パズドラクロス 亜人の章   作:ラストオーダー5秒前

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アルス「そろそろ帰るか」
この状況になんとか適応した少女『そうですね、帰りが遅くなると心配をおかけします』
モンスター1『じゃあこれお土産な』
モンスター2『私今度おまんじゅう?食べてみた〜い』
モンスター3『次来る時までにはお菓子用意しとくでな』
アルス「んじゃ、また近々遊びに来るわ〜!」
やっぱり適応出来てなかった少女『祖父母の家に遊びに行くような感覚でダンジョンに行くとは何なんでしょうかね?』


さよならクロッカス!ハローガイザー!

 日と月が共存する夕暮れ時、アルスはクロッカスへと帰還した。

 

 顔は充実した休日を過ごしたかのような表情を浮かべ、バッグは果物で膨れ上がっている。コイツ本当にダンジョン帰りなんですか?

 

 

 「遅くなりすぎるとアンジーヌさんに心配かけるからなぁ……少し急ぐk………ん?」

 

 

 家に向けて走り出そうとした時、視界の端に何かが映る。

 目を向ければ、そこにはアンジーヌを含めた知り合いが集まっていた。

 

 

 「みなさんお揃いで何してるんで?」

 「おやアルス、遅かったじゃないか。怪我はしてないかい?」

 「勿論。かすり傷一つありませんよ」

 「アルスおかえり!」

 「おぉチャロ!もう動けるようになったのか!」

 「あはは……迷惑をおかけしました……」

 「別に気にしなくていいさ。………それより、コイツらは?」

 

 

 アルスはあえて目を背けていたものを見る。

 それは、ボロボロになってぶっ倒れているエースとタマゾーであった。

 

 

 「帰ってきた時は笑ってたけど、広場でアンジーヌさんと話し出したら急に倒れて……」

 「今日の仕事でよっぽど疲れたようじゃが意識はあるから放置しとるわい」

 「えぇ……」

 

 

 家で寝かせてやれよ鬼か?これには流石のナレーションもドン引き。

 

 

 「そんなことより、もうすぐバトルカップじゃな!」

 「そんなこと……?」

 

 

 説明しよう!バトルカップとは毎年コロシアムで開かれる龍喚士ギルド主催の大会だ!

 龍喚士同士がバトルし、一番強いのは誰かを競うぞ!

 

 ただし!古老の証を2つ手に入れた者しか出場はできないから気を付けてくれよな!

 

 

 「なんか聞こえた!?」

 「オレ出場したい!」

 「たまぁ!」

 「エース復活早いね!?」

 

 

 幻聴?に驚くアルス、その傍らでエースとタマゾーは飛び上がった。こっわ。

 

 

 「はぁ……しょうがない子だね。ヴァハトン、さっさと渡しておやりよ」

 「………アルスにはまだ渡してないからいいんじゃが、2人にはこれ以上わしから授けられんのじゃよ」

 「それは困ったねぇ……じゃあどうしたらいいんだい?」

 

 

 既に水の古老の証を貰っているエースとチャロ。大会に出るにはヴァハトンとは別の古老から証を貰わなければならない。

 そこでヴァハトンは『火の街』に行くことを提案する。

 

 

 「火の街かぁ……!ボクもまだ行ったことがないなぁ……」

 「温泉とかいいよな、久々に行きたくなってきた」

 「アルスって火の街に行ったことあるの?」

 「小さい頃に少しお世話になってた。」

 「オレ、知らない、何それ……。ドラゴーザ島に来たの初めてじゃなかったんだね……」

 「あれ、言ってなかったっけ?」

 「初耳だよ!?」

 

 

 火の街での思い出が蘇るアルスにエースは驚く。突然出された新情報を処理しきれていないのだ。小さい頃から共に育ってきたから元々ドラゴーザ島に居たとかそんなことを考えたことが無かったからね、しょうがないね。

 

 

