エース
・オウカ 火
・ホノりん 火
・アワりん 水
・モリりん 木
アルス
・ホノりん 火
・アワりん 水
・モリりん 木
・?????? 光
「ただいま〜」
「お、やっと帰ってきた」
「おかえりエース、中々戻ってこないから心配したよ。ギルドの仕事はうまくできたかい?」
エースはアンジーヌとクエストを終えて帰ってきていたアルスに迎えられた。
勿論!と返事をすると、アンジーヌは安心したかのように微笑む。
「この島に居る間は龍喚士として頑張るよ!」
「そうかい、なら母さんにはあたしが話しておくからしっかりやるんだよ?」
「ありがとうおばあちゃん!」
「それにしても……あんたはつくずく父さんに似てるねぇ」
「父さん?」
「あぁそうさ。あの子もギルドの龍喚士だったんだ。知らなかっただろ?」
「へぇ、エースの親父さんが……」
幼い頃の朧げな記憶の中にしか居ない父。母からの話や写真からでしか知る事が出来なかった父のことを他の人から聞く事が出来る。エースはアンジーヌに父についての話を聞かせてほしいと頼んだ。
「そうだねぇ……まず何から話そうか……」
アンジーヌはエースの父親が龍喚士になった頃の話を語り始めた……。
ーーーーー
「やぁアンジーヌさん、ちょっと話を聞いてくれよ」
翌日。今日もエースの父親語りに花を咲かせていると、お隣の花屋の旦那さんが訪ねてきた。花ある所に花屋あり。知らんけど。
話を聞くと、どうやら街の北にある高台の花畑にレッドデモンたちが居て困っているとの事。
「………じゃあオレが倒して来るよ」
「確かに困っている人を助けるのもギルドの仕事に違いないけど……」
「俺もついて行こうか?」
「いや、アルスはヴァハトンさんに呼ばれてるだろ?オレ1人で行ってくるよ」
「………そうか」
心配するアンジーヌとアルスを説得し、エースはクエストを受けた。
「じゃあ行ってきます!」
「気をつけてな?」
「無茶はするんじゃないよ?」
「分かってるって!」
エースはそう言って花畑に向かう。
じゃあオレもヴァハトンさんとこに行きますかね……。
ーーーーー
「よく来たなアルスよ。お茶と菓子を用意するでな、そこで待っておれ」
「久しぶりに遊びに来た孫を甘やかすおじいちゃん?」
執務室を訪ねると、ヴァハトンがおじいちゃんみたいな対応をしてきた。お爺ちゃんだけどお祖父ちゃんではないだろ。
「………で、呼び出してどうしたんですか?」
とりあえず俺はお茶を飲みながらヴァハトンに尋ねる。
執務室に呼ばれる心当たりが全くない。問題も起こしていないハズだし、街の人とのコミュニケーションもちゃんと出来ているハズ。マジでなんで呼ばれたんだ……?
心の中では取り乱しつつも、表情には一切出さないように心がける。今なら世界一のポーカーフェイス使いになれる自信がある。
「最近……龍喚士の仕事はどうじゃ?」
「不器用な親父の台詞!?」
「ほっほっほ、緊張は解けたかの?」
この人……マジでお見通しなの怖すぎだろ……。
「新人の龍喚士が困り事を解決してくれたり色々手伝ってくれるとギルドの皆が言ってての。わしはおぬしを労いたかったんじゃ」
「なる……ほど?」
「まぁ龍喚士になりたてじゃから色々と話を聞きたかっただけなんじゃけど」
「職権濫用です?」
「二者面談じゃよ」
俺はギルドに入ってからしたクエストの話や、街の人と話していて知ったことをヴァハトンに話す。
それは二者面談というより、最近の出来事を祖父母に話している光景に近かった。
ーーーーー
エースは今、レッドデモンたちに追い詰められていた。
モンスター達が幾ら攻撃しようと、まるでダメージが入っている様子は無く、遂には龍喚したモンスターが全滅した。
じわり、じわりと、レッドデモン達はエースとタマゾーに近付く。
(街の外ではモンスターの編成はできない。今出せるモンスターもやられた。タマゾーもこれ以上は動けない。オレも歩くのが精一杯で攻撃どころかドロップを操ることさえままならない……、どうすれば………ッ!)
