ペロロジラ? うるせえ、バルガでぶっ叩くぞ!   作:るりから

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M29 強襲

 最高に楽しい遊びを教えよう。まず、これだと思った会社に堂々と入る。おすすめ時間は昼だ。夜だとこの後の楽しさポイントが減るからな。

 で、会社に入ったら——

 

 ——警備員を一人アサルトライフルでぶち抜く。そして、事前に作った資料通りに移動して社長室まで移動、そいつを殴り倒して窓から飛び降りる。そしてブラックマーケットの地面に着地!

 

「楽しい鬼ごっこ、はっじまーるよー!」

 

 みんな幼い頃やっただろう。ケイドロというやつだ。まあ、俺もマーケットガードもクソカスの犯罪者なのだが……むしろ私は悪を以て悪を制しているから善な気がしてきた。

 

 一瞬振り返ってライサンダーでぶち抜く。またまた振り返ってライサンダーでぶち抜く。やっぱりマーケットガードは強いけど私に比べるとまるでバスターショットを持った時のエルギヌスのように弱い。あ、流石に戦車は強いから優先してライサンダー。

 事前に停めておいたバイクを回収して全力で加速させる。まあ、つまり伝統の外周戦法だ。

 

「マーケットガード共を地獄に落とせ!」

 

 

 

 アビドス高等学校、廃校対策委員会一同に加えて先生、彼らは先日の襲撃に使われた兵器の出所を確認しに、ブラックマーケットまで来ていた。

 

「ここがブラックマーケット……」

「わあ☆ すっごく賑わってますね?」

「本当に、ハジメ先輩に聞いてた感じもっと小さな市場みたいなものだと思ってたけど……」

 

 まるで観光かのような緩い雰囲気でブラックマーケットの中をプラプラと歩く一行。

 

「こらこらシロコちゃん、あまりはしゃぎすぎないの。こんなところにはどんな変な人がいるかわからないよ〜」

 

「戦車を追加で出せ! 我々の威信に関わるぞ!」

「止められません! あの女のアンチマテリアルライフルに吹き飛ばされます——うわぁ!」

「返事をしろ! 返事をしろ! チッ……! その女を逃すな!」

 

「ほらほら、あっちでは騒ぎが起きてるみたいだし……」

「それもそうだね」

「にしても、学区外なんて初めて来たな〜。学区外といえば、トリニティにはでっかいアクアリウムがあるらしいね〜。一回行ってみたいな〜」

"私がチケット買おっか?"

「うへ、流石にそんなことさせられないよ〜」

 

 にへらと笑うホシノとは対照的に、焦ったようなドタドタという足音と、助けを求める声が聞こえてくる。

 

「うわああ! まず、まずいですー! ついてこないでくださーい!」

「ダメだ」

「それは難しい」

「許可できない」

「すす、すみません! どいてください!」

 

 シロコは身を翻そうとするが一手遅く、走ってきた少女とぶつかってしまう。

 

「大丈夫? そんなわけないか、追われてたし……」

「あ、あう……」

「少しいいかい? 私たちはそこのトリニティの嬢ちゃんに用があるんだよ」

「わ、私はないんですが……」

『……思い出しました! その制服、キヴォトス一のマンモス校のひとつ、トリニティ総合学園のものです!』

「そう! そしてキヴォトス一の金持ち学校でもある! だから拉致って身代金をたんまり頂こうってわけ!」

「中々の財テクだろ? お前らも乗るか?」

「あ、あんまりですー!」

 

 シロコとノノミが二人に接近し、弾を幾度も打ち込む。

 

「うへ、やるつもり? わかったよ」

 

 盾で大口径弾を防ぎながら、少しずつジリジリと前進する。シロコはその隙を補うようにアサルトライフルで攻撃している。

 

 

 

 わざわざ書くまでもない一方的な紛争だったので、割愛。

 

 

「ありがとうございました……あ、でも……マーケットガードが……」

"マーケットガード?"

「はい、ブラックマーケットとはいえ、銀行もありますし色々な商店もありますから、それなりの自治機構が。騒ぎを聞きつけて……」

 

「周囲には敵しかいない、笑えるな」

「さっさとその女を殺せ! 戦車砲の一発でも喰らわせて失神させろ!」

「ダメです! 戦車はあのアンチマテリアルライフルに破壊されました!」

「くそっ!」

「全く、嫌だな。これだから腕から銃を生やした連中は……」

「黙れ! 銃を撃っているのはお前もだろ!」

「ぴいちくぱあちく煩いなァ、少しは"オチツキ"とか"レイセイさ"ってのを、身につけてみたらどうだい?」

 

「うわーっ! あれが、あれがマーケットガードです!」

"あれが……って!"

「ハジメ先輩⁉︎」

「おお、砂狼じゃないか。しかして少し待っててくれよ。コイツらを叩きのめすのに少しばかり手間取っている」

「手を貸した方がいい?」

「いや、不要だ」

「うん、わかった。手を貸すね」

「話を聞いていたか? 君は」

「聞いてはいたよ。けど、私がそれに従う必要がある?」

「相変わらず無茶苦茶な……」 

 

 口ではああだこうだ言いながらも、連携はしっかり取っていて、シロコが前に出るのをバイクについた機関銃や手に持った狙撃銃で補助する。

 そのスナイパーライフルに撃ち抜かれた戦車は見事に爆散した。

 

「うへ、んじゃ、私も手を貸そっかな〜」

「じゃあ私も〜☆」

「やればいいんでしょ! やれば!」

「あはは……じゃあ、私はお暇……」

「ん、貴方はブラックマーケットに詳しいから、ついてくるべき」

「えっ」

「助けたお礼に」

「わ、わかりました〜」

 

