9月9日の決戦3日前の正午。とあるライバーの活動場所である『鬼ヶ島』と言われるセットの部屋で、6名が対談していた。
「よう、子ウサギども」
『帝様!』
『帝様だー!!』
『今日もビジュ良すぎ』
『子ウサギとして食べられたい』
挨拶だけでコメントが沸き立っていく。
今日が月曜日の正午なため、同接人数は本来の足元にも及んでいない。そうであっても、万単位で同接があるだけ驚きなのだが。
「今日は告知通り新たにうちのスポンサー様となった『YUUKI』の本國 透さんとその連れの方々とのコラボだ。あんま失礼な態度取るんじゃねえぞ?」
『御意』
『仰せのままに』
『ベンチャー企業がスポンサーって聞いたことないな』
『これもまた多様性だね』
『帝様だからこそ成せる技だろ』
信者になりかけている視聴者に釘を刺しながらさくさく進めていく。
帝の説明が終わり、自己紹介のターンとなった。1番手はやはりこの人。
「はじめまして、社長の
「いえいえ、こちらこそ。スポンサーになっていただきありがとうございます。」
社交辞令を交わしながら、癖で名刺を渡そうと内ポケットに手を入れるが、今の格好はスーツ姿ではないツクヨミ特有の着物。内ポケットなど最初からなかったのだ。
「っと。それでは日出くんも自己紹介を」
「はい。雑用兼清掃員兼秘書の
「·········ん?」
『ん?』
『雑用兼清掃員兼秘書?』
『肩書きが連なってるんだが?』
『そりゃそんな顔にもなる』
『過労死枠かな?』
「極めてホワイトな企業ですよ」
『絶対嘘だ』
『嘘つきの顔してる』
『ベンチャー企業は戦場だから』
『改革には痛みが必要』
『俺が解雇されたのも必要な犠牲だったってワケ』
ニッコリと全てを地獄に引き摺り込むような顔で定型文が吐かれる。これには全員ドン引きだが、未だ『YUUKI』での自殺者は0人。ホワイト企業なのだろう、きっと。
『YUUKI』からの二人の自己紹介は終わり、その後ろに座っている者達の自己紹介へと映る。
「その二人に乗っかってきた赤松 宗全だ。時間ないからさっさと行くぞ」
「あっはい。私は
「同じく騙されました。
『???』
『なんで貴方がいるの?』
『ブラック・ジャック!?』
『ヤバい二人のヤバい方』
『ドクターX!?』
『私、失敗しないので』
『てかてか、黒耀 勇斗もここに?』
「いたら困ってない」
『oh Jesus』
『神は死んだ』
『次は何処で何やってんだか』
『神のみぞ知る』
『にしても、凄い人きたな』
『忘れ去られるスポンサー様』
『知り合いなんじゃない?』
意外な人物の登場にコメントが加速するが、黒耀 勇斗がいないことを知るやすぐさま沈静化。
やはりと言うか、知名度は赤松 宗全<黒耀 勇斗のようだ。どちらも世界的な著名人なのだが。
「自己紹介は済んだな。そんじゃ、本題に行くぞ」
帝のその言葉と同時に、『鬼ヶ島』からKASSENのSENGOKUモードへと移行。
仰々しい一室から広大なフィールドへ。二つの櫓と奥に本陣がそびえ立っている。それが2セット。
「よっ、待たせたな」
「おっそ〜」
「·········」
二つの本陣の中間地点、そこで待っていたBlack onyXの残る二名。
女装男子でメスガキ乃依と寡黙で冷静沈着な後方腕組の雷。
これで総数8名。SENGOKUは6人でするものなため、2人余ることになるが、そこは今から説明される。
「ルール説明は俺がする。」
宗全がそう言うと、ホワイトボードがどこからか出現した。ついでにペンも。
ここのマップと説明を書き終え、向き直る。
『どっから出てきた』
『シークバー戻してもわからん』
『透明になってたのか?』
「専門用語は避けて説明するから心して聞けよ。
このSENGOKUは3対3の陣地争奪戦。2回取ったら勝ちの3回勝負だ。残機は全体通して3。1回戦目で残機が0になればそれ以降は指を咥えて眺めるしかなくなる。
上のトップルート、下のミドルルートに櫓がある。そこにそれぞれ一体中ボスが配置される。真ん中のプレーンルートは何もなしだ。それぞれのルートの中間地点あたりには雑兵共がいて、それを倒して必殺技貯めるのもあり。作戦立ては自由にな。
