クロッカスを出て最初に目にしたのは広大な草原であり、近くには川が流れていた。
その光景に目を奪われてつつも、2人の少年は水の神殿に辿り着いた。
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「此処が、水の神殿……」
「……人が多いな?」
「神殿って言うくらいだからもっと神聖な感じだと思ったけど内装はなんか……遺跡と言うか、何と言うか……」
「エース、はっきり言っていいんだぞ、古臭ぇって」
「そこまでは思ってないよ!?」
例え神殿と言われる場所に着いても2人はいつも通りだった。流石にどうかと思う。
そんなことを気にせず2人は進む。周りには人が多く、喜んでいる人や落ち込んでいる人、ソワソワしていて落ち着いていない人など、さながら受験の合否発表も会場に来たようだ。
これは流石に何かおかしいぞ?と思った2人はひとまず、目的の人を探そうと周囲を見渡し、奥の方に老人———ヴァハトンが居ることに気がついた。
「ヴァハトンさーん、こんにちはー!」
「ん?おお、エースとアルスではないか!こんなところまでどうしたのじゃ?」
「えーと、」
実は……と続けようとすると
「もしや……わしらの仲間になりたくてギルド入団試験を受けに来たんじゃろ!?」
ヴァハトンが何を勘違いしたのか、理解できない事を宣った。何言ってんだこのジジイ。
「……………何ですか、それ」
「何じゃい照れおってからに、しょうのないヤツじゃの〜」
「照れてねぇよ純粋な疑問だわ」
「アルス、口悪くなってるよ……」
ハイテンションジジイに痺れを切らしたアルスの口調が悪くなる。
嬉しそうに笑い続けていたヴァハトンが急に申し訳なさそうに話し出す。
「この試験はギルドにいる者から推薦されないと受けられんのじゃよ」
うーむ……と悩みだし、閃いた!とばかりな表情になったヴァハトンが言う。
「おぬしたちには船で助けてもらった恩もある……よし!エースにアルスよ、わしの推薦で受験を許可しよう!」
「だから何の話なんだよ頼むから教えてくれ」
「口が悪くなってることに言いたいことはあるけど、オレも教えてほしいです」
2人から説明を求める視線に気付いたのか、ヴァハトンがこちらに目を合わせる。
「そう心配なさんなって。難しいことなぞしておらんよ」
「さてはずっと1人で話してるな?」
こちらの話を一向に聞かないジジ……ヴァハトンに対し、2人は諦めて黙って内容を聞く。
ここで行われている試験の内容は船でもやっていたドロップの操作、それだけのようだ。
この試験に合格すれば龍喚士として、正しく力を使えるとのこと。
詳しいことはよく分かっていないが、まぁ気持ちと周りの会話に聞き耳を立てれば問題ないだろうと2人は結論付けた。脳筋が過ぎるぞ。
「おぬしたちなら大丈夫じゃよ。さぁ、1人ずつ奥の部屋へ進むがよい。
この先で3つの試験に挑み、そこで力について学んでくるのじゃ」
そう言って、ヴァハトンは道を開ける。
さぁ、先に進む為の一歩を踏み出s……———
「「情報の擦り合わせをしよう」」
……………情報の整理、大切ですもんね。知ってたよ。
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「………うし、そろそろ行くか」
情報を擦り合わせ、エースが先に進んでそこそこ時間が経った。
分かったことは、ここで今龍喚士のギルドに入るための試験を行っていて、今日が今年度最後のチャンスらしい。ホントギリギリだな。
他にも、ギルドに入らなくても龍喚士にはなれること、龍喚士になればモテる*1、ソニアと呼ばれる有名な龍喚士が居ることなどを聞いた。………………ソニアってまさか…………?そんなわけないか。
とにかく、俺も合格目指してやってやるか!!
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「キミも試験を受けるんだね?じゃあコレをプレゼントしよう」
そう言われ、オレは試験官の人からモンスターのエッグドロップと呼ばれるものを貰った。おばあちゃん然り、この人然り、今日は色々と貰うなぁ……
今貰ったエッグドロップと呼ばれるコレは、モンスターが生まれ変わる時に発生するパワーでできる珍しいモノらしく、大気中のドロップエネルギー?をぶつけるとモンスターを召喚———
しかし、龍喚するにはD-ギアにセットする必要があるみたいだ。
オレは貰ったエッグドロップをD-ギアの空いている穴にセットする。穴は5つだから龍喚できるのは最大で5体か……。
「それじゃあ、早速試験を始めるよ!このモンスターを倒してみてくれ!!」
試験官は後ろに控えさせていたモンスター———モリりんを解放する。
自由になったモリりんは、こちらを見るや否や襲いかかってきた。
「……よし、龍喚!」
オレは早速貰ったエッグドロップでホノりんを龍喚した。モリりんはホノりんが出てきた事で警戒し、動きを止めてこちらの様子を伺っている。
その隙にオレはドロップを操作し、3コンボを叩き出す。
ドロップのエネルギーを受け取ったホノりんは、モリりんに向かって攻撃し一撃で沈めた。
「中々やるじゃないか!初めてとは思えない動きだったよ!!」
試験官はオレの事を褒め、モンスターの属性について再び説明する。一度、戦闘前にざっくりと教えてもらっていたが、こうやって実戦をすることによって理解度が高くなった。
モンスターには火、水、木、光、闇の5種の属性がある。属性が混合しているモンスターもいるが割愛だ。
火は木に強く、木は水に強く、水は火に強い。光と闇は互いに強く、与えるダメージはデカいが受けるダメージもデカいとのこと。ここでは光と闇のドロップが無いから何となくしか分からないが。
「それじゃあ、次の試験に進んでくれ。手強いが、キミならきっとクリアできるさ!」
試験官からの応援を受け、オレは次へと進んだ。
………しかし、ドロップの操作中に気になって事があった。
船でドロップを操作した時と、今ドロップを操作している時の差。船ではとてもドロップを揃えやすかった。ドロップ・インパクトによってドロップが荒れていたにも関わらず、だ。なのに揃えやすかったのは、きっと……
アルスが操作してくれたから?
あの時は無我夢中で気付かなかったけど、今思えば、アルスはドロップを自然に操っていた。彼は過去に経験があったのか?だとしたら、ドロップが見えるようになったのはオレよりももっと前……。
何か、彼に秘密があったりするのか?
そこまで考えたオレは、思考を止めた。隠し事があろうと無かろうと、彼はオレの大切な友達ということに変わりはないのだから。
「よし、サクッと終わらせてアルスを待つか!」
オレは気合いを入れ直し、次の試験に挑戦した。