「黒服、無人操縦などは可能か?」
「どうしたんですか? いきなり」
「ついさっきシミュレーターを弄ってたんだが、プロテウスがいかんせん使いにくい。バスターカノンもミサイルも強いんだが、これは一人で使う物じゃないな」
「うーん、片手間にやってみるので期待はしないでくださいよ」
「わかってる。ん、少し他所行ってくる」
「どこですか?」
「いつも俺につけてるドローンで把握したらどうだ?」
「バレてるんですか?」
「バレてるに決まってんだろ」
「隠す気ないからいいですけど」
壁掛けのガンラックから、プロミネンスM2とミニオンバスターMK2を選ぶ。腰につけているポーチの中身を確認して、戸を開け放った。
「フリージャー、フリージャー……」
ついこのあいだの事故で凹んだ箇所はもう(黒服が)直していて、普段通りに使う事ができる。鍵を挿して、手を捻り、エンジンをかけた。
「機関砲も付いてんだよな。こいつ」
外周戦法ではあまり使わないものなので忘れていたが、機関砲が付いているからこいつだけでも攻撃が可能なのだ。しかし攻撃したいなら戦車かヘリでも使えばいい。
フリージャーに跨って、ミレニアムに向かう。まだまだ新入生だからな。しっかりと好感度を稼がないと……。はっ! 女子校に、男が一人……どこぞの18禁ゲームかな?
「やあ、調月じゃないか。どうしたんだ?」
「ああ、ハジメ」
手を軽く上げて、調月に挨拶をする。相変わらずのプロポーションだな、流石だ。さすが調月。ミレニアム……いや、キヴォトス一のプロポーションをしている。
「少し困ってて。ここで自作ロボットの稼働実験をするつもりで、セミナーに許可をもらってきたのだけれど、ほら」
「戦車隊か……ダブルブッキングか?」
「彼らも何かの実験をしているそうだけど……違うそうよ」
「わかった。破壊する」
眼前に大型の建物をない事を確認して、プロミネンスを構える。ロックが——完了した。あとは、トリガーを引いて……。
「ちょっと待ってちょうだい。それは何?」
「プロミネンスM2。高高度ミサイルランチャーとでも称そうかな!」
真上に向けてミサイルを発射し、軽く敬礼をする。二発目を別の戦車にロックし、発射。三発目を……四発目を……。
「まだ着弾しないの?」
「上を見ろ、もうそろそろだ」
「ミサイルだ! 上からとんでもない数のミサイルが降ってくるぞ!」
「あれが全部爆発するのか⁉︎」
「数が多すぎる!」
「退避! 退避!」
「もう遅い! タンクの後ろに隠れろ!」
プロミネンスが着弾した。爆風が吹き荒れる。
「こちら、嵐山ハジメ。突貫する!」
「えっ?」
ミニオンバスターを戦車に打ち込む。対コンバットフレーム用とはいえ徹甲榴弾だ。AFVにも十分な破壊力を有する。
上から降ってくるミサイル弾を避けながら、タンクに接近してアサルトライフルを接射して戦う。さっさとバスターショットを作れ、黒服。
「化け物だ! 化け物がいるぞ!」
「心外だな。ただ使っている武器が君たちより少し強いだけだよ」
バスターショットを作って欲しい気持ちが抑えられなくなってきそうなので、発煙筒を投げて別のものを呼び出す。
敵タンクの数はまだ多く、いくら俺がEDF隊員だからと言って、この数の処理は困難を極めそうだ。最後のミサイルも着弾したし。
「援護するけれど、たいしたものは持っていないわ」
調月の方向から機関砲が飛んでくる。戦術航空作戦の悪夢を思い出させないでくれよ。なんでクルールを倒した後に味方の
「機関砲を撃ってるやつを叩け!」
「無理だ! 手前のやつが邪魔してくる!」
「飛行機だ! 上を飛行機が飛んでるぞ!」
輸送機ノーブルが発煙筒の上にたどり着く。
『接続、解除』
降ってきたコンテナが開くのを待ち、開いた瞬間乗る。
「電磁誘導砲、ファイア!」
つまり、イプシロン自走レールガンだ。放たれた弾は戦車の走行を貫通し、爆発させる。戦車が十数台もあるので、一撃で破壊できるレールガンは有効だ。頼りになるレールガンだぜ!