 ハジメの対物ライフル——ライサンダーから放たれた大口径弾がマーケットガードに突き刺ささった。そうするとライサンダーをしまって、アサルトライフルを取り出して弾幕を張る。

 

「砂狼、奥のロケットランチャー」

「わかった——前の盾を破壊して」

「0.3秒待て、ライサンダーで破壊する」

「ん」

 

 再び取り出されたライサンダーによって盾が木っ端微塵に砕かれる。

 

「ユニット起動」

 

 シロコのドローンから放たれたミサイルが、戦車とロケットランチャーを破砕する。

 

「ふむ……私が盾持ちを破壊する必要はあったか?」

「まあ、念押し?」

「……そうか。——ッ、悪いがその手榴弾は通さない!」

 

 飛んできた手榴弾をアサルトライフルで撃ち落とし、フリージャーの機関銃で追い払う。

 

「あ、燃料切れた」

"大丈夫⁉︎"

「破壊しておけば問題ない。一番の問題は鹵獲だからな」

"そ、そうなんだ……"

「そうだ……阿慈谷、(デコイ)

「え、な、何で私の名前を⁉︎」

「お前は私の友達(百合園セイア)友達(桐藤ナギサ)の友達だ」

「わ、わかりません!」

「だろうな。なにも君に私ほどの情報収集力は求めていないし……」

 

 ペロロ型の囮を利用して、敵を一掃する。手法は大人しく弾幕の雨霰なので、本当は別に大人しくも何ともないのだが。

 

「殲滅完了、口ほどにもなかったな」

 

 

「じゃあ、ハジメさんの方が詳しいでしょうし、私はここでお暇……」

「案内役は多いに越したことはない」

「ん、助けたお礼に同行して」

「は、はい……」

 

 

 

「あ、あそこにたい焼き屋さんがありますよ☆ 食べませんか?」

「君たちはブラックマーケットを観光地の横丁かなんかだと……。まあ、いい。懐には余裕がある。私が払おう」

「いやいや、私が払いますよ☆」

「年下に払わせるのはプライドが許さん。いくら鯛焼きとは言え、ブラックマーケットの物価はそれなりに高いからな」

「うへ、じゃあそこに一番の年上がね〜」

 

「先生、こっそりこのカードで……」

「先生、後で振り込んでおこう」

"二人とも私を何だと思ってるの⁉︎"

「先生」

「金欠」

"流石にこのくらい払えるから……"

「食うに困ったら言えよ。簡単なものだけだが作ってやる」

"ハジメの手料理⁉︎"

「じゃあ私も☆」

 

 結局先生が金を払い、人数分のたい焼きを手に入れる。

 

「すみませんね。私たちだけ……」

『私もおやつ食べながらやってますから……あ、そうです。お二人、この砲弾の型番に覚えは……』

「すみません。ありませんね」

「……この砲弾に覚えはあるが、これは落伍者が多く使う代物だからな……どの団体が使った?」

「カタカタヘルメット団よ」

「……どの団体の支援だ? 大体どこのヘルメット団も生活は困窮しているから、たぶん何処かの支援を受けていると思うが……」

「……わかりませんね☆」

「なら……私にも手立てが思いつかんな…………待て、過去に便利屋に襲われたという情報がある」

「うへ、そうだね……」

「つまり、何らかの組織が意図を持って襲撃を仕掛けたということだな」

「うん」

「……どこの組織かはわからん」

「ちょっと⁉︎」

「わかるか。はあ…………知り合いのハッカーに探らせてみるか?」

「いや〜、流石に平気だよ〜」

「うーむ……」

"少し、歩いてみよっか"

 

 

「ん、あれ……」

『あ!』

「騒ぐな。感づかれる……で?」

「はい、実はあの人、うちに集金回収をしてきている人で……」

「ん、ハジメ先輩。こうなったら手段は一つしかない」

「……私はやらないぞ。やっても陽動までだ」

「わかってる」

「シロコちゃん?」

「シロコ先輩?」

 

 

「ん、銀行を襲う」

 

 

「砂狼、顔を隠すモノは?」

「ハジメ先輩はいる?」

「私はいらない」

「あの……私の分は……」

「ごめん、あなたの分はない」

「そうしたら、これを使えば……」

 

 

「似合っているぞ、戦友」

「馬子にも衣装ってやつだね」

「あ、あう……」

 

 つい先程の鯛焼きの袋を頭に被ったヒフミを囲んでギャアギャアと騒ぐ。

 

「作戦はこうだ。私が外で暴れてマーケットガードを足止めする。その隙に君たちがブツを取ってこい」

「今回の目当ては集金書類だから、『金を出せ!』じゃなくて、『集金書類を出せ!』ね」

「少し待ってくれ、コンバットフレームが到着するまであと十分だ」

 

 

 

「こ、これがコンバットフレーム……」

「大きいねぇ……」

「第五世代型コンバットフレーム、ニクス。この装備は基本的にニクスC3と呼ばれる汎用型だ」

「たしか、バーナー、マシンガン、ミサイルにロケットだっけ?」

「バーナーとミサイルはあってるが、リボルバーカノンにショルダーハウィツァー(肩部榴弾砲)だな。これ二台で陽動する、私も着替えたことだし」

「あ、いつの間に!」

「全身鎧?」

「エアレイダーの装備だ。由緒正しいな」

 

 オレンジ色のバイザーがついた緑色の鎧を着て、無線をいじる。

 

「見た目こそあれだが敵母艦の主砲は乗っ取れたりしない。所詮は空爆誘導兵よ」

 

 

"よし、銀行を襲おう!"




コンバットフレーム、いいですよね……セイバーエイレンは出すの随分先ですけど……
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