感想ください。
「ブラッカー、戦列を維持しつつ前進。バリアスは射角を広く取れ。グレイプは敵陣に突っ込んで撹乱。タイタンは更に前進して壁になれ、コンバットフレーム……ゴーンは後退してミサイルを、イオタは前進し榴弾砲を叩き込め。グラビスはタイタンに並び、ヘビーリボルバーを喰らわしてやれ」
ハジメの指示通りに戦列を変え、火薬と鉛玉を叩き込む。エイレンもただ突っ立っているばかりというわけもなく、電磁レーザーで兵士たちを焼き払う。
「タイタン、レクイエム砲をゴリアテに! シールド持ちから吹き飛ばせ! イオタはマシンガンを合わせろ! グレイプは下がりながら拡散速射砲で牽制しろ!」
コンバットフレームの背後から数機のヘリコプターが飛んできて、空中を巡回し始めた。もちろん対空砲が火を吹こうとするが、発射する前に
「さあ、勝負はこれからだ。エウロス、バルチャー搭載機は対空砲を重点的に狙え! ブルートD7はビークルを中心に、非バルチャー搭載機は歩兵を中心に狙え!」
飛んできたゴリアテの機関銃のほとんどはタイタンの重装甲に弾かれ、残った一部の弾もグラビスの装甲の前に意味はない。
ゴリアテはピットブル速射砲に体勢を大きく崩され、それによってできた隙にレクイエム砲を叩き込まれる。グレイプは拡散速射砲を戦車に打ち込んでその後退を妨害する。
「ネグリング自走ミサイルが到着した! ミサイルを叩き込め!」
ネグリング自走ミサイルからミサイルが発射される。ある一定の距離を飛翔したミサイルはあらかじめ指定された目標狙って飛んでいく。ヘリコプターはミサイルを避けようと動きを変えるが、追尾したミサイルが激突し、撃墜する。
「うわーっ!」
「助けてくれーっ!」
地面の兵士たちにミサイルが直撃する。火力がそこまで高くはないので、一撃では沈まないが体勢を崩すのには十分な火力を持つ。戦車には効かない。
「イオタ隊、リボルバーロケットカノンをタンクにぶちかませ!」
いくら戦車と言えど、ロケット砲の集中砲火には耐えきれず、爆散する。増援として、クルセイダーが何台もやってくる。
「ブラッカー! 敵のクルセイダーを破壊しろ! 主砲の火力も装甲性能もこちらが上だ!」
ブラッカーの主砲がクルセイダーに直撃する。戦車が大破することはないが、砲塔が捻じ曲がり攻撃能力を失う。
「コンバットフレーム、歩兵を近寄らせるな。ヘロンとブルートは、これを支援しろ! ——チッ! なかなか仕留めきれん。早くプロテウスが到着したら……」
「私じゃダメかしら?」
「……君は北側にいたはずじゃ?」
「私がやっていたのは陽動だから、好きに動けばいい」
「なるほど、そういう道理か」
「ハジメのソレは……」
「コンバットフレームだ」
「委員長……! 速い……!」
「ごめん」
ヒナのマシンガンが歩兵を吹き飛ばす。遅れてやってきたイオリがゴリアテをスナイパーライフルの三連射で抉る。
「銀鏡、タンクを盾にしろ。別にコンバットフレームを盾にしてもいい」
「……ハジメ先輩」
「なんだ。銀鏡」
「……歩兵はどこにいるの?」
「俺だが」
「今はコンバットフレームに乗ってるじゃん」
「……じゃあ空崎」
「それは……」
「ハジメが歩兵を連れてないのはいつものこと。気にすることはない」
コンバットフレームがマシンガンでヒナを援護する。倒すのに少し時間がかかる戦車やゴリアテには電磁レーザーや戦車砲が撃ち込まれ、大きく吹き飛ばす。
「砲兵の攻撃が始まるぞ!」
カノン砲や榴弾砲、迫撃砲が降り注ぐ。戦車やゴリアテ、自走砲や装甲車が大破し、消し飛んだ。
「……ん?」
「……少し、過剰なんじゃない?」
「……いや、俺が命令したのはカノン砲と迫撃砲だけで、榴弾砲なんて撃てって言った覚えないんだが……」
『あわわ、大丈夫ですか? ハジメさん!』
「今の私はハジメではない。イオタ1だ。ヒフミ」
『私もヒフミではありません! ファウストです!』
「……君たちからの支援射撃か? 覆面水着団」
『……はい!』
ハジメの乗ったエイレンから粒子ビームが放たれ、それがゴリアテの頭を潰す。
「たかがメインカメラがやられただ——うわぁ!」
そんな状況で戦い続けることができるわけもなく、榴弾砲に激突する。大破した。
「プロテウスはどれくらいで到着する?」
「四十五分はかかる」
「わかった」
電磁レーザーがゴリアテを灼く。
「あぁ……なかなか終わらんな。まあ、そこまで焦るようなことでも……」
突如、橙色の光が空を裂く。それはタイタンを破壊して、砂の大地を焦がす。破壊されたタイタンは爆破し、周囲に爆風を作る。
「——は?」
白銀の装甲で身を覆った機械の蛇。その頭上に浮かぶ橙色の光輪。雄大な姿を持つ静観の理解者。砂嵐を巻き起こすその存在の名は——
『ホシノ先輩の位置、特定できました! あそこのバンカーの下です!』
「……行こう!」
「はい、急ぎましょう!」
再び少女たちの前にPMC理事が立ち塞がる。
「しつこい……!」
「どれだけ邪魔すれば気が済むのよ……!」
「退いてください! さもないと……!」
「対策委員会……ずっとお前らが目障りだった。これまでありとあらゆる手段を講じてきた。利率を上げ、不良を送り……それでもお前たちは、滅びかけの学校にしつこくしがみついて、どうにか借金を返済しようとして……あれだけ懲らしめたのに! 徹底的に苦しめたのに! 毎日毎日楽しそうに! お前たちのせいで! 私の計画が、私の計画がぁぁぁぁぁあ!」
絶叫するPMC理事にシロコが銃を向ける。
「ふん、あんたみたいな姑息で浅はかな奴に……!」
「ホシノ先輩を返してもらう」
「やりますよ〜」
『先生、指示を!』
"皆、いくよ!"
