M25 占拠
「……予定通り、先生がアビドスに到着した。どうぞ」
『そのまま上空から観察を続行してください』
「了解。敵性勢力が確認された場合、スナイパーライフル——パイロンA1かネレイドを以て排除する」
『わかりました。あと、映像記録は私に渡してください』
「私だけに
『別に構いませんが……」
「ああ、あと。適当なタイミングで、ブルリーダーという名で小鳥遊ホシノにちょっかいかけて私達へのヘイトを高めることにする。ボイスチェンジャーはしっかりと用意してあるから安心しろ」
『いつものうっかりしないでくださいよ』
「ならば常に『ブルリーダー』として振る舞う。これならば俺の正体が露見することはないだろう」
『今更ですが……ブルリーダーって何なんですか?』
「エルギヌスと会敵した戦車隊の隊長だ。EDF9では見事勝利を収めた」
『それ以前の世界では?』
「おそらく全敗だろうな。EDF8はもしかしたらあるかもしれんが……」
空に浮かぶヘリコプター……ネレイド2の中で、パイロンA1の整備をする。黒服脅威のテクノロジーの影響で、燃料が長持ちするのだ。たいしたもんだ!(定型文)
「あと、お前が変な設定を追加したせいで俺は狂犬になってしまったんだが」
『まあ、元から狂犬ですから』
「ただの火力厨なだけだ! お前の家にテンペスト打ち込むぞ!」
『貴方の家でもありますよね⁉︎』
アビドス高等学校、キヴォトス随一の広大な土地を持つ学校だ。かつてはキヴォトス有数のマンモス校だったが、砂漠化の影響によってその姿は影も形も無くなってしまい、今となっては超弩がつくほどの弱小校に成り下がっている。
「ひゃーはははははは!」
「奴らは既に連邦生徒会から見放されている! 攻撃しろ! 学校を占拠するのだ!」
ということは当然、襲撃を受けると言うことだ。しかし、少女達は一つ読み違えたことがある。ちょうど今日、アビドス高等学校にはとある大人がやってきたということだ。
"行くよ! 皆!"
その名も『先生』、連邦生徒会連邦捜査部を総括する存在である。その手に持つオーパーツ、『シッテムの箱』による補助もあり、ごく少数で戦況を優位にひっくり返せるだけの指揮能力を有している。
「盾だよ、集まって〜」
指揮をされているのは当然アビドスの生徒達。一番前で囮……壁役とも言っていい……を務めているのは、小鳥遊ホシノ。アビドス高等学校唯一の三年生である。
「無駄」
支援ドローンを使ってカタカタヘルメット団を吹き飛ばしている少女の名は砂狼シロコ。アビドス高等学校二年生で、アサルトライフルを用いてヘルメットをかち割っている。
「お仕置きの時間ですよ〜☆」
同じく二年生、十六夜ノノミが約100kgにもなるガトリングガン、『リトルマシンガンⅤ』を掃射してヘルメット団を排除する。
「覚悟しなさい!」
一年生の黒見セリカがアサルトライフルを使って、足止めを行っている隙に、シロコのドローンから放たれたミサイルがヘルメット団を吹き飛ばす。
「間に合ったみたいですね」
一年生、アヤネの投下した救援物資が前線のホシノを癒す。ホシノの持つ物資を使わずに癒せるというのは節約としていい物だ。
「あぁー! もう! どうして今回だけこんなに多いのよ!」
「うへ〜。多分だけど、物資が無くなったと思って総力戦に持ち込んで来たんじゃないのかなあ〜」
やんのかごらぁ、や、いてこますぞ、などと叫ぶ不良達をショットガンでいなしながら、ロケット弾や手榴弾などの爆発物を盾で弾く。
「ホシノ先輩、下がってて。友達からのプレゼントを使う」
シロコが発煙筒を投げる。その発煙筒の上空に向かってドローンが移動し、爆弾を大量に発射した。その名は武装マルチコプターM5。EDFの誇る、エアレイダーの携行兵器である。
「うへ? それは?」
「ミレニアムの友達から貰った。対大群に使えって」
「シロコちゃん、よその学校に友達いたんですね〜☆」
「けど、使い捨てに改造してあるから」
「なんでわざわざそんな改造してるの⁉︎」
「バレたら少し怒られるんだってさ」
ホシノが抑えていた相手が、突如地面に叩きつけられた。先生が思わず上を見ると、上空に黒い点が浮かんでいる。そして、そこから弾が発射された。
"ホシノ! 下がって!"
「うへ⁉︎」
ホシノがつい先までいたところに、弾が着弾し爆発を起こす。ホシノが抑えていた生徒達は爆発したロケット弾に一掃されたが、爆発の間近にいたホシノも、少しばかり傷を負った。
『あー、あー。こちら武装ヘリ、ネレイド。誤射した。すまない、上空より援護する』
どうやら味方のようで、次からは機体下部に搭載された自動補足オートキャノンのみで支援をするそうだ。その宣言通り、これから爆発は起きずに、一人一人排除されていく。
「ふぁあ〜、勝利勝利〜」
『こちらネレイド、友軍の勝利を確認した。補給のため一時帰投する』
"あのヘリコプターの人は?"