んで、勝ち方だが、櫓を二つ占拠するか、櫓を一つ占拠して天守閣を落とすかの2択だ」
「敵の全残機がなくなった場合はどうなるんですか?」
「ウイニングラン。煽り防止に5分の制限時間が設けられるが、楽勝で間に合う。余程の下手っぴじゃなきゃな」
『わかりやすい』
『ok把握』
『はえー』
『初めて知った』
『ライブ感で見てたのがバレたわ』
説明が終わるやホワイトボード諸々はまたまた虚空へと消えていった。
それと同時に黒鬼陣営がウォーミングアップを始め、何やら不穏な雰囲気が流れ始める。
「まさか·······」
「説明だけじゃ、つまんねえだろ?早速実演だ」
『今習ったばかりなのに!?』
『惨劇ができるだけでしょ』
『1回戦目で残機なくなりそう』
『これはスパルタ』
『スパルタァァァ!!!』
『いい挨拶』
「2人余るがどうする?」
「武内の孫が来る予定だったんだが、今チュートリアルミッションしてるし来ないだろな。この人数で始めるしかないぞ」
本日のメインゲストである透さんすらも初耳なのか、宗全の方へマジかこいつと言いたげな視線を送る。
日出は慣れっこなのか、即座に受け入れてチーム分けをどうするか問いかける。
「武内さんの孫!?もしかしてですけど·········」
「隔世遺伝してるぞ、弾丸式入れ替わり」
「じゃあ、予定忘れてるんでしょうね」
霙が武内の孫という情報に、ある予想を立てるも大当たり。ならしょうがないと透さん達は納得するしかなかった。
その光景に黒鬼メンバーは?を浮かべるが、説明をする素振りはない。
「まっ、俺が2回とも出るから心配すんな」
「まあそれなら」
「と言っても、俺は本陣から動かんけど」
「働け無免許」
「それはブラック・ジャック。俺はきっちり持ってるわ。なんなら免許新しく作ったわ」
『マジモンの偉業きた』
『ロボトミー手術に近いって聞いたけど、実際どうなん?』
『ほぼほぼ同じらしい』
『一回失敗するごとに後遺症残る確率がグングン上がるらしい』
『アメリカで6回目に起きた人が廃人みたいになったってのは聞いた』
彼が言う新たな免許とは、脳死者蘇生の技術取得者に与えられる免許である。ただ、免許所持者が世界で彼含め6名なのは前代未聞だが。
「話しは終わったか?」
「今終わました」
「なら、早速始めようぜ」
ということで始まった第1回SENGOKU。
初戦の組み合わせは透&日出&宗全VSBlack onyX。初心者対プロの結果が既にわかりきっている戦いである。
「んじゃ、頑張ってな」
「本当に行かないんですね。では、トップに二人で行きましょう」
「それしか勝ち目なさそうですし、相手が見くびってくれるのに期待するとしますか」
天守閣の中腹あたりにある幕営地から飛び降り、移動手段だある大きな鷹の爪に各自捕まり、トップにある櫓へと移動する。
二人の背中を見届けた後も宗全は動こうとはしない。
マップを見るに、黒鬼陣営は各レーンに一人ずつのトライデントを選択。完全に舐めきっている。
かくして、二人は櫓まで後少しと言った所で鷹から降り、雑兵共を散らしながら櫓へと向かった。
そうして接敵したのはリーダーの帝 アキラ。
その手には抜刀した太刀と鞘となっていた銃。お遊びはないらしい。
「胸を貸りるつもりで行きます!」
「よし来たっ!」
透さんと日出が手にしているのはツクヨミログインから持ち物に入っていた槍と直剣。帝のように素材やふじゅ〜を貯めて作ったものではないため目立った性能はなにもない。シンプルな初期武器である。
帝の乱射を紙一重で避けながら、日出が肉薄する。
「ふんっ!」
「っ、経験がおありで!?」
「荒事には慣れてる」
「どおり、でッ!!」
日出の攻撃を太刀で受け止め、鍔迫り合いをするが、視界の隅で透さんが動き出したのを確認するや日出を退ける。
死角に入り込んだ透さんが槍を手に突貫する。
「甘いっ!!」
「ッ―――!」
突き刺さんと迫る槍先を足で抑え、空いた太刀で首を斬り落とす。
カバーしようとした日出は銃による牽制で近づけず、泣く泣く透さんは残機が1減少。幕営地へと戻る。
そうこうしている内にミドルの中ボスが雷により撃破。そのまま櫓が占拠されてしまった。
それを俯瞰しながら胡座をかいていた宗全は、立ち上がり、プレーンから走って来ている乃依を見下ろす。