シロコのドローンから放たれたミサイルが兵士の盾を吹き飛ばし、本体をノノミがリトルマシンガンⅤで撃ち抜く。ドローンがシロコの射撃に落とされ、爆破した。
「許せない!」
セリカが怒りを露わにしながらリロードをして、何発もアサルトライフルを放つ。光輪付きもなしも、等しく排除された。
「お仕置きの時間です〜☆」
ノノミのマシンガンが増援を蹴散らす。シロコがアサルトライフルでその隙を補完する。
「奴らを叩きのめせ!」
新たに増加装甲をつけた戦車が現れる。その随伴として、複数人の歩兵が同行する。歩兵にアサルトライフルが何発も突き刺さり、失神まで追い込む。
「戦車……ッ!」
「……私が囮になる」
「シロコちゃん、お願いします」
シロコが二人から離れて動く。戦車の装甲の隙間を狙って弾丸を撃ち込むが、さすがは戦車、破壊には持ち込めずに主砲を放つ。
いつもならばホシノが囮をしているが、今回はいない。唯一戦車を倒すことのできる火力を持つシロコは囮として動いている。
「シロコ先輩! 私が囮になる! シロコ先輩は要請して!」
「ん、ありがと」
セリカが前に出て主砲を撃つ。もちろん仕留めることはできないが、注意を引くことはできる。シロコの放ったマーカーが上空のDE-202と通信し、ロケット砲を放った。
「これで……」
「やりました!」
「ん、まだ来る」
ゴリアテがやってくる。随伴歩兵はノノミがリトルマシンガンⅤで吹き飛ばした。ゴリアテの機関砲がシロコに向かって火を吹く。軽快なステップでそれを避けるが、そのせいで空爆は打ち込めない。
「なかなか……」
『後方支援、到着しました!』
シロコに救援物資が到着して、治療する。
"ノノミ!"
「お仕置きの時間です〜☆」
ノノミがゴリアテに向かって集中砲火する。隙ができ、そして、その隙をシロコは逃さない。
「状態良好、いくよ」
実験室の中、小鳥遊ホシノはそこにいた。
『ねえ、ホシノちゃん。私ね……ホシノちゃんと初めて会った時、これは夢なんじゃないかと思って、何度も頬を抓ったの』
もう訪れることのない
『ホシノちゃんみたいな、可愛くて強くて頼りになる後輩が近くにいるなんて……夢みたいなことが本当に嬉しくて……うーん、うまく説明できないかもしれないけど…………
ただ、ホシノちゃんが一緒にいることが私にとっては奇跡みたいなものでさ』
『……毎日毎日、こうして一緒にいるじゃないですか。昨日も今日も、明日もそうです。こんな当たり前のことで、何を大袈裟に』
『はぅう……だって』
『奇跡とはもっとすごくて、珍しいもののことですよ』
『ううん、ホシノちゃん。私はそうは思わないよ。ねえ、ホシノちゃん。いつかホシノちゃんにも可愛い後輩ができたら、その時は——』
「…………」
「先輩はすぐそこにいるはずです!」
「ん、壊れない。今度は空爆を……!」
「あ、アヤネちゃん! どうやってここに!」
「シャーレに貸してもらったヘリで! ホシノ先輩は!」
「ここです! でも、扉が開かなくて……」
「こんの!」
何かが破壊される音が鳴り響く。
(夢でも見てるのかな……。それでもいいや、最後に……皆と……)
「ホシノ先輩!」
ホシノの前に、四人の少女と一人の大人が立つ。
「あれ……どうやって……だって……私は……」
"ホシノ"
「……後輩たちと、先生が……大人が……」
「……お、おかえり! 先輩っ!」
「ああ、セリカちゃんに先を越されてしまいました〜☆ 恥ずかしいから言わないって言ってたのに……」
「う、うるさい! 順番なんてどうでもいいでしょ!」
「…………無事でよかった」
「ホシノ先輩、おかえりなさい!」
「ん、おかえり」
「おかえりなさい☆」
「あはは……なんだか皆、期待に満ちた表情だけど……求められてるのは、あの台詞?」
「ああ、もう! わかってるなら焦らさないでよ!」
「うへ〜、可愛い後輩の頼みだから、仕方ないねぇ〜……」
「ただいま」