 「ねぇねぇ、よかったらなんだけど……、ボクも一緒に行っていいかなぁ……?」

 「……おばあちゃん、行ってもいい?」

 「まったく、仕方のない子たちだねぇ……。気をつけて行ってくるんだよ?」

 「「やった〜!」」

 「たまぁ〜!」

 「火の街に行く手段はわしが用意しておくからな。焦らんでいいから準備ができたら声をかけてくれ」

 「「できました」」

 「はやいのう!!?」

 

 

 ヴァハトンの気遣いをぶち壊していくエースとアルス。お前ら、チャロが困ってるからやめてやれ。

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

 果実も配り終えたし、自分の分もちゃんとあるし、必要なものは全部バッグの中に入れてるし……準備万端だな、ヨシ!*1

 

 チャロも準備を終え、ヴァハトンさんが呼んだ飛竜に乗る。

 

 

 「それじゃあ3人とも、気をつけて行っておいで。エース!あんたもたまには連絡よこすんだよ!!」

 「3人とも元気でのう。火の古老によろしく言っておいてくれ」

 「「「はーい!」」」

 「さぁ行け飛竜よ!3人を火の街に連れて行くのじゃ!!」

 

 

 その言葉に飛竜は頷き、俺たちを背に乗せて飛び立つ。

 

 アンジーヌさんとヴァハトンさんが小さくなっていくのを見ていると、ふとあることを思い出す。

 

 

 「クエストの成果紙にざっくりとしか書いてないけど大丈夫かな?」

 

 

 …………まぁ、なんとかなるか!

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

 「ヴァハトン居るか?入るぞ」

 

 

 クエストの報告をするため、ソニアはクロッカスの執務室を訪ねる。

 部屋に入ると、そこには頭を抱えているヴァハトンがいた。

 

 

 「どうした、何かあったのか?」

 「おぉソニアか……。実は少し……だいぶ………とても…………めちゃくちゃヤバいことがのう……」

 「口調もめちゃくちゃだな」

 

 

 普段じゃ絶対に言わないような言葉。しかし、それも仕方ないと思うほど、アルスからの報告書は衝撃的な内容だった。

 

 

 「超覚醒ゼウスがボスのダンジョン……!?」

 「各階層の門番も強力なモンスターのようじゃの……」

 「………待て、今、各階層の門番と言ったか!?」

 

 

 強力なモンスターが多いダンジョンでは、次の階層に進むためのゲートに鍵が掛かっていることがある。鍵を所有しているモンスター———門番を倒さなければ次の階層には進むことができない。しかも門番は毎回ランダムになっていて判別することができない。つまり弱い龍喚士が進めないようになっていて、そうでない龍喚士でも次の階層に進むのに時間がかかるのだ。

 

 だが、アルスからの報告書では()()()()()()()()()()()()()。それはつまり、各階層にいるモンスターは1体のみということになる。

 

 

 「モンスターの量が減った分、質が高くなる!1体のみであればその分強力になっているハズだ!それをアルスが倒したのか………!!?」

 

 

 ソニアはアルスがとても優秀な龍喚士ということをよく知っている。だがそれでも、まだ手持ちのモンスターが育っていないアルスでは到底太刀打ちできるような相手では無かった。

 

 驚愕と困惑で思考がぐちゃぐちゃになっているソニアに、ヴァハトンは言葉をかける。

 

 しかし、それは———

 

 

 「ソニアよ、アルスはモンスターと戦闘していないぞ」

 「どういうことだヴァハトン……、モンスターを倒さなければダンジョンのボスの解明はおろか、各階層のモンスターの確認もできないんだぞ!それくらいお前も分かっているだろう!?」

 「…………アルスはな、どうやらそのモンスターたちとお茶をしただけのようじゃ」

 「…………………………は?」

 

 

 ただの、驚愕的事実(情報の爆弾)であった………。

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

 火山が多く、その影響で温泉が盛んで、草木などの緑を見ることが基本的には無い街。火の街、ガイザー。

 

 3人は今日、この地に降り立った。

 

 

 「や……やっと着いた…………」

 「チャロがグロッキーになっちゃった」

 「チャロ……へいき……?」

 「スゥーー……ハァーー………うん、もう大丈夫だよ。ありがとね、タマゾーくん」

 「タマゾーもだいぶ喋るようになったよね」

 

