「ワートリ、ワールドトリガー」死角の銃手   作:黒星0214

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※本作品はAIの補助を使用しながら執筆しています。
基本的にオリジナルキャラクター中心の話になります。 原作キャラクターも登場しますが、名前のみの登場や軽い絡みが多めです。
なるべく原作設定を元にしていますが、独自設定・独自試験・オリジナル要素などを含みます。 また、描写や展開の都合上、一部設定を独自解釈している場合がありますのでご了承ください。


Episode 1

Episode 1「チカ級トリオン」

 

三門市の空は、今日もどこか灰色だった。

 

巨大なゲート災害を経験した街にしては、人々は驚くほど普通に暮らしている。学生は学校へ向かい、店は開き、道路には車が走る。

 

その“普通”を守っている組織の名前を、黒瀬は何度もニュースで見てきた。

 

――ボーダー。

 

その本部ロビーで、黒瀬は無言のまま椅子に座っていた。

 

「次、黒瀬葵君トリオン測定ねー」

 

軽い調子で呼ばれ、黒瀬は立ち上がる。

 

案内された部屋には、見慣れない測定機器が並んでいた。

 

「緊張しなくていいよ。すぐ終わるから」

 

オペレーターらしき女性に言われ、黒瀬は小さく頷く。

 

機械が起動する。

 

淡い光。

 

数秒後。

 

ピッ――という電子音が鳴った。

 

「……え?」

 

最初に固まったのはオペレーターだった。

 

続いて、近くで書類を見ていた隊員が顔を上げる。

 

「どうした?」

 

「いや、その……数値が……」

 

画面を見た瞬間、その隊員の表情も止まった。

 

黒瀬は眉をひそめる。

 

「……何か問題ありました?」

 

「問題っていうか……いや……」

 

隊員は困ったように頭を掻く。

 

「お前、トリオン量やばいな」

 

「……?」

 

「玉狛第二の雨取千佳レベルだぞ、それ」

 

主人公は一瞬、反応に困った。

 

チカ、という名前は知っている。

 

大トリオンで有名な隊員だ。

 

ただ、それがどれほど凄いのかまでは分からない。

 

「そんなに珍しいんですか」

 

「珍しいなんてもんじゃない」

 

隊員は呆れたように笑った。

 

「ここまであると、何やっても有利だわ」

 

「何やっても?」

 

「まあトリオン量って基本、全部に関わるからな。弾数、威力、シールド強度、継戦能力……色々盛れる」

 

黒瀬は測定結果の画面を見る。

 

数字だけ見ても実感は湧かなかった。

 

すると隊員が続ける。

 

「やっぱシューターが強いんじゃねぇかな。総合2位の二宮隊隊長みたいな感じ」

 

その名前は主人公でも知っていた。

 

圧倒的火力で相手を制圧するボーダー最強クラスのシューター。

 

「トリオン多いやつの王道だよ。弾ばら撒けるし、火力も出る」

 

黒瀬は小さく頷いた。

 

なるほど。

 

強いトリオンがあるなら、それを最大限活かせる戦い方をすればいい。

 

単純な話だ。

 

数日後。

 

黒瀬は訓練室で黙々と弾を撃っていた。

 

アステロイド。

 

分割。

 

射出。

 

――が。

 

「……難し」

 

弾が散る。

 

狙いがズレる。

 

軌道制御が甘い。

 

訓練用ターゲットには当たる。だが、教本映像のような綺麗な弾幕には程遠かった。

 

「トリオン量はすごいんだけどなぁ」

 

見学していた訓練員が苦笑する。

 

「制御苦手か?」

 

主人公は無言。

 

再度アステロイドを展開する。

 

分割。

 

射出。

 

……またズレる。

 

「同時制御向いてないタイプかもな」

 

その言葉が妙に刺さった。

 

トリオンが多い。

 

だからシューター向き。

 

そう言われた。

 

でも、やってみれば全然上手くいかない。

 

置き弾も苦手。

 

包囲も苦手。

 

複数操作も苦手。

 

火力だけは出る。

 

だが、それだけだった。

 

黒瀬は静かにトリガーを解除した。

 

その日以降、主人公は訓練後によくランク戦を見るようになった。

 

最初は参考のためだった。

 

シューターの戦い方を学ぶため。

 

だが、見続けるうちに考えが変わっていく。

 

戦い方は、一つじゃない。

 

ワイヤーで動きを封じる隊。

 

狙撃で盤面を支配する隊。

 

連携で崩す隊。

 

地形を使う隊。

 

正面から撃ち合わない隊。

 

そして。

 

モニターの中で、隊員が突然消えた。

 

「……!」

 

カメレオン。

 

姿を消した小柄なアタッカーが、死角から一瞬で敵を斬り落とす。

 

風間隊。

 

相手が反応した時には、もう間合いに入っている。

 

真正面から勝負していない。

 

なのに強い。

 

黒瀬は画面を見つめたまま動かなかった。

 

その数日後。

 

別の試合。

 

今度は銃声が響く。

 

近い。

 

異様に近い距離。

 

一瞬の抜き撃ち。

 

相手がシールドを張る前に撃ち抜かれる。

 

「速……」

 

弓場隊。

 

早撃ち。

 

近距離射撃。

 

主人公は理解する。

 

あれは真似できない。

 

反応速度も技術も足りない。

 

でも。

 

頭の中で、二つの戦い方が繋がった。

 

風間隊の“見えない接近”。

 

弓場隊の“近距離高火力”。

 

主人公はモニターを見つめながら、小さく呟く。

 

「……見えないまま近づいて撃てばいいのか」

 

弓場みたいな早撃ちは無理だ。

 

風間みたいな近接も無理。

 

でも。

 

奇襲なら。

 

死角なら。

 

近づいてから撃つなら。

 

できるかもしれない。

 

主人公の視線が、端末のトリガー一覧へ向く。

 

バッグワーム。

 

カメレオン。

 

ハンドガン。

 

静かに、新しい戦い方の輪郭が形になり始めていた。

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