手頃の石つぶを手に取り、握り締める。
「天守閣は諦めろ」
刹那、放たれた石つぶが乃依の心臓を貫いた。
「はぁ――――??」
どうあがいても防御が間に合わないであろう攻撃を受けて、若干イラッとしながら乃依は花びらとなった。これにて残機は1減少、幕営地にて再スポーンした。
「どうした乃依!!?」
『天守閣取るの無理』
『コールド勝ちを狙うぞ』
「天守閣········赤松か!!」
『乃依ちゃんの困惑顔助かる』
『下品なんですが、その·······下品なので止めときます』
『偉い』
『勃起しちゃいました』
『無能』
『バンされろ』
『後で多分バンされるから首洗って待っとけ』
『てかてか今のなに?』
『今の所巻き戻せるか?』
『自分でやれ』
『ふーん、俺ですら見逃しちゃうね』
『はい無能』
『猶予1フレームは確認できて、これは視えないのか』
そんなこんなでトップに黒鬼メンバーが集合し、あえなく櫓占拠。1回戦目は黒鬼側のコールド勝ちで幕を降ろした。
残機は宗全以外2となっている。
「2対3はキツイんですが」
「遠距離、中距離、妨害揃っているとは、流石プロ。俺、透さんの近距離2人じゃ勝ち方が見えてこない」
「わかった、わかった。ちょいサポートしてやっから」
作戦会議を終え、第2回戦目へ。
黒鬼はトライデントを止め、帝と乃依でトップ、雷1人でミドルルートへと進行している。
対して透さんチームは、透さんと日出はトップのままだが、先程まで天守閣で胡座をかいていた宗全がミドルに進行―――いや、もういる。
試合早々、ミドルの中ボス前に宗全が立っている。
「一つ」
そう呟くや、中ボスの巨大蟹が弾け飛んだ。次いで、櫓の鐘が鳴る。
2回戦目開始7秒でミドルの櫓が占拠された。
『今の所巻き戻せるか?』
『だから自分でやれ』
『わからん』
『わかんね』
『わっかんねえ』
『中ボスの中から黒いのが弾け飛んでるのが見えた』
『内部干渉できる武器ってあったっけ?』
『口に突っ込むダイナマイトなら』
『あれはトラウマ』
『忘れてたのに思い出させんなよ』
何かを待つように宗全はその場で棒立ち。
1秒も無駄にできないSENGOKUで、彼が隙を考えなしに作る訳がない。
試合開始20秒、―――2つの石もとい瓦が宗全の背後から飛来した。
「死角はない」
既に読んでいたのか、歩くようにして避ける。
追加で3枚、姿勢を低くした雷が5つの輪が先端についた錫杖を宗全の横腹目掛けて振るう。
「ッ······!?」
「ゲームオーバーだ」
3枚の瓦を体を捻ることで回避。
そして、本体である雷は尋常ではない速度で振り下ろされた宗全の右腕によって真っ二つとなった。
雷の残機が1減少する。
接敵から4秒で宗全の勝利で勝負がついた。
雷の対応に隙はなく、ドジ踏んだ訳でもない。徹底した処理の仕方であった。
惜しむらくは、敵が赤松 宗全だったということだけだ。ただそれだけなのだ。
『嘘』
『嘘だろ』
『プロだぞ』
『全て読まれてた』
『これが天才って奴か』
『だとしてもコレは·········』
『やりすぎだなぁ』
『勝てる訳がないッ!!』
『ジョニィもいます』
戦闘を終えた宗全はミドルの櫓から離れ、トップの櫓へと赴く。
トップでは帝VS透さん&日出が現在進行系で戦闘中である。そんな最中、割って入るように宗全がその姿を現した。
「俺が2人抑える。天守閣に走れ」
「わかりました!/わかった!」
「雷、2人を抑えろ!」
『了解』
「乃依、2人で倒すぞ!」
返事代わりに一本の矢が宗全の胸部へ走る。が、軽くはたき落とされてしまった。
続いて帝が射撃でダメージを与えようとするが、最低限の動きで避けていく。
『エイムザッコ♡』
「るっせぇ。当たんねえんだわ」
『いけ!』
『殺れ!』
『なんで当たらないんだ』
『未来予知してるのか?』
『予測だけでコレはシャレにならない』
『真にヤバいのこっちだった?』
「いいや、ガチでヤバいのは勇斗だ」
帝、乃依の遠距離攻撃が停止するタイミングが重なった瞬間を見逃さず、右腕を振り下ろす。
始めに帝の体が割れ、中ボスが割れ、木々が斬り裂かれ、乃依が裂かれた。
「初心者だからと言って舐めてたのか?