 

 チャロを心配して声をかけるタマゾーを見てエースは呟く。最初はあんなに驚いていたのに、今じゃ親のような発言をしている。時の流れは残酷なこともある。

 

 

 「エース、アルス。早速火の古老様に会いに行こうよ」

 「それは良いけど、どこにいるんだろうね?」

 「こう言う時は誰かに聞くに限る。あのー、すいませーん!」

 「……アルスの行動力ってスゴイね……」

 「まぁ、アルスだし」

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

 「火の古老、エルドラ……さんに会うにはそこの道を進んだところにある火の館に行けばいいらしいぞ。会えるかは知らないらしいけど」

 「古老って基本忙しいだろうからまぁ納得」

 「古老様に対して結構不敬だよね2人とも」

 

 

 街の人に教えられた道を通りながら2人と会話する。

 不敬って言われてもなぁ……。最初に会った古老は親切なじいさんだし、火の古老は知り合いと名前同じだしなぁ……。

 

 そんなことを話していれば、いつの間にか火の館に着いていた。この路地裏の事務所みたいなのが館……?

 

 

 「じゃあ、中に入るよ」

 「分かった。ごめんくださーい」

 

 

 中に入れば、まるで豪邸かと思わせるような内装をしていた。観賞用植物やお香やら色々置いていて、この館の主人のセンスの良さも窺える。

 

 ……………おかしい、マジで見覚えがある。…………………流石にそんなことは無いよな。

 

 

 「ようこそ火の館へ、ここはエルドラ様のお屋敷です。………おや、貴方は………コホン、貴方たちは龍喚士ですね。何かご用でしょうか?」

 「えっと、実はエルドラ様にお願いがありまして……」

 

 

 火の古老の従者にチャロは説明する。あの人も見覚えがある気がしてきたから多分俺は疲れているんだろう。

 

 

 「……なるほど、事情は分かりました。でも、ごめんなさい……。エルドラ様は暫く街を留守にしているんです」

 「それはどういう……?」

 「随分前に出かけたっきりで……どこにいるのかも分からないんです……」

 

 

 どうやら連絡も取れていないとのこと。古老が行方不明って中々ヤバくないか?

 

 

 「………此処で待ってても仕方ないよね。ボクたちで探しに行ってみない?」

 「そうしようか」

 

 

 ………ん?なんか探しに行くことになってる?まぁ、いいか。探した方が早いかもだし。

 

 

 「エルドラ様は街の近くにはいらっしゃると思うんです。見つけたら是非ワタシにも教えてくださいね」

 「了解です」

 「それじゃあ2人共、まずは聞き込みからしようか」

 「俺は東の方に行ってみる、それ以外は頼んだ」

 「オッケー、任せろ」

 

 

 何か手掛かりがあれば良いんだけどな………。

*1
現場猫感




アルス
 久々にガイザーに来てテンションウキウキ。古老の名前が知り合いと同じでビビってる。

 「古老って年齢じゃないしな……お姉さんだしな……」

エース
 アルスの新情報を聞いて驚いた。が、それはそれとして温泉楽しみ。

 「………オレと会う前のアルスって何してたんだ?」

チャロ
 2人(特にアルス)の勢いに適応した。多分、きっと、おそらく、メイビー。画面外でアルスに可愛い連呼を受けて取り乱している。やっぱ適応出来てねぇじゃねぇか!

 「可愛いって言われすぎて服装を気にしだしていた自分が怖い……」

少女
 そろそろ自分の情報出しても良いんじゃないかと作者に聞いていたりする。ごめんね。

 『私の名前も目的も出会いも何も語られないのはどう言うことですか。イジメですか!?』

ヴァハトン
 なんでお茶会してたのか理解できない。本当にコイツなんなの状態。

 「………この果実美味いのう」(現実逃避)

ソニア
 アルスが危険な目にあっていたかもしれないという恐怖とダンジョンにいるモンスター全解明してきた驚愕と女(モンスター)とお茶会していたという事実に嫉妬で内心がぐちゃぐちゃ。

 「………私も誘ったら来てくれるだろうか」
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