「ワートリ、ワールドトリガー」死角の銃手   作:黒星0214

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Episode 17、Episode 18、Episode 19

Episode 17「閉鎖空間試験 4日目」

 

ロビーに四人が集まる。

 

「おはようございます〜」

 

水瀬がのんびり椅子に座る。

 

「おう」

 

三上が答える。

 

奈央も普通に端末を開いていた。

 

しばらく、のんびりした朝の時間が流れる。

 

モニターが起動した。

 

《本日の課題を送信します》

 

各端末に通知が届く。

 

四人がテーブルに着く。

 

その時。

 

「あの」

 

奈央が少し困ったように口を開いた。

 

「今日、体調が優れなくて」

 

三人の動きが止まる。

 

「え、大丈夫か?」

 

三上が顔を上げる。

 

「熱とかあるか?」

 

「熱はないと思うんですけど」

 

奈央が申し訳なさそうに言う。

 

「何か、今日はちょっときつくて」

 

「とりあえず休んでろ」

 

三上が即答した。

 

「でも課題が」

 

「3人でやるから気にすんな」

 

水瀬が奈央の肩をそっと押す。

 

「寝室戻ってていいですよ〜」

 

「……ごめんなさい」

 

奈央が申し訳なさそうに寝室へ戻る。

 

扉が閉まる。

 

三人が顔を見合わせた。

 

「……大丈夫かな」

 

水瀬が小声で言う。

 

「閉鎖空間だしな、疲れも溜まるだろ」

 

三上が頭を掻く。

 

「課題、3人で回すか」

 

黒瀬が静かに頷いた。

 

「奈央さんの分もフォローしましょう」

 

三人がテーブルに向き直る。

 

寝室の扉の向こう。

 

奈央は布団の中で天井を見つめていた。

 

課題の通知音が聞こえる。

 

三人が話し合う声が微かに聞こえる。

 

「……ごめんなさい」

 

小さく呟いた。

 

誰にも聞こえない声だった。

 

夕方。

 

課題提出後。

 

三上が寝室へ顔を出す。

 

「奈央ちゃん、飯食えそうか?」

 

「……はい、大丈夫です」

 

「なら来いよ、水瀬が作ってる」

 

奈央がゆっくり起き上がる。

 

ロビーへ出ると。

 

水瀬がのんびり料理場に立っていた。

 

「奈央ちゃん、座ってていいですよ〜」

 

「ありがとう……」

 

黒瀬が静かに言う。

 

「無理しなくていいですよ」

 

奈央は小さく頷いた。

 

胸の中がじんわり痛かった。

 

 

 

 

 

Episode 18「閉鎖空間試験 5日目」

 

課題を終えて、夕飯も済んだ頃。

 

「じゃあ寝るか」

 

三上が伸びをしながら立ち上がる。

 

四人で廊下へ向かう。

 

水瀬が取っ手を引いた。

 

「あれ」

 

開かない。

 

「どうした?」

 

「寝室のドア、開かないんですけど〜」

 

三上が来て確認する。

 

力を入れてみる。

 

「……開けられなくはないけど」

 

三上が渋い顔をする。

 

「多分壊れるな」

 

奈央が端末を操作する。

 

「一回問い合わせてみましょうか」

 

モニターから問い合わせ。

 

送信。

 

しばらくして返答が来た。

 

《ご不便をおかけして申し訳ありません。状況は把握しております》

 

四人が画面を見る。

 

「……それだけ?」

 

三上が眉をひそめる。

 

続きを待つ。

 

だが。

 

それ以上は何も来なかった。

 

「何か煮え切らないですね」

 

奈央が困った顔をする。

 

その時。

 

黒瀬が静かに口を開いた。

 

「……これも試験の一環かもしれないです」

 

全員が止まる。

 

「え?」

 

「わざとはぐらかしてる気がします」

 

黒瀬が続ける。

 

「遠征で実際にこういう状況になった時にどう対処するかも見てるかもしれないですし」

 

沈黙。

 

三上が腕を組む。

 

「……確かに」

 

「もう一回ちゃんと確認してみるか」

 

四人で改めてドアを確認する。

 

取っ手。

 

隙間。

 

だが。

 

やはり開かない。

 

壊さずに開ける方法は見当たらなかった。

 

三上が息を吐く。

 

「……やっぱ無理か」

 

「明日最終日ですしね」

 

奈央が静かに言う。

 

「ここで睡眠時間削るのも良くないですし」

 

水瀬がのんびり頷く。

 

「明日で終わりですもんね〜」

 

「ロビーで寝るか」

 

三上が言う。

 

黒瀬は静かに頷いた。

 

「壊す必要はないですしね」

 

その夜。

 

水瀬と奈央がソファーに収まる。

 

三上と黒瀬はロビーにあったクッションを床に並べた。

 

「なんか修学旅行みたいですね〜」

 

水瀬がのんびり言う。

 

「修学旅行て」

 

三上が苦笑した。

 

「でも悪くないですよ〜」

 

奈央が小さく笑う。

 

「確かに」

 

黒瀬は小さく微笑んだ

 

 

 

 

Episode 19「閉鎖空間試験 6日目」

 

水瀬と奈央がソファーで目を覚ます。

 

三上と黒瀬もクッションの上で起き上がった。

 

「……首痛い」

 

三上が首を回す。

 

「お疲れ様です」

 

奈央が苦笑する。

 

しばらくして。

 

水瀬が廊下へ向かう。

 

取っ手を引く。

 

「あ」

 

するっと開いた。

 

「開きましたよ〜」

 

三上が少し呆れたように笑う。

 

「やっぱりな」

 

黒瀬は静かに頷いた。

 

「試験でしたね」

 

「だな」

 

四人で寝室へ戻る。

 

着替えて、ロビーへ集まる。

 

モニターが起動した。

 

《本日の課題を送信します》

 

各端末に通知が届く。

 

四人がテーブルに着いた。

 

最終日。

 

いつもと変わらない朝だった。

 

課題をこなして、夕方。

 

モニターが起動した。

 

《6日間の閉鎖空間試験、終了です》

 

《お疲れ様でした》

 

静かな通知だった。

 

三上が息を吐く。

 

「……終わったな」

 

「終わりましたね」

 

奈央が小さく笑う。

 

「お疲れ様でした〜」

 

水瀬がのんびり言う。

 

黒瀬は静かにモニターを見ていた。

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