死角の銃手   作:黒星0214

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閑話休題「水瀬と作戦室④」

閑話休題「水瀬と作戦室④」

 

休日。四人はボーダー本部近くのショッピングエリアへ来ていた。

 

先頭を歩いているのは当然、水瀬だった。

 

「まず大型家具系はこっちです〜」

 

迷いがない。

 

完全にルートが決まっている動きだった。

 

三上が少し引く。

 

「……何でそんな詳しいんだよ」

 

「見てるだけでも楽しいので〜」

 

水瀬は当たり前みたいに答える。

 

「あとここ、一定額以上買うと送料無料なんですよ」 「大型家具も設置までやってくれますし」

 

「へぇ」 奈央が少し感心したように店を見る。

 

かなり大きい家具専門店だった。

 

ソファ。

 

棚。

 

ローテーブル。

 

照明。

 

ラグ。

 

全部揃っている。

 

水瀬は慣れた動きで店内を歩いていく。

 

「ソファはこっちですね〜」 「あと黒瀬隊の部屋、壁の色ちょっと暗めなので、家具明るすぎると浮くんですよ」

 

黒瀬が静かに周囲を見る。

 

「……全然分からないです」

 

「そこを考えるのが楽しいんです〜」

 

水瀬が笑う。

 

奈央が小さく笑った。

 

「本当に好きなんですね」

 

「好きです」

 

即答だった。

 

その後も、水瀬は止まらなかった。

 

「照明は別の店行きます」 「ここ種類少ないので」

 

「店分けるんだ……」 三上が呆れる。

 

「当然です〜」

 

次に入ったのは照明専門店だった。

 

暖色系の光が並ぶ、少し落ち着いた雰囲気の店。

 

水瀬が嬉しそうに説明を始める。

 

「この辺りの暖色系照明、めちゃくちゃ落ち着くんですよ〜」 「白色強すぎると作戦室っぽくなりすぎるので」 「少しオレンジ寄りの方が居心地良いんです」

 

奈央が小さく頷く。

 

「……確かに、ちょっと雰囲気違いますね」

 

「ですよね!」

 

水瀬のテンションが上がる。

 

「あと間接照明あると夜の作戦会議かなり良い感じになります!」

 

「夜の作戦会議って何だよ」 三上が笑う。

 

黒瀬は静かに棚のライトを見ていた。

 

その中で、一つの照明へ視線が止まる。

 

黒いフレームの、小さめのペンダントライト。

 

派手ではない。

 

だが、少し落ち着いた雰囲気があった。

 

「……これ、良いですね」

 

水瀬が一瞬止まる。

 

「……え」

 

黒瀬が照明を見る。

 

「部屋に合いそうです」

 

数秒沈黙。

 

次の瞬間。

 

水瀬がめちゃくちゃ嬉しそうな顔になった。

 

「良いでしょ!?」 「良いですよね!?」 「絶対合います!!」

 

急に距離が近い。

 

三上が笑う。

 

「テンション上がりすぎだろ」

 

「だって黒瀬くん初めて自分から選びましたよ!?」

 

「そんな大袈裟な……」

 

「大袈裟じゃないです〜!」

 

その後。

 

水瀬は完全にスイッチが入っていた。

 

「気になった物あったら教えてくださいね!」 「絶対部屋の雰囲気に合わせますから!」

 

「いやお前、そんな自信あるのかよ」

 

「あります」

 

即答だった。

 

最後に水瀬が案内したのは、小さなアンティークショップだった。

 

木製看板。

 

少し古びた扉。

 

店内にはレトロな家具や時計、小物が並んでいる。

 

奈央が思わず声を漏らす。

 

「……凄いですね、ここ」

 

「良いですよね〜」

 

水瀬が嬉しそうに笑う。

 

「ここ、隠れ家的で好きなんです」

 

三上が古いランプを見る。

 

「なんか急にオシャレ度上がったな……」

 

黒瀬は静かに店内を見回していた。

 

視線が、一つの古い掛け時計で止まる。

 

木製。

 

シンプル。

 

少しだけ傷がある。

 

「……これ、良いですね」

 

また水瀬が反応する。

 

「良いですよね!!」

 

「いや反応早ぇよ」

 

「絶対作戦室に合いますって!」

 

奈央が少し笑った。

 

「水瀬さん、今日ずっと楽しそうですね」

 

「楽しいです〜」

 

水瀬は即答した。

 

「だって、自分たちの作戦室ですよ?」 「楽しくないわけないじゃないですか〜」

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