武装走行車両グレイプを運転しながら、黒服を送迎……にしたかったのだが、頼まれたのでボディーガードをする。顔を出さない用意はしてある。
「クックック……どうですか? ホシノさん。私の研究に協力していただくという点は……」
「その話は受けない。それより、その隣の
「ボディーガードですよ。それなりに恨みは買っているので」
暁のホルスと接触するって聞いてないんだけど〜〜! 聞いてたらもっと
「別に俺を気にする必要はない。ただそこにいるだけの木偶の坊だと思え」
「だったら銃口を下げてくれませんかね?」
「構わないが、別にそれでどうこう変わるというわけでもないぞ?」
「ブルリーダー、下げてください」
「——チッ、了解した」
「すみませんね。気性の荒い人で……」
なんで俺はここでまでブルリーダーの名を使っているのだ?
「ふむ、契約はお受けいただけないと……」
「だいたい、いきなりなんでボディーガードなんて連れ出したんだ」
「契約相手になるのに、護衛の話もしないのはどうかと思いまして……」
帰りたい。帰って遊び行きたい。美味そうなアイス屋見つけたのに……。
「私は! お前とは契約しない!」
「そうですか」
地獄みたいな空気の中で、必死に気を逸らす。空気が重い、なんか肌がピリピリしてきた気がする。
「ブルリーダー」
「なんだ?」
「退室してくれませんか?」
「わざわざ人に送迎させたり護衛させたりしてまで……わかった。少し出歩いてくる」
「なんでわざわざボディーガードを?」
「彼は口が軽いので……ここで、貴方へとプレゼントを一つ————」
「酷いな、あいつ……。まあ、いいや。チャリ漕ご」
無論、姿はつい先ほどのとは違う。覆面ライダーは浪漫があるが、覆面ママチャリは一切のロマンがない。
皆様ご唱和ください。黒服ゥ!
「ん、ママチャリで私と同等の速度を出すなんて……。一体何者?」
「通りすがりの美少女だ。覚えておく必要はないぞ」
「ん、ならここで追い抜く……ッ!」
「上等、私が先、お前は後だ」
長い長い一本道を走る。
銀髪——砂狼シロコに先を行かれないように足の回転速度を上げる。
「——ん、速い——ッ!」
「戦うと元気になるなぁ。敗北を意識するからこそ、勝利を実感できる」
「ん、そんなあなたの理屈」
殺人的な加速度で戦いを続ける。
「因みにこれゴール地点はどこだい?」
「ん、考えてなかった」
「おのれ」
「まあ、並走でもしよう」
砂狼と並走しながら会話を始める。
「名前は?」
「砂狼シロコ、そういうあなたは?」
「嵐山ハジメ。君はアビドスの生徒か?」
「うん、あなたはアビドス生じゃないよね? こんなところに来るなんて物好きなんだ」
「ああ、ミレニアムサイエンススクール二年生だな。……家がこっちの方にあるんだ」
「へえ…………ハジメ、あなたはアビドスに入学するべき」
「いや、俺はミレニアムの……」
「安心して、めんどくさい手続きは代わりにに私がするから」
「法的にダメ……じゃなくて、ミレニアムのエンジニア部だからね、俺……」
「わかった、ミレニアムを潰せばいいんだね?」
「無理無理無理無理! 人数差って概念知ってる⁉︎」
「ん……確かに。じゃあ、あなたを誘拐する。いくら強かろうとホシノ先輩と二人がかりなら誘拐できる」
「ん?」
「ご飯奢るよ」
「変なモン入れられそうだな……」
「なんだと思ってるの?」
やべー女。あっち向いてホイ強要女。
「やばい女」
「ん、心外」
「その原因は君にあるがな……。飯を食うにしても、割り勘か私の奢りだ。財政に余裕もないだろ?」
「ん、そうだけど……いいの?」
「いい。私の懐には余裕がある」
「どうして?」
「…………言わなきゃ、ダメか?」
「教えて欲しい」
「…………カイザーPMCのミレニアム支部の襲撃」
「ん……?」
「武力制圧だ。非合法組織を撤退まで追い込んで、金庫を強盗する」
「ん……!」
「…………すまない。あまりいい話では……」
「————最高だね」
忘れていた。
「そうだろ?」
「次に襲う時は私も呼んで」
「ちゃんと正体を隠せるものを用意しろよ。モモトークを交換しようじゃないか」
「ん、いいね」
「——そしたら、犯行計画も含めて飯屋に行こう、いい飯屋はないか?」
「そしたら、あっちに柴関ラーメンがある」
「ラーメン屋か、いいな。案内してくれ」
「いいよ」
「よう! シロコちゃん! そっちの連れは……、アビドスの新入生か?」
「うん」
「違うが! なんなら私君より先輩だからな!」
「え?」
「言っただろう、ミレニアムサイエンススクール二年、嵐山ハジメだって」
「ん————ミレニアムのところしか聞いてなかった」
「君は、アホか? アホアホ星人なのか?」
「ん、その星知らない」
「私だって知らないさ」
あったならスプライトフォールとサテライトW1で灼く。できればN6も使う。
存在しないところだけどネ☆
「で、何食べるんだい?」
「……豚骨ラーメン、チャーシュー二枚、ネギ一つトッピングで」
「あいよっ!」
啜る、美味い。加えて啜る、美味い。チャーシューを噛み切る。美味い。あー、美味い! もやしの食感もいい! 少しシャキシャキしてる方が俺は好きだ!