「うへぇ、おじさん知らないなぁ」
「ん、私も知らない」
「知りませんね〜☆」
「知らないわよ」
「すみません、私も……」
"……誰なの⁉︎"
謎のヘリに驚愕したのちに、ホシノが作戦を提案する。内容は『今後また襲撃を受ける前にこちら側から敵の拠点に殴り込みをかける』と言ったものだ。
「あのヘリの人の協力は得られないでしょうか☆」
「うへ、難しいんじゃない? 帰投するって言ってたでしょ〜。ここら辺でヘリの補給ができそうな場所って言ったらカイザーぐらいだけど、私達の協力をしてくれたってことはカイザーじゃないだろうし……」
"……カイザー?"
「知らなくていいよ〜。先生には関係ない話だからね〜」
「ちっ! 援護射撃が追いつかねえ!」
何であいつら帰投した直後に殴り込みかけやがったおのれ小鳥遊……! お前の勝手な判断で先生殺されたら俺の予定に狂いが生じるんだけど……!
「パイロンでも限界はあるんだぞ……」
ヘリから身を乗り出して、狙撃して、操縦席に戻って、高度を上げて、自動補足オートキャノンを三回撃つ。この繰り返しで少しずつ数を削っているが、疲れというのは溜まるものだ。
「エアレイダーで来たら良かった……訳でもないな。レシーバーに通信が来るからブルリーダー=謎のヘリパイ*1X=嵐山ハジメの等式が成り立ってしまう」
小鳥遊に近寄る奴を、小鳥遊が『eye of horus』で射撃する前にパイロンで倒して救済する。どう考えてもあのショットガンの方が痛いからな……。
「ずっとリロードしてる……!」
高台からロケットランチャーを構える奴をパイロンで倒して、ついでにその高台をロケット砲で破壊する。
「こちら武装ヘリネレイド。燃料が切れそうだ、帰投する! あとはお前らでやれ」
もう知らん! まじで燃料切れるし!
「黒服、カイザーのとこで燃料補給できるか交渉してくれない?」
『……まあ、いいですよ』
「よーし、サンキュー」
『はぁ……調子いいですね』
「調子いいのがわかってるのか。実は今朝から違法薬物キメたみたいに調子が良くって……」
『ツッコミませんよ』
「ああ、調子いいのはマジだぞ。ブラックマーケットでかっぱらってきた電子タバコのおかげかな?」
『堂々と未成年喫煙をしないでください』
「ツッコんだな?」
『そういう策略でしたか……』
「うん」
『あ、燃料補給の許可が降りましたよ』
「やったー。じゃあ信号を出すぞ。やられないだろうからな」
『好きにしてください』
「君が黒服の部下か」
「あくまで契約関係——協力者に過ぎん」
「大人の関係とはそう言うものだろう?」
「雇用契約ではないと言っているんだ」
「クククッ、奴の部下にされるのは心外だったか」
「そうだな。あんな奴の部下になるなら頭をぶち抜いた方がマシだな」
パイロンA1をX-400オーキッドに持ち替えて、マガジンを装填する。バックパックに
「——ああ、ところで。辺りを取り囲んでいる兵を下がらせてもらえるか? お前を先に殺すぞ」
「……もうバレたか」
「で、どうする? いくら
「……チッ、下がれ」
足音が聞こえてくる。理事にアサルトライフルを突きつけたまま、目をずらして、下がったことを確認する。
「……給油をしてほしい」
「わかっている。どうだ? 少し整備などもしていかないか?」
「リバースエンジニアリング*2するつもりだろ。いらんいらん。給油だけしてくれ」
「どうだ? 今の二倍でPMCに引き抜きは……」
「そっちもお断りだな。俺は奴の財力じゃなくて奴の技術力目当てに契約している」
「そうか——ならば……」
「だから殺すぞ?」
「まだ何も言っていないだろう!」
「けどやろうとしただろ?」
「したが」
「協力感謝する。えーと、金額は……」
「十三」
「なるほど、十三円か。激安の殿堂的な価格だな」
「十三万だ!」
「ちょっとしたジョークだよ。もっと心にゆとりを持とうぜ」
懐から黒服の口座に繋がった小切手を取り出して、そこに十三万と手数料分を書き込む。
「これで」
「ああ」
「……じゃあ、戻る」
「戻るとはどこにだ?」
「アビドス上空。貴様なら察しているとは思うが、小鳥遊ホシノと先生、二人の監視を奴から依頼されていてな」
「……それはボディガードではなく下働きなのでは?」
「否定はせんが。否定はせんが次言ったら二重の意味で首はないと思え」
「やめろ!」
「じゃあ言うなよ」
ネレイドに乗り込んでカイザーPMCの基地を出る。対空射撃に気をつけて、再びアビドスに戻る。
「……アビドスにベース作るか。あって損なもんでもねえしな」
黒服の所持するビルの上にネレイドを乗っけて、双眼鏡で先生達の様子を眺める。
「……正しき世界からしてそりゃそうだが、これ、俺いらなくない?」
なんか、内容薄くない?
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EDFやってないからよくわかんないよ