エースの脳裏に映るは友人の姿。いつも自分が困っている時は手を差し伸べ、導いてくれるアルスの姿。
しかしエースは今回、アルスの手を取らなかった。ヴァハトンに呼ばれているからという建前で断った。
本当は、アルスが居なくとも、自分の力で解決できるという自信が欲しかった。いつも助けられてばかりな関係から、互いに支え合える関係になりたかった。だからエースは助けを断ったのだ。堂々と、彼の隣に立てるように。
なのにこの始末。自分で断っておきながら、嗚呼、なんて———
「無様な格好だな」
自分が思っていた事を、別の誰かに言われた。
こんなところに誰が?という疑問を持ちながら、声がした方へ目を向ける。
そこには、青い帽子を被った白髪の少年と、黒いタマゾーがいた。
「龍喚士だったらさ……、最後まで戦う覚悟を持ち続けなよ」
「そうデビ!シロウトは引っ込んでろデビ!!」
少年の言葉が、エースの心に突き刺さった。
少年はレッドデモン達に近寄りながら、ドロップを揃える。
たったの3コンボで、あんなに強かったモンスターを全て倒した。
ランスと呼ばれた、つまらなさそうな表情をする少年を黒いタマゾー———デビが褒め称えるようにエースたちに促す。
それをランスは止めた。きっと、こちらに興味もないのだろう。
しかし、その後も皮肉やら嫌味やらに、タマゾーはご立腹だったようで、ランスたちのもとへ駆け出し抗議するような声を上げる。
ランス達はタマゾーの姿を見てエースの事を「お前も選ばれし者だったのか」などと呟いていたが、タマゾーがまだ生まれたてだと気付いた事で即座にその考えを否定した。
「憧れや夢じゃ何も守れない、運命を切り開くには力が必要なんだ。怪我をする前に島から出て行きなよ。………それが、お前のためだ」
きっと、根は真面目で優しいのだろう。エースを心配するような言葉を告げて、ランス達は去って行った。
「……………」
「たまぁ〜……」
ーーーーー
「———で、そこの水まんじゅうが絶品でな!一生食べてても飽きないほど美味かったもんでこうやって一気買いしてしまったんじゃよ!」
「確かに滅茶苦茶美味いですけど一年分まとめ買いはやり過ぎじゃないですかねぇ!?」
エース達がシリアス領域を展開展開している中、アルスたちは水まんじゅう領域を展開していた。なんだよ水まんじゅう領域て。部屋が水まんじゅうで埋め尽くされてるけどさ。
ヴァハトンとアルスの二者面談は白熱していった。と言うか2人の会話の6〜7割以上は和菓子の話だった。
時間で言えばもう数時間も話し続けている。
そこまで経って、ヴァハトンは急にハッとした表情になる。
「いかん、忘れておった!」
「?どうしたんです?」
「おぬしに会いたいと言う者がおってな、今日はそれもあって呼んだんじゃよ」
つまり、この爺さんはアルスに会いたい人を数時間待たせておきながら、自分は和菓子について議論し続けていたのだ。う〜ん、
ヴァハトンはその人を呼びに行くため、急いで執務室から飛び出して行った。
待っている間どうしようかと考えたら、今ヴァハトンと2人で水まんじゅう消化中だったことを思い出し、アルスは水まんじゅうを口に入れる。
飲み込んだ後に抹茶を飲む。この組み合わせは最強である。証拠に、一箱十個入りの水まんじゅうを二十箱以上消化したのだから。やべぇなコイツ。
水まんじゅうを食べながら、アルスは考え事をする。
水まんじゅう何箱かお土産として貰えるかな、とか。最近チャロは龍喚士の仕事を頑張れているのかな、とか。エースはあの後大丈夫だったのかな、とか。他にも最近助けた、少女だと思っていたモンスターも事や、ギルドで有名な龍喚士の事など。
そこで、アルスはふと思い出す。自分の知り合いと同じ名の龍喚士の事を。
「龍喚士ソニア………ねぇ、あの人もモンスターと一緒に行動してたけど流石に人違いだよなぁ」
「同じ人だぞ……そう言ったらお前は信じられるか、アルス?」
「あの人がギルドみたいな集団の中に居る想像が全……く……………え?」
独り言に自然と返答があったので違和感を持たずに続けてしまったが、アルスは気が付く。
この部屋には自分以外誰も居なかったことを。
後ろを振り向こうとするが、先に声の正体が後ろから抱きついてくる。
自分の顔の隣、視界の端には紫色の髪が映り、目線を下に下げれば、自分の胸元には龍の鱗や爪がついた人の腕。
見間違えるハズが無い。何故ならそれは、自分の知り合いの特徴と一致しており……。
「…………ソニア、姐さん………!?」
「久しぶりだな、アルス」
噂の龍喚士は、自分が姉のように慕っていた人だった。
エース「………はぁ」
チャロ「最近頑張ってるみたいだね!色々噂になってr……どうしたの!?」
エース「………かくかくしかじかまるまる」
チャロ「じゃあランスよりもっと強くなっちゃおうよ!」
エース「それだ!」
強くなりたい組による共同クエスト発生!
アルス「………お元気でしたか?」
ソニア「あぁ、勿論だ。私のことはお前が一番分かっているだろう?」
アルス「は……はは……」
強敵?ソニア出現!