「あの自走砲! 横にも搭乗室があるぞ! 乗り込め!」
バレた。だが、そちら側を調月に向けたまま後退すれば……。あっ、誤射した。ビルが崩れちゃう〜。黒服の懐が……。
「無理だ! あっちには機関砲がついてるロボットがいる!」
「ついてるだけじゃない! 撃ってる!」
主砲に装填されている弾数が二十五発しかないことからわかると思うが、レールガンは小回りがきかない。敵歩兵の接近戦は脅威だが、それを補助する味方側の歩兵さえ居れば……。
「あっ、弾切れた」
敵AFVを二台残したまま主砲の弾が切れてしまった。敵歩兵の数はそこまで減ってない。助けてくれーーっ!(定型文)
「どこのどいつだ……。ついさっきあたしに弾をぶち込んできやがったバカはよぉ……」
あれ、俺、死んだ? もしかして、コールサイン
「現在、当車——イプシロン自走レールガンの使用可能な兵装は機関砲しか存在しない。この主砲はもはや飾りだ」
「なるほど」
ドリフトで生徒を轢きながら、いずれコールサイン
「にしては、機関砲撃ってねえな」
「複座式だ」
主砲を振り回して、なんとか撃退する。助けて」
「まあ、いいが」
「すまない、声に出ていたか?」
「バッチリ」
その後、降りてミニオンバスターをぶっ放した。
「初めからお前が戦えば良かったんじゃ」
「これは対コンバットフレーム用のライフルだ。AFVならなんとかなるが、対人にはそれほど有効打にはならない。特に、弾が刺さらないキヴォトス人相手だとな」
「ところで、つい先君の頭に弾丸を打ち込んだのは私だ。すまなかった」
「別に怪我はないからいいが……というか、あの状況見たらなんであたしにぶち込んだかもわかるし」
「想像の通りだ」
そして、ボロボロになったビルを指差して、俺に話しかける。
「ビル、崩れたが……」
「……たぶん、保安部からの取り調べが来ると思う。そのタイミングで、私とあなたがハジメを弁護したらお咎めなしに持ち込める……はず」
「助けてくれるのか? 調月」
「ええ」
そうだ。このままだと迂闊に名前を呼ぶかもしれん。
「ああ、そうだ。童女、君の名前は?」
「美甘ネル……てめえ、今あたしの事チビっつったか?」
「言ってないが。私は嵐山ハジメだ、今回の働きには感謝する」
保安部の追求から逃れることに成功した。
lost daysの大怪球クリア後みたいな地形にはなっていない。つまり、更地になっていないのが功を奏して助かることができた。大怪球は本当にきつかった。レンジャーで攻略するつもりだったのにKM6に頼っちまったもん。
「あ、戦闘機どうなってんだろ」
「どうしたの?」
「うむ、同居人に作らせているものだな。戦闘爆撃機KM6、重爆撃機フォボス、戦闘爆撃機カムイなどの……」
「ああ、いい。要するに」
「エアレイダーの生命線だ。空爆のない荒廃エアレイダーはエレクトロンコプターに全てを背負わせる必要があるからな」
「……全くわからん」
「なら答えを教えよう。全てフォボスかN6で吹き飛ばせば
「待て、N6ってなんだ?」
「質問攻めは良くないぞ。とっても強いミサイルだ」
怪物の繁殖地を丸々吹き飛ばせるほどな。
「あたしは帰るが。お前はどうする?」
「私はトレーニング部だ」
「私はもともとロボットの稼働実験」
トレーニング部はいい。なんかよくわからん器具とかあるし。けどこの後スミレ来るんだよな……。
いや、別に嫌いというわけではない。ただ、一緒にトレーニングをしたくないだけだ。俺はただレンジャーとフェンサーになりたいだけで、ゴリゴリのゴリマッチョになりたくはないのだ。
「EDFッ! EDFッ!」
全力でランニングマシーンを駆ける、心の中の地球を防衛したい気持ちを解放しながら。なんでキヴォトスに地球防衛軍ライクのゲームが無いんだ。欲しい——最近パワードスケルトンの調整が忙しくてゲームとか一切できてない。
「これ何キロまで耐えれるんだろ……ダメだ。全然足りない。グリズリースーツを着た人間にも耐えられないじゃないか」
パワードスーツは実用化していない……とくに、パワードスケルトンのような高出力なものは、恐らくどこにもないのではないだろうか。
ヘイローの影響か、その後黒服に呼ばれるまで走り続けることができた。すげえな。ヘイロー。
感想くれたら嬉しすぎて発狂します。