抵抗する隙を相手に渡すな。常に攻め続けろ」
花びらとなって消えゆく帝に説教じみた言葉を投げかけながら、トップのレーンを石つぶで鳴らす。
2回戦目は宗全側のコールド勝ちで幕を降ろした。
「何とか操作にも慣れてきましたね」
「ですが、まだ一度も残機減らせてませんよ」
「帝達がさっきのままの体たらくなら、3回戦目もコールド勝ちだ。だが、相手はプロだ。欠点は修正される。
お前らが雷を突破して、天守閣を破壊するしかない。」
会話もほどほどに終わり、3回戦目が開始。
最初の流れは同じで、宗全がミドルの中ボスを撃破し、そのまま櫓を占拠。休むことなくトップへ移動。
先程と違う点としては、本気を出した帝と乃依によって透さんと日出が一回ずつ倒されたことのみだ。
「透、日出はそのままプレーン通って天守閣に向かへ」
『やはり、プロはプロですね。そちらも気をつけて』
「誰に言ってんだ、誰に」
苛烈さが増した連係攻撃の中、指示を出しながら掻い潜っていく。
その顔は至って平常で、焦りも動揺も感じられない。そよ風でも受けてるのかと言った表情だ。
『これでも駄目か』
『武闘派ブラック・ジャックは笑う』
『ピノも武闘派になるんやろか』
『そうであっても化け物すぎる』
『医者やってないでプロになった方がいいだろ、コレ』
『あんなドブラックな職場体が保たん』
「予測、狙い、フェイントは良くなってる。ただ決定打がない」
時折混じる鈍足付与の矢、視界潰しの土ごとの斬り上げ、逃げ潰しの射撃。
2回戦目から格段とレベルが上がっている。と言うよりかは、慢心を全て捨てたのだろう。
初心者以前に彼は赤松 宗全だと言う認識が圧倒的に足りなかった。
「絶対破壊の一撃、1つでもないのか?」
「ないっ!―――が!ウルトならある!!」
瞬間、帝の動きが4倍速になった。
銃撃だけだった帝が刀身を銃口に入れ、棍棒一つで宗全に肉薄する。
「必殺じゃないなら
「倒せりゃ良いんだろ!!」
「倒せればな」
薙ぎ払い、振り下ろしを避けた宗全は初期武器である剣武器扱いの木の棒を手にする。
鈍足付与の矢を避け、木の棒1本でウルト状態の連撃を凌いでいく。
『木の棒て』
『玄人感ある』
『なんでアレが剣武器判定かわからん』
『ヤチヨのみぞ知る』
『カンッて音するの違和感しかない』
「体勢崩すのを意識しろ。一撃当てれば勝ちじゃないんだ」
「わーってるつうの!!」
実際は、ウルト状態の攻撃を胸部もしくは頭部に当てれば宗全のHPは全損。帝の勝ちとなる。
しかし、仮想的は得体の知れない月人。こちらの常識で考えても無駄だろう。
降りかかる矢群を一薙ぎで軌道を滅茶苦茶にする。
畳み掛けるように帝が姿勢を低くして、棍棒を振り上げる。
「いい線いってるぞ」
「ッ······!!?」
振り上げるよりも速く、帝の右腕を宗全が踏み抜く。
あまりに埒外な攻撃の止め方、そしてその衝撃で武器である棍棒を落とし、ほんの一瞬思考が止まった。
その隙を、宗全が見落とす訳がない。
「惜しかったな」
淡々と処理するように帝を斬首。
落ちた首が坂を下っていきながら花びらとなっていく。続けざまに木の棒を振るい、乃依を斬り裂く。
これにてトップは占領。またしても宗全側のコールド勝ちである。
『なんだこれ』
『他のスポンサー様怒るぞこれ』
『初心者1人に負けるとか』
『敵が赤松 宗全だったのが悪い』
『赤松 宗全だからで納得できるか!』
『しろ』
『するしかない』
「動きは良い。息も合ってる。
うん、俺が強過ぎただけだな」
「ウザ」
「めっちゃウゼェ·······」
「··········」
「透と日出は動きが単調すぎ。まずは動画見て型を覚えろ」
「「はい········」」
