「ワートリ、ワールドトリガー」死角の銃手   作:黒星0214

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遠征編_人物紹介

■アデル

 

優しく穏やかな青年。

 

知識量が多く、物知りで、本を読むのが好き。

 

一見すると少し頼りなく、どこか“なよっとした”雰囲気もあるが、困っている人を見ると放っておけない性格。

 

自己犠牲の精神が強く、自分よりも他人を優先しがち。

 

特に妹であるリサの事を大切にしており、「自分だけは絶対にリサを置いて死なない」と強く思っている。

 

幼い頃、両親を亡くしている。

 

両親は村人を庇い命を落とした。

 

アデルはそんな両親を誇りに思っている一方で、“生きていて欲しかった”という感情も今なお抱えている。

 

世界で最も有名なおとぎ話の一つである「黒剣の英雄」が大好き。

 

ただし、世間で語られている“最強の英雄”としてではなく、

 

弱く、怖がりで、それでも最後には仲間と共に立ち上がり、誰かを救った“本当の黒剣の英雄”に強く憧れている。

 

両親が読み聞かせてくれた「黒剣の英雄」の本は、今では両親の唯一の形見。

 

 

■リサ

 

アデルの妹。

 

最初は人見知りだが、慣れるとかなり人懐っこい。

 

兄であるアデルの事が大好きで、尊敬している。

 

一方で、兄が優し過ぎる事、自分を後回しにしがちな事も理解しており、無理をすると止めに入る事が多い。

 

活発で明るく、感情表現も豊か。

 

アデルの前では特に素が出やすく、お兄ちゃんが大好きな妹。

 

黒瀬隊にも比較的早く懐き、

 

- 結姉(水瀬)

- 奈央姉

 

と呼ぶようになる。

 

なお、水瀬と奈央は初めての「お姉ちゃん呼び」に悶絶した。

 

 

 

「黒剣の英雄」

 

この世界で最も有名なおとぎ話の一つ。

 

子供達なら誰でも知っている英雄譚であり、村では木の枝を剣代わりにして“黒剣の英雄ごっこ”をして遊ぶ子供も珍しくない。

 

世間一般では、

 

“黒い剣を持った最強の英雄”

 

として語られている。

 

そして、その黒い剣で斬れない物は、この世に存在しない――そう言われていた。

 

炎も、氷も、大海すらも。

 

どんな化け物も。

 

どんな絶望も。

 

その剣で全てを斬り伏せ、世界を救った英雄。

 

――それが、一般的に知られている「黒剣の英雄」の物語。

 

だが。

 

アデルが両親から読み聞かせてもらっていた本の中の“黒剣の英雄”は、少し違っていた。

 

黒剣の英雄は、最初から強い人間ではなかった。

 

むしろ臆病で、怖がりで、失敗ばかりする人間だった。

 

仲間に助けられてばかりで、一人では何も出来ない。

 

それでも。

 

困っている人を放っておけない、底抜けのお人好しだった。

 

だから何度傷ついても。

 

何度怖くても。

 

何度失敗しても。

 

最後には、仲間達の力を借りながら立ち上がった。

 

そして最後には、世界を救った。

 

アデルは、その“本当の黒剣の英雄”が好きだった。

 

最強だからではない。

 

完璧だからでもない。

 

弱くて。

 

怖がりで。

 

それでも最後には、誰かの為に勇気を出せる。

 

そんな英雄だったから。

 

アデルは、幼い頃から何度もその本を読んでいた。

 

両親が眠る前に読み聞かせてくれた、大切な物語。

 

そして今では、その本は両親が遺した唯一の形見でもある。

 

アデルは今でも、その物語を大切に持っている。

 

擦り切れ、何度も開かれたその本を。

 

まるで祈るように。

 

 

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