「美味いな」
「そうかい! そりゃあよかった!」
キヴォトスに来てから、もう一年も経つが獣人にまだ慣れない。ロボットはペッパーくんがいたから平気だ。
「多分ミレニアムのどのラーメン屋より美味いんじゃないか……? 追加オーダーよろしいか!」
「もちろん!」
「半チャーハンを!」
ラーメン屋では大声を張り上げるもの……な気がする。
「ん、大飯食らい」
「違うが? ただ朝飯食ってないだけだ。それに食べ盛りの男性ならこの程度は食べる」
「けどあなたは未成年女子」
「まあ、似たようなものだ。チャーハンも美味いな」
炒飯、それは中学生男子の聖餐——特に共働きの家だと——父も母も、世話をする人が一人もいない日での昼食、それは炒飯。
たまにの父しかいない休日、そういう時に作られる昼食、それも炒飯。
はじめて一人で料理をする時、少し醤油を入れすぎたあの炒飯。
と、家庭チャーハンに想いを馳せてみたもの、これは厳然とした店チャーハンである。店チャーハンにそこまで思い入れはない。
嘘だな、高校の帰り道のあの街中華……。
「うん、美味い」
半チャーハンをペロリと平らげ、ラーメンの方も美味しくいただく。
「ご馳走様でした。あー、うまかった」
「ん、結局犯行計画について話してない」
「あ、すまん——まあ、今はいい
電話がかかってくる。
「すまん少し出る」
店の外に出て、通話を始める。
「なんだ、今更」
『話が終わりました』
「迎えに来いと」
『そうです』
「チッ、わかった」
「すまん、友人に呼ばれた。金は……、……まあ、これからの期待も込めよう。二十でいいか?」
「ん……?」
折った札の束を机に置く。
「詫びも加えてだ。好きにしろ」
「黒服、少し自分勝手すぎると思わないか?」
「あなたに言われたくないセリフ堂々の第一位受賞おめでとうございます」
「妥当だな。で、どうだ? 小鳥遊にはフラれたか?」
「こっぴどく」
「そりゃ残念だな。お姉さんが慰めてあげようか?」
「吐き気がするほど気持ち悪いのでやめてください」
「すまんすまん。まあ、予定調和だ」
「気になったんですが、未来をどの程度把握してるんですか、貴方」
「ん、話してなかったか? ……わからん。少なくともオチはついてなかった。色彩の後になんかあるぞー。うおーーっ! ってところで終わった」
「その先の展開は?」
「俺ネタバレ踏むの嫌いだから、入ってきちゃった情報もあるけど」
「踏んでてくださいよ」
「そしたら俺の人生もネタバレしてくれよ。こんなことになるってわかってたら新しくできたラーメン屋行ってきたんだが……」
「家族に挨拶してきたとかじゃないんですね」
「いつ終わってもいいように、それが俺のモットーだからな。それに一人暮らしだったし特に気にしてねえだろ! ははっ!」
「うるさいですよ」
「すまんすまん、騒ぎすぎたか」
「ええ」
————待て、今の俺は未来を知っていて、協力者は一人(百合園は除くものとする)。そして俺は戦闘員。実質俺はストーム1なのでは?
——嫌だ。普通にやだ。俺ストーム1と似たようなこととかできない。それはまずい(定型文)許可できない(定型文)納得できないな(定型文)。
「まあ、あれか。どちらかというと先生の労働がメインだからいいや」
感想くれると嬉しいです♡
ふとした興味です。みなさま、EDFとブルアカやってます?
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どっちもやってる
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地球防衛軍だけ
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ブルアカだけ
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EDF? ブルアカ? なにそれ美味しいの?