■アデル
優しく穏やかな青年。
知識量が多く、物知りで、本を読むのが好き。
一見すると少し頼りなく、どこか“なよっとした”雰囲気もあるが、困っている人を見ると放っておけない性格。
自己犠牲の精神が強く、自分よりも他人を優先しがち。
特に妹であるリサの事を大切にしており、「自分だけは絶対にリサを置いて死なない」と強く思っている。
幼い頃、両親を亡くしている。
両親は村人を庇い命を落とした。
アデルはそんな両親を誇りに思っている一方で、“生きていて欲しかった”という感情も今なお抱えている。
世界で最も有名なおとぎ話の一つである「黒剣の英雄」が大好き。
ただし、世間で語られている“最強の英雄”としてではなく、
弱く、怖がりで、それでも最後には仲間と共に立ち上がり、誰かを救った“本当の黒剣の英雄”に強く憧れている。
両親が読み聞かせてくれた「黒剣の英雄」の本は、今では両親の唯一の形見。
■リサ
アデルの妹。
最初は人見知りだが、慣れるとかなり人懐っこい。
兄であるアデルの事が大好きで、尊敬している。
一方で、兄が優し過ぎる事、自分を後回しにしがちな事も理解しており、無理をすると止めに入る事が多い。
活発で明るく、感情表現も豊か。
アデルの前では特に素が出やすく、お兄ちゃんが大好きな妹。
黒瀬隊にも比較的早く懐き、
- 結姉(水瀬)
- 奈央姉
と呼ぶようになる。
なお、水瀬と奈央は初めての「お姉ちゃん呼び」に悶絶した。
「黒剣の英雄」
この世界で最も有名なおとぎ話の一つ。
子供達なら誰でも知っている英雄譚であり、村では木の枝を剣代わりにして“黒剣の英雄ごっこ”をして遊ぶ子供も珍しくない。
世間一般では、
“黒い剣を持った最強の英雄”
として語られている。
そして、その黒い剣で斬れない物は、この世に存在しない――そう言われていた。
炎も、氷も、大海すらも。
どんな化け物も。
どんな絶望も。
その剣で全てを斬り伏せ、世界を救った英雄。
――それが、一般的に知られている「黒剣の英雄」の物語。
だが。
アデルが両親から読み聞かせてもらっていた本の中の“黒剣の英雄”は、少し違っていた。
黒剣の英雄は、最初から強い人間ではなかった。
むしろ臆病で、怖がりで、失敗ばかりする人間だった。
仲間に助けられてばかりで、一人では何も出来ない。
それでも。
困っている人を放っておけない、底抜けのお人好しだった。
だから何度傷ついても。
何度怖くても。
何度失敗しても。
最後には、仲間達の力を借りながら立ち上がった。
そして最後には、世界を救った。
アデルは、その“本当の黒剣の英雄”が好きだった。
最強だからではない。
完璧だからでもない。
弱くて。
怖がりで。
それでも最後には、誰かの為に勇気を出せる。
そんな英雄だったから。
アデルは、幼い頃から何度もその本を読んでいた。
両親が眠る前に読み聞かせてくれた、大切な物語。
そして今では、その本は両親が遺した唯一の形見でもある。
アデルは今でも、その物語を大切に持っている。
擦り切れ、何度も開かれたその本を。
まるで祈るように。