー、おいしかった」
「そうだね。ありがと————」
爆発音が響く。規模感的には抗争。
「……なんで?」
「なんでってなんだい?」
「このまま泳いで帰ってそのまま飯食うつもりだったのに……」
「グレイプに乗れとか言った割に海を満喫する気だったのか……」
「もういい! フォボスフォボス!」
『全機、攻撃せよ!』
「……空爆?」
「空爆だぞ」
『アタック!』
抗争をしていた不良どもの頭に爆薬が降り注ぐ。
「これで解決ですね」
「残ってる。奥に」
「いてこましたろかー!」
「よくも戦友を! 仇を取ってやる!」
奥に、AFVだとか戦車だとかを大量に持った集団がたむろしている。
間違いなくこの数の差と装備じゃ勝てない。
助けてくれーーっ!(定型文)
「……どうしよ」
「君が処理しなよ。エアレイダーは三つまで装備持てるんだろ?」
「残りは最高機密とこの人数差じゃ雑魚……仕方ない。打つぞ」
「おお!」
『そこね?』
「おおっ?」
空から光の槍が降ってくる。全然スーパーデストロイではないので死人はでない……よな? 大丈夫だよな?
「おおおおー!」
『この兵器を作ったのは私、つまり私が神!』
「無線からえげつない内容が聞こえるがすごいじゃないか……!」
「あ、これ俺の声」
「何やってるんだい⁉︎」
『ようこそ。EDFの最高機密へ』
「変な物に招かれたー!」
「はははっ、漏らしたらエンジニア部にスーパーデストロイするぞ」
「スーパーってなんだい!」
「超粉砕だよ」
「和訳しろって言ってるんじゃないよ!」
「冗談、冗談、マ○○ルジョ○ダン」
「誰だい!」
「……誰だっけ」
「せめてわかってから使わないか?
——にしても、最高な武器だな」
「いい兵器だろ?」
「あれ、どこから撃ってるんだい?」
「衛星軌道上」
「……最高じゃないか!」
「最高だろ⁉︎」
「くれよ!」
「流石にダメだが!」
「えー……衛星からレーザーか……いいな!」
「いいよな!」
「……そんなもの作ったのか?」
「ああ。ある程度黒服のやつパクったけどそれでもきついわ」
「というと」
「……騒がないでくれよ。黒服にサテライトW1っていう衛星砲を作らせて、それを参考に作ったのがコレ……スプライトフォールだ」
「サテライトW1っていうのは?」
「運用時は主にバルジレーザーと呼称される。連続的に光線を打ち込む兵器だ」
「スプライトフォールは?」
「断続的に光線を打ち込む兵器」
「どっちの方が強い?」
「……難しいことを言うな、君は……。バルジはあまり動かないデカブツ相手に強い。スプライトは敵の巣なんかに強い。これじゃダメか?」
「使い分けか……」
「空爆だからね」
「そういうものか」
「ショットガンみたくどれが一番強いってわけでもない。……ショットガンも
「教えてくれよ」
「まだ未完成だからダメだ」
「どういうのかだけ」
「片方だけだぞ……一つ目のアレと二つ目のアレどっちがいい?」
「一つ目で」
「徹甲榴弾の散弾銃だ」
「……それ、強いのかい?」
「ああ」
「……何用?」
「何用ってデカブツ用だが」
「戦車とかコンバットフレーム相手にその間合いまで……君なら潜り込めるね」
「私をなんだと思ってるんだ?」
「変人」
「それ正面向かっていうことかなぁ!」
「できないのかい?」
「できる」
「やっぱりできるんじゃないか!」
うるさいな。
「そこまで騒ぐことでもないだろう。空崎ヒナの方が制圧力は高いし、美甘の方が単体破壊力は大きい。それに聖園ミカの方がパンチ力が高い」
「パンチ力はキヴォトスじゃ役に立たないよ……?」
「白兵戦を想定していないのか?」
「してないよ」
「時代遅れだな……」
「一体何週してるんだい! 時代を!」
「まあ、九周」
「……意外だ。君のことだからネイピア周とかくだらないギャグを言うと思ってたんだが……」
「今日の君私に対して毒強くないかい⁉︎」
まったく、失礼しちゃう。——ダメだ、需要がない。いくら私がスーパー美少女だとは言え。
「というか、誰だい空崎と聖園」
「空崎はゲヘナの風紀委員、多分このままだと風気委員長になる。聖園ミカはトリニティのパテル派、多分このままだとティーパーティになる」
「どんなところに知り合いいるんだい君!」
「いやいや、空崎はともかく聖園ミカは私が一方的に知ってるだけだよ。うん、トリニティの知り合いはサンクトゥス派のティーパーティになりそうな方だ」
「どちらにせよだよ!」
「…………何がおかしい」
「伝手!」
「……まず、街を焼き払うだろ?」
「うん?」
「空爆だよ」
「ああ、結構してるよね? 今日もしてたし」
「その後にゲヘナに行ったら話しかけられる」
「間違いなく危険人物としてマークされてるじゃないか!」
「そうだったのか⁉︎」
「詳しくは知らないが多分そうだろう!」
「嘘だろ空崎……私と甘いの食べに行ったじゃないか……」
「そうなのか……」
「ああ、行きと帰りに一回ずつ合計三回騒ぎに巻き込まれた」
「ん……? 数字合わなくないかい?」
「行きに空崎を狙って一回、店内で普通に強盗、帰りに私を狙って一回」
「休みだったろうに……」
「けど美味しかったし楽しかったぞ。なぜか私が外に出ると騒ぎに出くわすのはもう慣れたしな」
「今日もね……」
「すまん。まあ、スプライトフォールで満足してくれ」
「いいや、ダメだ」
「……ケジメか? 小指は……」
「そうじゃなくて」
「……私に責任……? もう取る方法なんて……まさか体か! 君は物好きなんだね……」
「違う違う違う違う! 私たちはせっかく海に居るんだよ!」
「……なんだい?」
「——泳ごう!」
————そうだな!
感想くれたら嬉しいです
ふとした興味です。みなさま、EDFとブルアカやってます?
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どっちもやってる
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地球防衛軍だけ
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ブルアカだけ
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EDF? ブルアカ? なにそれ美味しいの?