死角の銃手   作:黒星0214

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閑話休題「黒瀬と任務」

閑話休題「黒瀬と任務」

 

夜の警戒区域を、黒瀬と三上は並んで歩いていた。

 

比較的平和な区域の見回り任務。基本的には出現したトリオン兵を処理して回るだけの仕事だ。

 

『付近でモールモッド出現しました〜』

 

通信越しに水瀬の声が入る。

 

『座標送りますね〜』

 

「ほら来た」

 

端末を確認しながら三上が溜息を吐いた。

 

「今日マジで多いな」

 

黒瀬も端末を見ながら小さく頷く。

 

「暑くなってきたからじゃないですか?」

 

「虫じゃねぇんだから」

 

三上が即座にツッコんだ。

 

黒瀬は少し考える。

 

「違うんですか?」

 

「何でちょっと納得しかけてんだよ」

 

二人は指定座標へ向かう。

 

暗い路地へ入った瞬間、地面が小さく揺れた。

 

「……来ます」

 

次の瞬間、地面を破ってモールモッドが飛び出した。

 

だが黒瀬は動じない。

 

両手の拳銃を構える。

 

二発。

 

乾いた銃声と共に、モールモッドの頭部と胴体が同時に撃ち抜かれ、そのまま崩壊した。

 

三上が普通に呆れる。

 

「お前さぁ、ランク戦みたいに消えたりしねぇんだな」

 

「わざわざ透明化使わなくても終わるので」

 

黒瀬は静かに拳銃を下ろした。

 

高火力二丁拳銃。

 

それだけで大抵のトリオン兵は処理出来る。しかも黒瀬はほぼ全て急所へ撃ち込むため、透明化や位置取りを使う必要自体があまり無かった。

 

「……まあ、それもそうか」

 

三上が苦笑した、その時だった。

 

『あ、追加です〜』

 

水瀬の声が通信へ入る。

 

『少し大きい反応あります』

 

「……あ?」

 

三上が嫌そうな顔をする。

 

数秒後、重い音が路地奥から響いた。

 

現れたのはバムスターだった。

 

黒瀬が少し目を細める。

 

「これがバムスターですか」

 

「おう。まあコイツ自体そんな頻繁に出る訳じゃねぇけどな」

 

「珍しいんですか?」

 

「そこそこな」

 

三上は肩を回しながら続けた。

 

「硬ぇから地味に時間かかるんだよな、倒すの」

 

「なるほど」

 

バムスターがこちらへ突進してくる。

 

だが黒瀬は特に焦らなかった。

 

静かに拳銃を構える。

 

連射。

 

重い銃声が響き、次の瞬間にはバムスターの装甲が砕け、そのまま内部コアごと撃ち抜かれた。

 

沈黙。

 

崩れ落ちるバムスターを見て、三上が固まる。

 

「……いや」

 

黒瀬は少し不思議そうだった。

 

「普通に落ちましたね」

 

「お前の火力がおかしいだけだわ」

 

『あはは〜』

 

通信越しに水瀬が笑う。

 

『黒瀬くん普通にバムスター溶かしましたね〜』

 

『怖……』

 

奈央の声も混ざった。

 

『相変わらず威力おかしいですね』

 

黒瀬が拳銃をしまった、その時だった。

 

『あ、すみません〜。もう一件あります』

 

「は?」

 

三上が真顔になる。

 

『今度はモールモッドです〜』

 

数秒沈黙。

 

三上は空を見上げた。

 

「……今日マジで虫みてぇだな」

 

黒瀬は少し考えてから頷く。

 

「やっぱり季節じゃないですか?」

 

「だから虫じゃねぇんだよ」

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