Fate/coin a term   作:空白の端

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 愛という感情ほど、世界を壊すのに易いものはない。

 それは多分、あなたたちが一番知ってるんじゃない?

 これは、愛の物語。誰がどう言おうと、私の愛の物語。




/log:2⬛︎⬛︎5-01-01 ⬛︎⬛︎終⬛︎⬛︎点:⬛︎⬛︎⬛︎ 人理⬛︎礎値 E(⬛︎)

 

 轟音(ごうおん)が耳をつんざき、閃光は帯となって地を照らす。あのサーヴァントの構えた剣は⬛︎を切るためではなく、⬛︎⬛︎を裂いた。

 ⬛︎⬛︎から溢れ出たなにか()()()としたものはびちゃびちゃと地面に降りかかり、その度に何かが⬛︎えていった。

 

 その衝撃だけで咄嗟に地べたに這いつくばるかたちになる。いや、そうでもしないとこの理不尽な圧力に⬛︎されてしまうという直感。このプレッシャーはいままでの聖杯⬛︎⬛︎をお遊びと告げていた。

 

 誰かが笑っていた。違う、泣いていたのかもしれない。ただ、強い感情だけが■気に(にじ)んで、執念深く私の神経を刺していた。

 

 隣に倒れていた男は、自分の■前を何度も呟きながら、そのたびに別の何かへ変わって、その肉体までも変化していく。膨張し、ヒビが全身に走った。男の内臓が、男そのものがそこから()()()と流れ出てゆく。何かは、もうわからない。それが男であることだけは分かっていた。でも、その男の■■さえ──もう、分からない。

 

 こんなの、正しい人■の死に方じゃない。ただの災害だ。

 

 意味が剥がれていく。言葉が、⬛︎れていく。

 

 視界はだんだん白く染まってゆき、いや、色が増えて、増えて増えて、すべての色が同時に私の視界で瞬く。その度に脳は割れて、神経は一片残さず焼き尽くされた。

 

 煌びやかなネオンの看板の文字は崩れて、ただ“意味”だけを押し付けるナニカになっている。もはや、その“意味”も存在しないが。

 地面を覆うコンクリートも割れて、もはや這いつくばることも難しい。ただ、意識だけは空中分解して、もはや自分が何者かも認識できない──でも、

 

 ──トウキョウが、なくなる──

 

 それだけは、ここに生き残っていたすべての人⬛︎が理解していた。

 

 これが、聖杯⬛︎⬛︎の模倣の末路だというのならば。

 ソレはあまりにも理不尽すぎた。

 

 "顕れた"だけで。⬛︎を裂き現れたモノはあまりにも美しすぎて、見ないということが許されない。

 

 

 ソレは、ただ“ある”だけだった。ただ“ある”だけで、理解してしまった。私が生まれてから積み上げてきた全ての知識を超えて、たったひとつ、“ある”という事実だけを私の脳裏に刻みつけ、押し込む。

 

 ソレは、人のカタチをしていた。輪郭はなくとも、ただひたすら、べらぼうに大きな光の巨人に見えた。すべての知であり、すべてをアイするものだ。

 あれは何かを訴えている。人⬛︎を、探し続けていると。

 

 ソレの意思が、脳を蹂躙(じゅうりん)する。

 『りかいしろ』理解したくない。

 『わかれ』解りたくもない。

 

「たす、け……」私の口から(こぼ)れ出た言葉は、何だったのだろう。許しを請うているのだろうか。感謝しているのだろうか。それとも、悲しんでいるのだろうか?

 

 ソレは、見つめるだけで意味はなく(笑いなさい) どこまでも胡乱で(喜びなさい) 世界はなく(歓喜なさい) どこまでも続く奈落虚無崩れ落ちる世界久遠の時間私貴方はそこにいてそして私はそこにいた私はそこに──

 

 そして、言祝ぐ(かんしゃする)

 

『こうしてわたしは ふたたび あらわれました 喜び歌え(慟哭せよ) あなたたちを わたしが抱擁します(あいします) なので どうか ひとつになって えいえんに──』

 

 そうして、ココロ(世界)を深く⬛︎すユメは終わった。

 いや、終わったのは、私たち(人⬛︎)の方だった。

 

log end/

 

 これは、

 私が再び現世に⬛︎るための物語。




ここで、記録は途切れていた。
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