「ワートリ、ワールドトリガー」死角の銃手   作:黒星0214

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すみません、先ほど小説タイトルを④と記載しておりましたが、正しくは③です。現在は修正済みとなっております。


閑話休題「水瀬と作戦室③」

閑話休題「水瀬と作戦室③」

 

「で、いつ買いに行きます?」

 

水瀬が真顔で言った。

 

翌日。

 

黒瀬隊の作戦室。

 

まだ何も置かれていない部屋で、水瀬だけがやたらテンション高く机へ図面を広げていた。

 

三上が呆れた顔をする。

 

「いや、気が早ぇよ」

 

「早くないですよ〜」

 

「むしろ遅いくらいです」

 

「何でだよ」

 

「作戦室作りって、最初が一番大事なんです」

 

奈央が少し笑う。

 

「もう完全にインテリアモードですね」

 

「当然です〜」

 

水瀬は即答した。

 

その時。

 

三上が思い出したように口を開く。

 

「そういや、金どうする?」

 

「あ」

 

奈央も思い出した顔になる。

 

黒瀬も少し考える。

 

「……ああ、隊費のやつですか」

 

「そうです〜」

 

水瀬が頷く。

 

黒瀬隊では、かなり前から少しずつ隊費を貯めていた。

 

理由は単純。

 

もし成績次第で専用作戦室が貰えた時、ちゃんと整えたかったからだ。

 

「遠征試験とか始まる前くらいからでしたっけ」

 

奈央が言う。

 

「だったな」

 

三上が頷く。

 

「水瀬が絶対こういうのやりたがると思って」

 

「やりたかったです〜」

 

即答だった。

 

ボーダーのB級隊員は基本歩合制だ。

 

だが実際には、三日に一回くらいの頻度で見回り任務やトリオン兵討伐任務が入る。

 

そのため、普通に活動しているだけでも、それなりに収入はある。

 

大体、大学生のアルバイト程度。

 

だが。

 

撃破数や任務成果が多い月は別だ。

 

特にトリオン兵撃破数が多い隊員は報酬も伸びる。

 

月によっては、新人サラリーマンの初任給くらい貰う隊員も珍しくなかった。

 

もっとも。

 

今回貯めていたのは、そういう個人報酬全部ではない。

 

任務報酬の一部。

 

隊で使える共有費用として、少額ずつ積み立てていた金額だ。

 

それでも、長く積み立てていた分、それなりの額になっていた。

 

「思ったより貯まってるんですよ〜」

 

水瀬が端末を操作する。

 

表示された金額を見て、黒瀬が静かに頷いた。

 

「……結構ありますね」

 

「ですね」

 

奈央が笑う。

 

「意外と使ってなかったので」

 

「どうせならちゃんとした部屋欲しかったしな」

 

三上が肩を竦める。

 

「なので〜」

 

水瀬が満面の笑みで言う。

 

「今日はお買い物です」

 

「言い方」

 

「大事ですよ〜」

 

奈央が少し笑う。

 

「でも確かに、最低限必要な物は揃えたいですね」

 

「棚」

 

水瀬が指を立てる。

 

「照明」

 

もう一本。

 

「ソファ」

 

さらに一本。

 

「ラグ」

 

「お前絶対ラグ好きだろ」

 

「好きです〜」

 

即答だった。

 

黒瀬が静かに図面を見る。

 

「……そんなに変わりますか?」

 

水瀬が真面目な顔になる。

 

「変わります」

 

珍しく即答だった。

 

「作戦考える場所って、居心地かなり大事なんですよ〜」

 

「集中力も変わりますし」

 

「帰ってきたいって思える部屋の方が絶対良いです」

 

三上が少し笑う。

 

「もう完全に家の話なんだよな」

 

「秘密基地です」

 

「まだ言ってんのかよ」

 

奈央が立ち上がる。

 

「じゃあ、今日行きます?」

 

その瞬間。

 

水瀬がめちゃくちゃ良い笑顔になった。

 

「行きましょう〜!」

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