何一つ活躍できなかった透と日出がションボリする後ろ姿に、自身達もそうなるのかと戦々恐々する観戦していた大和と霙。
実際そうなるのだから世も末である。
「さて、2回戦目を始め········おっ、やっと来たな」
ルームに新たな入室者があるのをログで確認する。
名前は武内 蓮。
黒耀 勇斗が19の時に出会った武内 勝彦という名の今は亡きお爺さんの孫である。
「すまない、遅れた」
「重役出勤ご苦労。自己紹介頼んだ」
黒いフードで顔を隠し、黒い衣を身に纏うその姿はまるで死神。
と言っても、そう見えるだけで、ただの好青年であるのには変わりない。
「俺の名前は武内 湊。今年で24、誕生日は11月3日。なんでも屋兼探偵をしている。住所は山口県―――」
「ネットリテラシー!?」
「天然入ってます?」
「まあ、大分天然だな。柚葉さん似なんだろ。
ああそれと蓮、お前が助けて来たのは人じゃなくてNPCだからな?」
「そうか。だから、同じ人が10回も頼ってきたのか」
「気づけよ」
『特定した』
『止めとけマジ』
『赤松の知り合いに手出して生きれる訳がない』
『と言うか、あの装備ソロモードの踏破報酬では?』
『踏破報酬と言うより、面倒くさいクエスト報酬』
『クソ強ヤチヨ3人と戦うヤツだな』
『仲間のCPUクソ雑魚ヤチヨ2人にイラついた記憶がある』
唯一の欠点として、大分天然なのである。
ちなみに彼が身に纏っているのは最高難易度ミッションクリアの報酬である。
効果としては、隠密性能アップと俊敏性アップ。そして、極めつけに衣部分には当たり判定なしと言う微妙な装備となっている。
「それじゃあまあ、次は大和、霙、湊でやってみるか」
「「わかりました」」
「なにを?」
「お前が1人でしてきたSENGOKUだ」
「·········ああ、アレか」
身に覚えがなかったのか、首を傾げる湊だったが、なんとか記憶を掘り返せたようだ。
その姿から、武内家の事情を知らない黒鬼メンバーは一概の不安を覚える。
「大丈夫か?」
「大丈夫だ。ちょっとした健忘症みたいなもんだと思えばいい」
「それは大丈夫じゃないだろ」
「それ以上に余りある恩恵があるからな」
その原因は、先程宗全が口にした弾丸式入れ替わりにある。
簡単に説明すると、武内 湊は5分に一回のペースで人格が消え、生まれている。
記憶こそ引き継がれているものの、それは新たに生まれた人格にとって自身のものではないため、先程のように逐一記憶を掘り返さなければならない。
一見デメリットしかなさそうに見えるが、人格が代わる度武内 湊の間違いは是正されていく。
呼吸法、筋肉の動かし方、体の運び方。細部に至るまで全ての間違いが修正されていく。それこそ究極の一となるまで。
その性質を持っていた故に湊の祖父武内 勝彦は70後半になった体で宗全とガチの殴り合いができていた。
正しく常識から逸脱した特異性である。
「んじゃ、俺は他の奴らのとこ行くから。湊、指導とか諸々は頼んだ」
「わかった。代金分は働く」
「雇われてたんですか」
『マジのなんでも屋』
『犬の散歩から地球の平和まで引き受けるんやろな』
『それは万屋』
『他の奴らとは?』
『友達一杯いんでしょ』
『俺らとは違って』
『泣ける』
『泣いた』
かくして2回戦目が始まり、最適化され続けている湊によって激闘が繰り広げられたが割愛。
スポンサーコラボという名の対月人訓練は午後6時まで続いた。
本名出してる時点でネットリテラシーもクソもないと思いましたが、名前考えるのがダルiゴホッゴホッ。
流石に59人全員描写はキツイので、今回はここで出てきた5人+宗全&勇斗でやっていこうと思います。
それと、アバターの設定は自由に想像しておいてください。もう好きな見た目でいいので。考えるのダルいんですよね。